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確率Pnの最大値

$${5}$$種類の数字$${-1,0,1,2,3}$$が書かれた玉がそれぞれ$${2}$$個ずつ、計$${10}$$個袋に入っている。この袋から玉を同時に$${3}$$個取り出し、それらの玉に書かれている数の和を記録してもとに戻すという反復試行を$${500}$$回行う。ちょうど$${n}$$個の$${0}$$が記録される確率を$${p_n}$$とするとき、$${\frac{p_{n+1}}{p_n}}$$を$${n}$$の式で表せ。また、$${p_n}$$が最大となるときの$${n}$$の値を求めよ。
                              (広島大)

【解答】
10個の玉から「同時に$${3}$$個取り出」す組み合わせは、$${_{10}C_3}$$であり、そのうち「$${0}$$が記録される」組み合わせは、$${\{-1,-1,2\},\{-1,0,1\}}$$に限られる。よって、「反復試行」の各回で「$${0}$$が記録される」確率を$${r}$$とすると、

$$
r=\frac{_2C_2×_2C_1+_2C_1×_2C_1×_2C_1}{_{10}C_3}\\=\frac{(2+8)×3×2×1}{10×9×8}\\=\frac{1}{12}
$$

よって、

$$
p_n=_{500}C_nr^n(1-r)^{500-n}\\=\frac{500!11^{500-n}}{n!(500-n)!12^{500}}\\=\frac{500!11×11^{499-n}}{n!(500-n)(499-n)!12^{500}}\\p_{n+1}=_{500}C_{n+1}r^{n+1}(1-r)^{500-(n+1)}\\=\frac{500!11^{499-n}}{(n+1)!(499-n)!12^{500}}\\=\frac{500!11^{499-n}}{(n+1)n!(499-n)!12^{500}}
$$

よって、

$$
\frac{p_{n+1}}{p_n}=\frac{500!11^{499-n}}{(n+1)n!(499-n)!12^{500}}×\frac{n!(500-n)(499-n)!12^{500}}{500!11×11^{499-n}}\\=\frac{500-n}{11(n+1)}\\=\frac{500-n}{11n+11}
$$

ここで、$${\frac{p_{n+1}}{p_n}=\frac{500-n}{11n+11}}$$と$${1}$$の大小比較により、$${n}$$がとる値に応じた$${p_n}$$の振る舞いを調べる。なお、題意より、$${0\leqq{n}\leqq499}$$であり、任意の$${n}$$について$${0\lt{p_n}\lt1}$$である。

(i)自然数$${n}$$が$${\frac{p_{n+1}}{p_n}=1}$$すなわち、$${p_{n+1}=p_n}$$を満たすとき

$$
500-n=11n+11\\n=\frac{489}{12}=\frac{163}{4}=40.75
$$

よって、自然数$${n}$$の中に、$${p_{n+1}=p_n}$$を満たすものは存在しない。

(ii)自然数$${n}$$が$${\frac{p_{n+1}}{p_n}\gt1}$$すなわち、$${p_{n+1}\gt{p_n}}$$を満たすとき

$$
500-n\gt11n+11\\n\lt40.75
$$

(iii)自然数$${n}$$が$${\frac{p_{n+1}}{p_n}\lt1}$$すなわち、$${p_{n+1}\lt{p_n}}$$を満たすとき

$$
500-n\lt11n+11\\n\gt40.75
$$

以上(i),(ii),(iii)より、

$$
0\lt{p_1}\lt{p_2}\lt……\lt{p_{40}}\lt{p_{41}}\\p_{41}\gt{p_{42}}\gt{p_{43}}\gt…\gt{p_{500}}\gt0
$$

が成り立つ。よって、$${p_n}$$が最大となるときの$${n}$$の値は、

$$
\underline{答:n=41}
$$

【コメント】
大小を比較するときは差をとるのが一般的手法ですが、この種の確率の計算には階乗や累乗が使われがちなので、本問のように$${p_n}$$と$${p_{n+1}}$$の比をとると、約分により見通しが良くなることが多いです。

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