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もし3年前に戻れたら、きっとこんな感じで勉強する。【司法試験の民法】

みなさんこんにちは。
アラフォー司法受験生(ロー在学中)のボーダーです。
私はR5司法試験を受験し、今は論文発表待ちです。

本ブログではR5司法試験体験記や受験勉強の振り返りをしています。

今回は、もし自分が3年前に戻れたとしたら、民法はどんな感じで勉強するかなーってことを考えてみました。
参考まで。


1.「民法を制する者は司法試験を制する」

よく聞きますね。
民法を制する者は司法試験を制する。
今になると、この意味がよく分かります。

一見すると民法も論文100点分だから、他科目と重要性は同じじゃん、って思いますね。

私もそう思っていました。
でも、やっぱり今考えても民法って他科目とは違い特別でした。
特別な理由は以下の通りです。

・民法は論文100点だけでなく、短答で75点分ある。
短答式試験については、刑法や憲法では受験生の間で大きな差はつかない。
一番大きな点数差があるのが民法。
私はR5で65点でしたが、他の受験生は50点くらいも多かったです。15点ものアドバンテージを得られました。一方で刑法や憲法は他の受験生と大きな差はありませんでした。
この意味で、民法は2科目分くらいの意味があると思います。

・民法の論文問題の短答知識化
R5の民法論文の問題を見てください。
短期配偶者居住権やら転貸賃料に対する物上代位やらが出題されました。
これらは、いわゆる論文問題集の典型論点ではなく、短答過去問の知識です。
民法の論文問題が短答知識化していると言えます。
この意味でも民法は2科目分です。

・民法に追われると、直前期に他科目に時間を割けなくなる
民法はボリュームが極めて多いため、直前期に追い込むことが難しいです。そのため、直前期までにある程度完成していないと、民法の勉強に時間をとられ、他の科目に時間を割けなくなってしまいます。
結果として、全体の点数が低くなります。
したがって、民法は早めにある程度完成させる必要があります。

・民法知識がないと、民訴や商法が理解できない。影響する。
特に民事訴訟法を得意になるには民法の知識、特に要件の記憶と理解が不可欠です。
民法の要件が曖昧な状態では、民事訴訟法の問題は解けません。

また、商法についても、民法の特別法であるから、原則となる民法の取り扱いが分からないと商法の制度趣旨などが理解できません。

さらに、私は国際私法を選択していました。国際私法では、養子や認知、相続などの家族法分野の知識を多く使います。
ここでも民法知識が必要となるのです。

この意味で民法は他の民事系科目の基盤となり、その理解が大きく影響します。

2.全体の勉強時間の30%は民法にあてる

全体の勉強時間のうち、30%くらいは民法に当てるべきだと思います。

具体的には、1年目は全体の40%ほど、2年目は30%、3年目は20%という感じです。

3年目に20%で収まるように、1年目、2年目に力を入れるべきだと思います。

3.短答過去問は最初から手を付けるべし

私は学習開始後3年2ヶ月でR5の司法試験に挑みました。
ほとんど計画通りに勉強は進みませんでしたが、その中でも最後まで足を引っ張ったのが短答の民法でした。
とにかくボリュームが多すぎて、結局やり切れませんでした。
また、大事な直前期勉強においても、最後まで民法の短答の勉強に追われてしまいました。

3年前の私に下記を言いたいです。

「今から短答過去問をやれ。分からなくてもいいから、手をつけろ」

「論文問題や論文の書き方は後からいくらでも伸びる。今は短答過去問を通じて、条文知識と判例知識をつけろ」

「短答過去問パーフェクトは量が多くて無理。伊藤塾の合格セレクションで十分」

「論文で必要な知識の全ては短答過去問と条文に含まれてる。両者を分けるな」

とにかく、手を付けるのは早ければ早いほどいいです。

4.条文素読(条文理解)が学習の中心

短答はもちろん、論文を考えても、学習の中心は条文にすべきです。
今振り返っても、もっともっと、最初から条文の読み込み、条文スタートの勉強をすべきでした。
R5年の論文問題をみれば一目瞭然です。
論文問題といえども条文知識を聞いてます。

5.論文問題集は一冊でよい

上に書いてる通り、民法論文と短答知識は近接化しています。
そのため、過度な論文対策は不要だと思います。
一冊、網羅性のある問題集を血肉とする勉強ですね。
私は伊藤塾の問題研究(旧司法試験と予備の過去問)を使いました。

ロー入試の時に使った問題集1冊で司法試験本番も戦えます。

6.基本テキストも一冊

基本テキストも一冊で十分です。
直前対策っぽい薄い総まとめ系でもいいと思います。
私はLEC矢島先生のスピードチェックが基本テキストでした。

7.本試験の過去問の取り扱い

正直、やる時間はないと思います。
本試験の論文過去問を18年分やるのであれば、条文素読と短答過去問の時間に費やすべきだと思います。

盲目的に過去問をひたすらやるのではなく、R5とR4の論文過去問を実際に解いてみてください。
どのような知識が必要で、自分がどのような勉強をしなければいけないかが見えるはずです。

もっとも下記2つはマストで必要です。

・出題傾向分析、アウトプットトレーニング目的で直近3年分を解く

・過去問18年で出題された論点は、全て押させる。論点の網羅性。
問題は解かなくとも、出題された論点は基本テキスト等で大枠は理解しておく。過去に出題された論点が全く分からないということはないように。➡言い換えれば、過去問が反映された基本テキストを使うべき。基本書はこの点が弱い。予備校本はここが優れている。

時期別の学習法

法科大学院の入試と司法本試験は大きく異なりますね。
法科大学院の入試対策は、問題集が一番効果的です。
一方で司法本試験は短答論文の区別がほとんどありません。

したがって、法科大学院入試については基本論文問題集の血肉化に力を入れる。この時も短答過去問については手垢はつけておく。

法科大学院入試後は短答過去問及び条文素読みなどの知識の底上げが中心となります。一番つらい勉強ですが、ここが頑張りどころですね。

まとめ

・民法は、全体の30%くらいの重要性を絞める。
・論文知識と短答知識はほぼほぼ接近している。
・短答過去問は学習初期から手を付けること。
・短答過去問を通じた条文知識、判例知識の習得が勉強の中心
・基本テキスト1冊(過去問論点が記載あるもの)、基本問題集1冊(旧司、予備)を血肉にする。
・司法試験過去問を全て解くのは無理。でも出題論点だけは網羅しよう。また、直近3年は傾向分析のためにも、アウトプットトレーニングのためにも必須。

以上今回は「もし3年前に戻れたら、きっとこんな感じで勉強する。【司法試験の民法】」というテーマでお話ししました。
少しでも役に立てたらうれしいです。ではまた。







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