秋夜はシュークリーム

久しぶりにランニングに出かけて数回蜘蛛の巣に引っかかった。光に群がる虫たちの生き様を想像し僕はだらだら垂れてくる汗を拭った。

車のクラクションが聞こえタイヤの擦り切れ音が街に吹きかかった。そこら中に設置された消毒液が内側にゆっくり侵入した。

もうすぐ新聞配達と流れ星が競争する。僕はどちらを応援するかまだ決め切れない。と、気づかぬうちに月が流れた。上着を忘れたから家に帰る。

下駄の音を聴いているといつのまにか歴史を忘れた宇宙に放り出される。高等動物の主張と通り雨が降る。桜が散る。残ったのは、なんだろか。


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