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コーヒー・ルンバ

私が好きな物の中で『絶対的王者』を誇るのが、『コーヒー』だ。
ダントツだ。これだけは絶対譲れない。

焙煎したコーヒー豆の『香ばしい』香りも大好きだし、ミルで挽いた豆の『香ばしい』香りも大好きだし、コーヒーをドリップしている時の『香ばしい』香りも大好きだし、カップから口に運ぶときの『香ばしい』香りも大好きだ。

が、飲み終えたカップがそのまま乾燥してしまって放つ臭気は大っ嫌いだ。(笑)自宅では速攻、カップを洗ってしまうので、コーヒーの余韻に浸っている間はなく楽しみも削られるのだが、それはコーヒーを淹れて飲む中の微々たるものだからよしとしよう。(笑)

『香ばしい』香りと言っても、微妙に違う『香ばしい』4種類から、どの『香ばしい』が一番か、というと甲乙つけがたくとっても難しい。

ミルで挽いた豆の『香ばしい』が2番かな。
1番が、焙煎したコーヒー豆の『香ばしい』かな。

焙煎した豆は、豆のコロンとしたフォルムも好きだし、産地によって変わる豆の大きさやフォルムの違いも好きだし、焙煎具合によって変わる茶色や艶感も好きだし、軽量スプーンですくったときのシャラシャラとした音と軽さも好きだから、別の好きが多分に付加されてしまうが。

淹れ方は、ほぼ独学。母が淹れていたのを見様見真似で始めた中学時代。これは今思えば、確実に下手だったと思う。(笑)ただコーヒーを淹れるというかっこよさに自己満足していた。

高校になり行動範囲が広がると、学校帰りに街で1軒のコーヒー豆の販売しながらの喫茶店に寄って、ズラッと陳列された豆たちを眺め、どれにしようか迷いながら買って帰るのが楽しかった。

よく買っていたのが、確か『モカ・マタリ』だったと思う。なぜモカ・マタリにしたかは、たぶん勘だと思う。(笑)ただ、なんとなく。

そして、当然、美味しいコーヒーを出す喫茶店にも興味を持つようになり、隣街の古い喫茶店に夏期講習帰りに寄ったりもした。渋い初老のマスターがネルドリップで淹れてくれるその喫茶店は、高校生には場違いだったと思うが好奇心にストップを掛けられるわけもなく、カウンターに座って飲ませてもらった。味はたぶん美味しかったと思う。重厚な雰囲気とそこに自分がいるという高揚感でよく覚えていない。(笑)

ひと通り外で飲むコーヒーも味わうと、自分で淹れることに戻ってきた。基本的に、扱いやすいという点で、ペーパードリップ一択。カリタが主流だったが、フィルターの円錐形が出たときに驚いて試して以来、そのままだ。続けてスパイラルも気になるが、壊れる物でもなので物を増やす必要性も感じず、試していない。次に、波形のフィルターも試飲では美味しかったし魅力的だったが、その時は手に入りにくく現実的ではなかった。

コーヒーミルを使うようになるのには時間がかかった。小学生の時に、おばに豆を挽かしてもらったが、とてつもなく長くかかったように感じたからだ。それは子供だから長く感じていただけで、自分でやってみれば手挽きでもあっという間だった。

淹れ方は、どうやらお湯を注ぐと豆がふっくら膨らむらしいぞ、と耳にして試行錯誤。カフェ(この頃はもうカフェの時代だ)カウンターの中を覗き込んだこともある。そのうちにかなり良い感じに膨らむようになった。

豆は、ストレートを選ぶことがほとんどだったが、ある方から、『ブレンドは人間の知恵が入っている』と言われ、ほう〜!そういうものか!と見方が変わった。初めて行く自家焙煎のお店では、まずはオリジナルブレンドにしている。お店の個性が分かるような気がするからだ。

そういうお店では大体試飲させてくれるが、淹れる方の性格が出るように思う。皆さん流石にこだわりを持っている方ばかりで、ベースは全て『こだわり』なのだが、そこに加わるのが、細やかさであったり、繊細さ。同じ繊細でも、小説的や科学的、理論的であったりと様々だ。うんちくの場合もある。(あくまで私の個人的な感覚です。ごめんなさい笑)
最近は、優しさを感じる方との出会いが多くなった。

では、私は、というと淹れ方自体、なかなか良い線いっていると思う。(これも主観です。笑)気になる性格は、というと。正直、『気が強そうだなあ』と感じる。自分では弱いと思っているのだが、たぶん違うのだろう。こればっかりは隠せない。

最近は、1日でコーヒー1杯までにしている。飲まない日もある。どうしても、カフェインに酔ってしまうようになったからだ。

じゃあ、と思いついたのは、誰かのためにコーヒーを淹れること、だ。高校生の頃は、当然憧れていたのだが、そろそろ実行する時が来たのではないか、と。『時は来た』のだ。

というわけで、今年中に実現しようと計画中だ。実現した日には、鼻歌混じりに、コーヒー・ルンバをかけてみようと思う。久しぶりに、モカ・マタリを買うのもいいかもしれない。

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