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型を守り、破り、そして離れていく

最近「水曜のマンガ道」の生配信の運営をするようになって、サディこと佐渡島さんの配信中の言葉も注意深く聴くようになった。配信の中で、よく言うなあという言葉は「」だ。

クリエイティブ、ときくと「いかに型にハマらないか」を想像して、型を意識するということはあまり聴かないかもしれない。だから、こんなに繰り返し型の話をするのは自分にとって意外だった。

ただ思い返すと、どの分野においても、秀でている人は型のことに言及する。わたしがリクルートの時の直属のリーダーも口酸っぱく「みよよさん、型だから!まずは型をマスターするんだよ」と言ってくれた。少しでも型から離れたら「まだ離れるのは早いよ!」と釘を刺してくれた。

何度も何度もヒアリングのロープレを行い、アポの設計、スケジュールの立て方など、彼のコピーに必死だった。その結果、リクルートではポンコツではあったが、一つだけ自信がある。それはなんの商品でも売れる、ということだ。
今の会社に転職して、全く扱ったことのない商品と業界から、自分でクライアントを開拓してきた。6月からコツコツ営業した結果、全く取引がなかった会社から「来年度の契約のコンペに出ないか」とお声がかかり、嬉しかった。わたしの営業の型は嫌でも染み付いていたらしい。淡々と今までやってきたことを、どう転職先に落とすかを考え、今まで足りていなかった提案書作成の部分は上司に助けてもらって、なんとか成果が見えてきた。

一方で、型を愚直にやり続けるのは好きじゃないと出来ないとふと思った。
運転が死ぬほど下手で免許更新しなかったわたしだけど、下手くその癖に練習を全然しなかった。つまんないから。別に上手くもなりたくなかった。車庫入れとか今考えたら、たくさん練習すれば出来るようになったかもしれない。でも楽しくないし、つまんないからやらなかったし、当たり前だけど下手くそだった。

愚直にやりつづけるか、を問うためにも型は存在しているのだろう。

わたしは料理は必ずレシピ通りに作ることにしている。まずは型を覚える。型を繰り返す。
おかげでやっと最近、調味料の配合が身についてきた。この調味料を入れると、まろやかになるとか、この比率がレシピで多いな?とか気づけるようになった。
その上でうちは甘いのが好きだから砂糖を少し多めにしてみよう、とか、濃くなりすぎないように今回は醤油少なめで、、とか自分らしさが出てくるように。これが型を破るということなのかもしれない。

わたしはまだ型から離れる、まで何かを極めたことがない。なにか小さいことでもいいから、コツコツ続けて型を破るものを作りたい……そんなふうになんかふと思ったのでした。

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