4月第2週放送(いつか憧れの)初段を目指す!スキがない将棋
“赤いバケツの少年”の乱
2023年4月9日。全国で統一地方選挙が行われるこの日も、私は午前10時からNHK将棋フォーカスの将棋講座を観るために早朝に投票を済ませ、TVの前にスタンバイした。
先週の内容はしっかりと復習をした(ただ単に豊島先生を拝見したかっただけ疑惑に関しては否定しない) 。将棋ノートを自作し、パーフェクトゲームなポイントもしっかり書き込んでみた。棋譜並べもそうだが、手を動かすことで記憶力が年々怪しくなっている私のような団塊ジュニア世代でもまだまだやれそうな気になれるので、ノート作りはぜひお勧めしたい。
先週の放送直後に爆誕した豊島先生ご本人のTwitterアカウントは、瞬く間にフォロワー1万人を突破し、先生の人気の凄さを窺い知ることとなったが、その後、ちょっとしたセンセーションが起こった。
空欄になっていたプロフィール画像が、将棋フォーカス3月12日放送の新講師紹介で見た、豊島先生が1歳1ヶ月の頃の愛らしいお写真に変わっていたのだ。
私ももちろんのこと、Twitterのタイムラインは歓喜で騒然となった。あまりの可愛らしさにきっと全国あちこちで豊島ファンのかたが悶絶していたことだろう。
テーマ“左桂の活用を目指す角引き”
今日も普段の対局時とは違い、目尻の下がった柔和な表情で豊島先生が登場された。先週の放送では相手からの押さえ込みを華麗にかわす歩打ちをみせたが、続く中盤の局面からの解説となった。
中盤はチャンスとあらば自分から積極的に戦いを起こしに行くのが豊島先生らしさだ。五段目にどんどん味方の歩を進出させて、相手の攻め駒の銀を孤立させていく。
角が窮屈で使いづらくなっていた佐藤紳哉先生はここで1筋に角を上がり、端からの攻めをみせてきた。
ここで次の一手が今回のポイント局面となった。
「端角には端歩」将棋の格言にもあり、1筋の歩を進めれば一見うまく端攻めが成功しそうにも見えるが、先を読んでいくと5筋で歩を垂らされて銀か飛車を失う順が発生してしまう。豊島先生はしっかりと見定め、☗6八角と「角には角」で対抗してこの局面を凌いだ。まさにピンチをチャンスに変えるパーフェクトゲームな一手だ。
味のいい手は中盤戦のキモ!
この角引きは、先述の銀を失う順の傷になっている5七の地点に利きを足してカバーしただけではない。先生が仰る「振り飛車にとって重要な左桂の活用ができる」一石二鳥の手になっている。なるほど、複数の狙いがある手を指し続けることを私はこれまであまり考えてこなかったので、今後は意識的にぜひ取り入れてみたい。
初段を目指す場合は突破していただきたい!
放送終了後すぐに豊島先生がツイートをしてくださった。お忙しい中なので、きっとどうしても先生が視聴者に伝えたかったことだ。
メインテーマの「左桂の活用」に対して、先生はこの☖8六歩と突かれた場合の対応が裏テーマだと仰っている。
実際の棋譜進行(☖8六歩ではなく☖7三桂だった)には現れなかった手だけど、歩がぶつかったからと安易に取るのではなく、それ以上に厳しい手で返せるよう、しっかり考えることが大切、と先生は伝えたかったのだと。
放送中の受け答えでも、相手の攻めを受け続けるとどんどん厳しくなってしまう場合は、自分がそれを上回るもっと厳しい手を指さなければいけないので、自力で(山口恵梨子先生がドSキタ!と笑いを誘っていた)何とか頑張って探してほしいと仰っていた。
お優しい中にも、この点だけは譲れないという先生の信念を感じたので、きっとここが今日の豊島将棋エキス、もといエッセンスなのだ。しっかりと吸収し、自身の考えかたの根っこに種を蒔きたい。
「継続」と「復習」が大事!
この日から急きょ始まった「とよぴーのお悩み相談室」。番組宛てやテキストに寄せられたメッセージや質問に豊島先生が答えてくださるそうだ。
毎週、テキストと盤の前で復習しようと思いますという視聴者メッセージに対し、とても良いことで、継続と復習はすごく大切ですと仰っていた。誰でもない豊島先生が仰ると説得力が全然違う。
確かに、人間は何度も同じ事を繰り返すと脳がそれを大事だと認識してくれるそうだ。こちらの”一般社団法人日本記憶能力育成協会代表理事兼会長”という文字通り記憶力の権化のような肩書きの池田義博氏のコラムにも書いてあった。私の脳を寂しがらせないようにしたい。
5月の放送からはスポーツコスプレも!
前任の都成竜馬七段は都成ファーム長としてポップなパーカー姿で講師を務めてくださったが、豊島先生も5月の放送からはスーツではなく、スポーツ系の衣装を着てくださるそうだ。山口恵梨子先生が「めちゃくちゃ攻めてます!」と仰っていて、期待値が振り切れそうだ。
将棋講座テキストでも毎週、スポーツになぞらえて局面の説明をしてくださっているので、今週は柔道着、翌週はバスケと豊島先生が色んなコスチュームで登場されるのだとしたら堪らない。ぜひ楽しみにしたい。
その時はまた全国各地で豊島ファンが狂喜乱舞するであろうことは一手先を読むよりも簡単だ。
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