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壮大な世界観とコンパクトなストーリーが良かった『大雪海のカイナ』

ネットで検索すると「大雪海のカイナ つまらない」と出てきたりする。いまいちなのか…?と案じましたが、観てみると、とても面白い作品でした。
アニメが11話と映画1本で綺麗にまとまりエンディングを迎えます。


『大雪海のカイナ』は、ファンタジーアニメ。
とくに気に入ったのが、その世界観と設定です。

■ 雪海に閉ざされた星


舞台は地球かどうかも不明な星。
ただ、地表が雪海(ゆきうみ)と呼ばれる泡みたいなもので埋め尽くされています。そのシャボン玉みたいな泡は、水でもなく雪でもなく、なんだかわからない物質です。
そして、その上空には天幕と呼ばれる透明なガラスみたいな殻が星を覆っています。
地上が雪海、上空が天幕です。
その雪海のある地上と天幕を繋ぐのが超巨大な樹。
雪海にも天幕にも大地はなく、樹の周りに人間が住んでいますが、どちらも僅か。
そして主人公のカイナは天幕に住んでいました。

何故こんな状態なのか?そもそもここは地球なのか?などなど、謎めいています。

丸く降ってきているのが雪海で、その積もった雪海の上をいかだで移動しているシーン。

■ 文字が無い?

この世界には話す聞くはあるものの、書く読むの文化が無い様子ですが、どこからか拾ってきた看板に、日本語と思われる文字が書かれています。
その看板を集め、趣味として文字を解析している老人がいて、その老人から主人公のカイナは文字を教わっています。
日本語の看板があるということは、この星は地球で遥か未来の話なのか?と予想し、観ていました。
カイナが文字を読めることが、後半で活きてくるんですよね。

■ ラピュタを感じるボーイミーツガール


SFのような魅力的な世界観ですが、ストーリーはシンプルにボーイミーツガールです。
天幕に住んでいたカイナが、地上の雪海から気球のような乗り物で浮かび上がってきたリリハと出会うのが一話目。
天空の城ラピュタを見たことがあると、空から降ってきた少女シータを受け止めるパズーを思い出しそうです。

リリハは、雪海にある小国の王女。その二人が天幕から雪海に降りていき、冒険をしていく。冒険劇が好きな自分は、最後まで楽しく見ることが出来ました。
強いて言うなら、悪役がいまいちだったのは残念。ただ物語上で必要な為にいる敵役といった体で、信念や魅力が感じられず、いまいちに映りました。
ただ、最初に書いたように、アニメ1クールと映画1本で綺麗にまとまっているので、悪役まで深く掘り下げるのは厳しかったのかも?
敵役のひとりであるアメロテは、彼女自身にもドラマがあり、良いキャラでした。

気になっているままスルーしていた大雪海のカイナでしたが、見始めて見て大正解でした。



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