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LINEの生活#18 なぜ必要?

東とテンヌキは、屋敷の外へ出た。
「もう追ってくる気配はないな」
東は屋敷の方を向いて、テンヌキに行った。もう追ってくる気配はなさそうだが、念のためまだ走り続けている。
(...なんで『お』は、あそこまでして俺を捕まえようとしたんだろう...?俺はなぜ必要とされているんだ?
「なあ、テンヌキ、そろそろ『ボス』の本当の役割、伝えてくれよ。約束してただろう?」
「無理」
「なんで!?」
「前」
東は前を見て、テンヌキの言いたいことを察した。
「...確かに、無理だな」
「ね?」
「今話してたら、三分くらいでボコボコにされるわ」
「ああ、簡単にやられる」
「そうだよな...」
二つの文字の目の前には、数え切れないほどの文字たちが、道を通せんぼするように並んでいると言う光景が広がっていた。その文字たちはどれも、『裏切り者』『この世界を壊すな』『お前のせいで...』などと、謎の言葉が書かれていた。縦40cm、横50cmくらいの、大きな長方形のプレートと、ナイフ、フォーク、フライパンなど、武器になりそうなものを持った文字が並んでいるのだ...
「絶体...絶命だな...」
「...」
二つの文字は足を止めた。
これじゃまるで、デモじゃねえか...
こんなことで戦争なんかに発展したらどうすんだよ...と、東は思った。
文字たちは、東とテンヌキ...いや、殆どは東に向かって、
「お前はこの世界をぶち壊したいのか!??」
「なにが目的だ!?」
「黙ってないでなんか言えよ!!」
「クソッタレ!!!」
「裏切り者が!!!」
と、訳のわからない文句を言っている。
「あのお〜」
東が口を開いた途端、文字たちは暴言を吐くのをやめ、東の方に視線を向けた。
「失礼ですが、人違い...いや、文字違いでは?...俺たち、あなた方の言っていることが、...全く理解できないのですが...」
すると東の方を向いていた文字たちの表情が、みるみる険しくなって、
「とぼけんなクソ野郎!!」
「いい加減にしろ!!」
「この世界の裏切りもんがああ!!!!!!」
と、さっきよりも大きな声で怒鳴りながら、手に持った武器を投げつけてきた!!
「うおっ!!」
なんとか避けることはできるのだが、当たってしまうのも時間の問題だ。東はテンヌキに囁いた。
「一気にぬけるぞ」
「うん...!」
東とテンヌキは、文字たちを無視して、全速力で駆け出した。幸い、デモの奴らは一ヶ所しか道を塞いでいなかったので、武器を投げつけられながらも、近くにいる文字を押し除け、なんとかデモから抜け出せた、追ってくる文字もいたが、テンヌキのナビゲーションにより、なんとか巻けた。
気づけば、もう夜になりかけていた。
「寝床を探さなくちゃ...」

続く

さあ、東がなぜ、こんなにも「お」やLINEの世界の文字に狙われているのか!?謎が出てきましたねえ!!
余談ですが、「LINEの生活」が完結したら、ファンのための、「LINEの生活 ファン広場」(ファンブックみたいな記事)を投稿するつもりです!!お楽しみに!!!

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