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こんな問題集が欲しい。司法試験・予備試験編

みなさんこんにちは。アラフォー司法受験生のボーダーです。
R5司法試験を受験し、今は論文発表待ちです。
司法試験の体験記やら受験生活の振り返りをしています。

さて、今日は「こんな問題集が欲しかった!!!」。というものについて考えてみました。

大枠のみ問題集

司法試験を受験すると分かるのですが、合否のラインってものすごく初歩の初歩で決まる印象です。
「大枠」で決まります。

憲法で言えば「条文選択」と「審査枠組み」ですし、民法や商法なら訴訟物(条文)で決まりますね。

ここがCDの分かれ目だと思います。大枠合ってればC以上確定です。

その先のBかAかその上かは事実引用やら評価やら日本語力によりますね。でも、これは合否に直結するものではありません。

そうだとすると、大枠や幹に特化してあり、短時間で解ける問題集があればな―、と思ってました。

※刑事系は大枠の先の事実評価に合否ラインがありそうですね。

大枠だけ問題集が欲しいランクNo1は憲法

特に憲法が欲しいです。
司法試験の憲法は初見の侵害されている利益を捉えて、どの憲法条文で主張構成するのか、合憲性判断枠組みをどうするのか、を決めなければなりません。

たまたまR5の今年は25条生存権と14条平等が見え見えでしたが、他年度は条文選択や判断枠組みの構成が微妙な時もあります。

憲法で合格答案(C以上)を確保するには、初見問題を見て、主張の大枠を瞬時に構成する力が必須です。

この力はテキスト学習やら判例学習していれば身につくといったものもないと思います。

初見の問題、特に社会問題を憲法的に捉える力が必要です。

そのような力をつける、思考トレーニングのための問題集が欲しいです。

過去の司法試験でも、グーグルマップやらフェイクニュースやら地方でのバス路線やら、覆面デモやらメーガン法やら社会問題を題材とした問題が多く出されています。
やっぱり、このような問題に対応するような思考力はつけておきたいですね。

例えば、下記のような問題集が欲しい。

「現代の社会問題50を憲法的に考えよう」

1.ライドシェア(UBER)緩和 VS タクシー業界
2.コロナ規制 VS 飲食店
3.ワクチン未接種社員の勤務停止
4.クローン開発やAI開発 VS 学問の自由
5.移住促進 VS 税金
6.少子化対策 VS 平等
7.後継者問題
8.外国人労働者
9.廃棄物
10.介護、、、、、

初見で、これらの問題に自分なりに憲法問題として主張構成するトレーニングをして、その脳みそで本番に挑みたいですね。

この問題集に別に詳細な正解の回答は不要です。
あくまで、自分なりに考えるテーマがあればいい。

民事訴訟法(シュミレーション式に学ぶ)

初学者にとって一番苦痛なのが民事訴訟法のテキストと授業。
なぜテキストや基本書はあんなに分かりづらいんですかね。
なぜ、先生はあんなに分かりづらく教えるんだろう。

当事者の実際の紛争解決の流れとテキストや授業の内容が一致しないからですね。

いきなり当事者やら二重起訴禁止やら弁論主義やら処分権主義やら既判力といった概念を教えるべきでない。

初学者には無理です。理解不能です。

では、どうすればいいか。

当事者として訴状、準備書面を作成して、主張反論させるようなケーススタディーから入るべき。
絶対にここから入るべき。

その中で、基本的な概念は教えればいい。

処分権主義なんて、、、、、当たり前だし、常識です。訴えるかどうか、請求の内容、訴えを取り下げるか、これらは当事者が自由に決めれる。そりゃそうでしょ。

民事訴訟法学習は5つほどのケーススタディーを通じて全ての基礎概念、原理原則を学べるようにする。

3日間の合宿でもすればいいと思います。

最初に20時間、訴状や準備書面の作り方を実務から教われば民訴は好きになるはず。

その後に、学問的な判例勉強などはテキストや授業でやればいい。

訴状、準備書面作成を通じて学ぶ民事訴訟法。そういう初学者向けのシュミレーション的な問題集、コンテンツが欲しい。

ドラマ仕立てで学ぶ刑事訴訟法(判例)

刑訴の中でも特に捜査法については、ドラマが相性いいです。
判例や問題集を文章で読んでも、本当の意味で限界事例についてはなかなかイメージしづらいです。

やはり映像が一番。

1つの判例について、1,2分の演技があって、その上で簡単な解説がある、そんな講座があったら最高です。
映像で頭に入りますからね。

司法試験の問題も、結局は限界事例のビミョーな内容を出してきます。
それを自分なりの基準を持つためにも、イメージし易い映像が欲しい。

商法、訴訟物問題集

様々な違法やら決議の瑕疵やら訴訟物だけを答えるような、大枠だけを答えられるような問題集、一問一答のようなものが欲しい。
商法は、違法事由を抽出して、条文摘示する力が必要。
この力さえ、あればA答案になります。

長文問題とは別に、ここだけに特化した、瞬発力を鍛えるような問題集が欲しい。

国際私法

不思議な科目ですね。
1年勉強しても、いまだにフワッとしてます。
私は基本書10冊持ってます。
読むわけではなく、条文の趣旨などを調べるための辞書として買いました。

結論、、、、知りたい内容は書いてない。です。
学者の人たちも、「濁します」。

国際私法という分野はまだまだ学問として新しく、成熟していないんだと推測します。

学者自身も完全には理解できていないんだと思います。

当然に予備校の講座もフワフワです。基本解決しません。

国際私法は確かに暗記量は少ないです。

でも、最初の理解のところで、とてつもないストレスと時間を使います。

ケース30という問題集が数少ない演習書です。

もう少し具体的で、理解しやすい問題集が欲しいですね。期待です。

おわりに

今回は、私の考える「こんな問題集欲しかったなー」というテーマでお話ししました。

特に民訴はすぐ欲しい。
司法試験の受験勉強を通じて、一番つらかったのが民訴の初学者時代の最初の200時間。
辛かった。。。。何が幹で、何が原則なのか、全く意味が分からなかった。
民事訴訟法は教える側に決定的に問題がある。絶対に。
いい加減にこの教育方法について、誰かが変えないと。

数ある科目の中で「分かりやすく教える」という意味では一番遅れてる学問だと思う。

複雑訴訟についても本当に経験があって、具体的事例から教えられる先生がいない。複雑訴訟について、実務を全く知らない受験生に問題を解かせるって絶対に間違ってる。
問題で出すなら、まずはそれを「分かりやすく教えられる」指導者を業界として作ってほしい。

最後はほぼ愚痴になりましたね。

では、また。








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