ポテンヒットな世界のBGM

朝、金属的でオムライスなCMを眺めていると、「ビデオ・アシスタント・レフェリーになりたい」と青い河童に言われました。僕は「まずそのお皿を割らな〜、くちゃ」と言い返しました。青い河童はすぐさま向こうへ駆け出し大きな液晶テレビに姿をすっぽり隠しました。なんだ、もうなってしまったのか、と僕は思いました。

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昼、金属的な雨をベランダから味見していると「緩いカーブを投げることに憧れています」と麦わら帽子をかぶった武士に言われました。僕は「君は金属的な雨と戦う刀を持って〜、いる?」と訊ねました。麦わら帽子をかぶった武士は道路に捨てられていた一つの絵を隠れキリシタンのようにじっと見つめていました。ああ、なにかまずいことを言ってしまったな、と僕は思いました。

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夕、初めて寄った自販機で何を買おうかと迷っていると「残り物には福がある」と藤原竜也の叫び声のような声がはっきり聞こえてきました。灰色の夕焼けに藤原竜也を探してみますと鳥の一団がUFOみたいにヒュンヒュンしながら暗闇を探索していました。ほお、なるほど、と僕は思いました。

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夜、列車の車輪爆音を世界のBGMのようにじっくり聴いていると黒いバットケースを背負った少年と出会いました。「金属バットでポテンヒットをよく打つのは〜、君?」と僕は訊ねました。少年は苔を愛でる犬のように向こうへ走ってビルの陰に消えました。

少し時がたって代わりに青い河童が出てきました。僕と青い河童の大きな笑い声が列車の音を越え満月まで響きました。その時は満月の笑い声が世界のBGMだったですね、だったですね!だったですね!!と後から少年が教えてくれました。相変わらず苔を愛でる犬だな、と僕は思いました。


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