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5月第3週放送(いつか憧れの)初段を目指す!スキがない将棋

駒がぶつかったら取る、だけじゃない

今回は2014年1月26日放送の第63回NHK杯3回戦、関西所属の振り飛車党として知られる西川和宏六段(当時四段)との対抗形が題材で、テーマは「攻め合いのタイミング」。豊島先生が攻め込む瞬間が大好きな私にはワクワクする。
課題局面は豊島玉を守っている大事な金に対して歩+銀の強力パンチを食らったところからだった。売られたケンカとばかりにここは取るのが自然な手に思える。しかし意外にも、地味に着実な端攻め(69手目☗9五歩)がパーフェクトな一手に選ばれた。下記リンク先で動く棋譜をチェックできる。

相手の攻めを上回る強気な攻めの応手を繰り出すのが豊島先生らしさだが、指し手には緻密な計算が行き届いている。お互いの玉がどこにいるのか、一路の差が大切だとの事。
この局面の玉の位置は先手の舟囲いが7筋に、後手の美濃囲いが8筋にいる。
将棋では自玉周りで戦いが起こると厳しくなるため、美濃囲いにとって端攻めは急所となる。

これまで美濃囲いなら疑問にさえ思わずに機械的に2筋(後手なら8筋)へ玉を移動させていたが、相手玉の位置と、戦いが起きそうな筋、相手に戦いを起こすと効果的な筋を見極めて、あらかじめ対策を考えておく必要があることがよく理解できた。攻められてから慌てるようでは文字通り後手後手なのだと。

以下、詰み。(先生分かりません!)

相手の攻めをかわしつつ美濃囲いに侵入し、☗9三銀としたところでおもむろに「以下、詰み。」と。一目では詰みがわからず、絶望しそうになったが、後から補足してくださり、手順が長いので放送時間の制約上、その先はテキストを見てほしいという意味だったそうだ。
実際は玉を逃げてもこの銀を取っても相手に詰みがあり、放送で紹介されなかった銀を取る手順は11手詰め?だとテキストを読んで理解した。放送では9手詰めの手順の解説だったが、脳内で9手詰めを動かすのは初心者にはハードルが高い。
棋書や観戦記でも、以下◯◯からの詰み、というように簡単過ぎると判断されて端折られてしまうことはよくある。級位者としては最後まで手順を説明して欲しいところだが、初段を目指すならここは頑張りどころなのかもしれない。

豊島先生ご降臨!

どんなに楽しい休日を過ごしても、迫り来る月曜日を思うと憂鬱極まりない日曜日の22時過ぎ。ベッドにもぐりこんでいたところ、Twitterの通知が光る。
「豊島将之」の文字が輝いて見える。
今週も講師直々の補講のツイートだ。ベッドから転がり落ちるように将棋盤の前に向かった。

あるあるなのかな、と仰る先生は、どんどん駒を奪われ逃げ回った挙句に負けてしまう私のヘボな戦いぶりをご覧になったかのようだ。ご明察。これは私の終盤力の無さのせいだと思っていたら、頻出する失敗例なのだとわかって少しホッとした。対策さえわかれば次に同じ局面が出てきたらドヤ顔で早指し…できれば嬉しい。

尊いが過ぎるぴよ将棋の局面スクショ

先のツイートのツリーで局面付きで補足説明があった。先生が脳内で瞬時に終わらせる一連の読みを我々がわかりやすいようにと、わざわざぴよ将棋で局面作成をして説明してくださるなんて、それだけでも俄然やる気マックスだ。
説明の順に局面図をみていくと、そうか、なるほどと理解がしやすい。(テキスト文字は豊島先生のツイート画像に私が加工させて頂いた)

飛車と角に狙われ、持ち駒に金銀も持たれている
玉を8二から9二へ逃げてもすぐに捕まってしまう
飛車と角に狙われ、持ち駒が金銀なのは1図と同じ状況
玉が2二から逃げても利きがあるので耐久力がある
持ち駒の歩を打つことで飛車の利きを止める

美濃囲い、玉がうかつに動くのは危険

豊島先生からの説明を受けるまで、美濃囲いの玉の初期位置には利いている駒が一つも無い事に、全く気づいていなかった。
だからダメな囲い、というわけではなく、王手をかけられても逃げ出すのではなく、他の駒で取れるようにしておけば問題無いそうだ。

初心者にとって囲いは「なぜこの配置なのか」深く考えることはあまり無く、「このような駒の配置にしましょう」で丸暗記してしまい、一つ一つの駒がそこにある意図をちゃんと理解していないふしがある。だって、そんな事は誰も教えてくれないからだ。
豊島先生が5月号テキストのこぼれ話で、ご自身がなぜそう指すのかを、初心者にわかりやすく言語化していく作業に新たな発見があって楽しいと仰っておられたのが印象的だった。私もこの復習noteを書く事(アウトプット)でさらに噛み砕いて理解できていると感じている。

美濃囲いが囲いが完成する手数が少なく済むのでオススメだと言われるがままに、駒の配置の意味もわからずに組んでいた。
だから最初に放送を観た時は、玉に紐をつける(取られても取り返せるようにしておくことをいう)?そもそも玉って取られるわけにいかない駒だから、紐つけるも何も…とちんぷんかんぷんだったが、つまりは玉が逃げ出してしまうと、初期位置を守っているのは自分だけなので、そこに打ち込まれたら脆いのだ。
4月に学んだ5五角+3六桂の合わせ技一本のように、初期位置のまま飛び道具でやられてしまう事もある。初心者に親しみやすい手数の少なさと、堅牢さも優秀な美濃囲いは、玉の急所と守備駒の利きを常に意識しながら今後は戦っていきたい。それがわかっただけでも、少し強くなれそうな気がした。

囲いは天むすのように

先週の豊島先生の「ショートケーキ、苺を食べる前に考えよう」に感化されて、私も謎かけをしてみた。
「囲いは天むすのように」
ラブストーリーは突然に、みたいだが、その心は…エビ天の王様をしっかりと真ん中に配置して、ご飯で周囲を固め、バラバラにならないように海苔でしっかりと巻く(紐をつけて駒たちを連携させる)事が大切だという意味だが、我ながらパッとしない。笑点なら昇太師匠に座布団を没収されてしまいそうだ。

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