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その人にとっての価値観とは?

近年、メルカリやヤフオクで、「甲子園の砂」や「普門館のタイル」・芸能人パーソナリティーの番組グッズが、転売されることについて「ダメじゃない」と「怒る方も変」という意見が出てくる。

「甲子園の砂」は、高校野球の聖地と言われる甲子園のベンチにある砂を、負けた高校生部員が持ち帰るということで、最近までは売買で登場することはなかった。

昨年の夏の高校野球以降から、メルカリやヤフオクで売買が行われて、即売り切れとなり、野球ファンや一部の元高校野球部員からの非難は出た。

「普門館のタイル」は、私が中学生で吹奏楽部員をしていた時、東京・九段にある普門館が、「吹奏楽の聖地」と言われた。
なぜ、聖地と言われるのか? 吹奏楽でも甲子園野球なみの厳しさで、全国大会へと向かう「全日本吹奏楽コンクール」が毎年開催される。

審査は、課題曲4曲の中からひとつと自由曲1曲を演奏。その合計評価で、地区から金賞の中でも代表に選ばれなければ、全国大会に進めない。
その最終の決戦地が「普門館」なのであった。

その普門館が、建物老朽化のため、今年12月に解体作業に入るということで、吹奏楽ファンのために、11月の特定期間1週間のみ一般に解放されてた。

最終日11月11日の帰りに、外壁などのタイルが袋に詰められて「無償」で配られて、吹奏楽ファンなら嬉しいもののはずであった。

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しかし、SNSで「普門館のタイルが売買されている」という情報が流れたので、見てみるとタイルとその日に押されるスタンプなどを3500円でセット販売されていて、見事に全て売り切れとなっていた。

私自身、普門館のステージに一度も上がることなく、吹奏楽から離れたけれど、吹奏楽への熱が冷めたわけではない。
普門館のイベントは物理的にいけるはずもなかったので、買う気になかったし、買えないものと思っていたら、売買されている。

SNSでも、「転売はやめてほしい」という意見に対して、同調する意見もあれば、「売って何が悪い。転売をやめろと言う方がうざい」という意見もあった。(あとでやめろ論を出した人、楽器の部品や、楽器そのものをSNS上で売買していることがわかった。吹奏楽経験者と考えられる)

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野球や吹奏楽で「聖地」とされるものは、経験者にとっては、神聖化される。それは、無償で手に入るものなら、なおさら「欲しい! 手に入れたい!」と思うのは当然だろう。

しかし、手になかなか入らないから、いいのであって、手に入ればラッキーぐらいなのがいいんじゃないのかな?

手に入れて、大事にするのであれば、なんら問題はないが、何も知らずに手に入れて、転売をしてしまうのは、すでに記憶と心の世界でけじめをつけたはずの人の心をかき乱して、最終手に入らなければ、傷つけることになってしまう。

芸能人パーソナリティーの番組グッズは、実はというと、「転売禁止」という手紙が同封されていて、バレれば、なんらかの処罰は出るだろう。
なぜ知っているかというと、一度読まれたことがあって、忘れた頃に番組のステッカーが送られたことがある。

その手紙に、「転売やオークションへの出品禁止」が丁重に書かれていた。

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無償であり有名な場所や番組のものを、平気で転売する人に、正論は通じないし、一応事務局に問い合わせをしたが、止めようがないという。

その世界や人物を知らない人にとっても、「なんだそれ?」というのは当然でしょう。

無償のものを有償で売ることに嫌悪感を感じる人の気持ちは、「聖地のもので、ファンのためにただでもらえたことに、感謝の気持ちはないのか?」という腹立たしさしかないのではないだろうか?

逆に「文句いうなよ」と言う人は、好きか嫌いかはわからないけれど、無償のものは転売してマネタイズという概念しかないか、好きだけれど無償のものは売ってもいいという考えかと、色々と考えられる。

無償の記念品の転売は、今後もどんどん続く。
それを手に入れて、嬉しいか後で虚しさを感じるかは、私でもわからない。

買った本人が手に入れて、その時からずっとその品物を大事にしていくかに転売で手に入れたものへの価値は問われていくだろう。

記念品の価値観。これは、誰にも測ることはできない世界。
止めることはできないけれど、せめて買った人のもとで大事にされてほしいと願うしかない。


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