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8月第2週放送(いつか憧れの)初段を目指す!スキがない将棋


飛車は横利きが大事

8月第2週放送はお盆休み中でもあり、普段よりもゆったりとした気持ちで視聴していたが、服部慎一郎先生との雁木の中盤戦はゆったり感とは真逆で、豊島先生の攻めが炸裂していた。
銀と桂馬、さらには☗4五歩と突き出して角道も開け、3枚の攻め駒が☖2二の後手玉にどんどん迫る。

4五の拠点が後手の急所になるのは7月の矢倉講座の時にも出てきましたね、と豊島先生。
ここを攻め落とされるとまずい、という感覚は、4月の講座開始当初と比べると少しずつ身についてきた実感がある。

下段に引かず、☖8四に浮いた服部先生の飛車は8筋の窮屈な位置にいて、攻めにしか活用できていない。それに対して豊島先生の飛車は☗2九にいて2筋からの攻撃だけでなく下段をしっかりと守っていて隙を消している。王様と一緒に攻められないように、なるべく離れた位置から利かせるのがポイントだそうだ。

この後は☗2五歩という筋が狙いです、詳しくは将棋講座テキストでと仰るので確認してみた。継ぎ歩(持ち駒の歩を複数枚使って、相手の駒の位置をコントロールする)の手筋で、実際の対局では☖3六銀だったがこれをもし☖同歩としていたら☗2五飛で王手銀取りの十字飛車が決まるところだった。

先の☗4五歩もそうだが、矢倉の解説回で出てきた6四角(飛車や香車を狙う好位置)など、要所になる拠点に自然に目配り出来るようになれば攻守両方で役立ちそうだ。何度も繰り返し棋譜並べするなどして、理想的な手筋を流れの中で覚えるようにしたい。

53手目☗4五歩は角道も通して攻め駒に活が入る一手
54手目☖8四飛は☗7四歩の除去を狙うが窮屈な位置だ
67手目☗2五歩は☖同歩なら☗2五飛で十字飛車が決まる

お悩み相談「楽しく続ける事が大切」

この日のお悩み相談では、息子さんが棋譜並べや詰将棋、解説動画視聴といった将棋の勉強をせずに、対局ばかりしている、と悩む親御さんからの相談だった。
これに対しての豊島先生のアドバイスは、対局も勉強になるのでOKですと仰り、聞き手の山口恵梨子先生がえ〜っ優しい、ドS講師⁈とは思えない発言ですね、と驚いておられた。
無理にやらせようとするとかえって楽しくなくなるのでよくないです、という豊島先生の持論は、なるほど私もそうかもしれないと大いに納得できた。

やれと言われるとやりたくなくなるのが人情だ。
将棋の勉強は、そもそもイヤイヤやるものではなく、面白いな、楽しいな、不思議だなと自然に湧き上がる興味を大切にすべきなのかもしれない。

以前に豊島先生が遊び感覚で将棋を指すのが楽しいと仰っていて驚いたことがある。
課題を設定してみっちりと将棋の研究に取り組む時間とは別に、自由に指す時間を息抜きにしておられるのだそうだ。
豊島先生の将棋愛の深さを感じる素敵なエピソードだが、そもそも誰かに強制されるものではなく、楽しいから自然と取り組めることが上達の近道になると、経験上実感しておられるからこそのアドバイスなのだろう。

私も学生時代、好きな日本史の勉強をご褒美にして苦手な数学の勉強をサンドイッチにして乗り切っていたが、それと同じ感覚なのだろうか。
いや、豊島先生と比較すること自体がおこがましいので自粛したい。

賞味期限は10分間

お盆休み中に、繊細な口どけを追求した結果、賞味期限を10分としてイートインスペース限定で提供される幻のレアチーズケーキを食べる機会があった。
真っ白な雪山を連想させる形をしたチーズケーキは、絶妙な配合で計算されたのであろう柔らかさで、舌の上でふわりと溶けて、甘い香りが鼻に抜ける。何と言っても10分間しかないので、普段ならあれやこれやと角度を変えての写真撮影タイムもそこそこに、しっかりと美味しさと向き合った。

将棋講座の約10分間も、普段の時間の流れかたとは全く違う濃厚な時間だ。豊島先生の仰ることをひとことも漏らすまいと、しっかりと五感を研ぎ澄ませる。トップ棋士の豊島先生の頭の中を覗かせて頂けるのだから、こんなに貴重な機会を逃すわけにはいかない。
限られた時間や機会なので、集中力に自信の無い私でも普段以上の力が発揮できているのだろう。豊島先生が講座で説明してくださった事はとても記憶に残っている。

9月号のテキストが届き、これで豊島講座も終了、豊島先生半年間ありがとうございました、という文字を目にして、お別れが近づいてきていることがとにかく寂しい。名残惜しさは尽きないものの、豊島先生が教えてくださったひとつでも多くの知識を自分のものにできるように頑張っていきたい。

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