人鳥印の珍デッキ・外伝 ~フレイムキラー編~


はじめに

どうも、人鳥さんです。
「人鳥印の珍デッキ」シリーズ、2回目にして外伝です。

勿論前回の記事と別枠扱いにしたかったのにも理由があり、この記事はとある事情から遊戯王OCGに疎い人が見ることを想定しています。
疎いと言っても「まずこのゲームにはモンスターと魔法罠があって~」と言う説明が必要な次元ではなく、「デーモンの斧つけたマハーヴァイロが最強だったわ」みたいな「大昔は持ってたなー」系の人です。

その関係で、このデッキは独創性のあるものではありません。

デッキの採用カードに関しても、採用理由や強弱の比較は控え、「このカードのお陰でこういうことが出来るよ」と言うポジティブ面の話しかしません。
既に構築されたこのデッキ内において《フレイムキラー》を優先して出す理由はありますが、そもそもこのデッキに入れるモンスターが《フレイムキラー》でなければならない理由はない、と言うのは予めご了承ください。
《ミスターボルケーノ》との差別化にこだわるとかなり幅が無いんだわ
せめて《スモール・ワールド》で差別化出来りゃよかったんだけど幻竜族のカードプールが狭すぎるねんな

用語まえおき

なお普段遊戯王に触れない人が読むことを想定していると言いましたが、以下の用語・俗語に関しては記事内でも使わせていただきます。

  • 《名称》:カード名。

  • 【名称】:デッキ名。

  • カテゴリ:「特定の名称」であることに意味のあるサポート効果や、そのサポートを受けるカード群の俗称。

  • シリーズ:上記「カテゴリ」に対する概念の俗称。明らかに名前も共通し似たカードたちだが、攻撃力や属性を参照していたりして「名称そのものを指定はしていない」場合を区別して呼ぶ。

  • 〇〇カード・〇〇モンスター等:「〇〇と言う名称の付いた」カード・モンスター等のことで、こういうカードテキストがあるとカテゴリと呼ばれる。〇〇部分は公式テキストでは「」をつけるのだが、俗称としてはつけないこともある。

例文としては、「【青眼の白龍】は、《青眼の白龍》を含むブルーアイズモンスターや、「青き眼」シリーズを始めとするブルーアイズカテゴリをサポートするカードで組まれているデッキである」と言った感じです。

(「ブルーアイズ」の名称は明確に指定しているが、「青き眼」関連は「光属性レベル1チューナー」という表現でしか指定していない)

加えて公式のルール用語において、

  • 生け贄召喚・生け贄→アドバンス召喚・リリース

  • 融合デッキ→エクストラデッキ(EXデッキ)

と、昔から見ると名称が変わっている要素があります。
こちらも基本的に新しい用語を用いて説明させていただきます。

最後に、遊戯王に慣れていない人を想定しカードの効果をかみ砕いて説明する関係上、ルールに厳密に照らし合わせると間違った表現を使っていることもありますので、そちらもご容赦ください。

と言うわけで前置きここまで。
まずはデッキをご覧ください。

《フレイムキラー》よ輝いて

そんなわけでマスターデュエルで組んでみたのがこちら。
各カードについても触れていきましょう。

《フレイムキラー》

今回のコンセプトカード。
「昔このカードを気に入っていたが弱かった」みたいな話が起点となってこのデッキを組みました。

☆5で1900打点の効果なしモンスターです。
言わずもがな特にメリットのある効果はなく、召喚時にリリースを要求するため出しづらいです。
あとフレーバーテキストのわりに防御力が微妙に低い。

しかし、現代において「通常モンスター」であることはひとつの特徴です。
「通常モンスター」「効果を持たないモンスター(※)」には多数のサポートが存在するため、それらのカードを使えば《フレイムキラー》にも活躍の余地があります。

※「通常モンスター」とは別の概念。《青眼の究極竜》のような「効果を持たない融合モンスター」などは、カード枠が薄茶色の「通常モンスター」とは別の扱いになる。

まずはレベル5以上の通常モンスターであることによって《召喚師のスキル》で手軽にサーチする事が出来るため、後述の「フレイムキラーを引きこめていること前提の戦法」も通しやすいと言えます。

愉快な仲間たちを紹介するぜ!

「天威」カテゴリ

さらに効果を持たないモンスターの代表的サポートと言えば「天威」。
天威カードは「メインデッキに入る天威モンスター」「EXデッキから出てくる天威リンクモンスター」「そのサポートとなる魔法罠」の3つに分けられます。

メインデッキの天威モンスターたちはおおよそ以下の2つの効果を持っています。
①:「効果モンスターが居なければ」無償で手札から特殊召喚できる
②:「効果を持たないモンスターが要れば」手札・墓地から除外して固有の効果を発動する

①の効果により通常召喚の権利を使わずに場に出せるので、フレイムキラーのリリースはこれで賄う事が出来ます。
②の効果を発動するためには場より墓地にいた方が良いので、場の天威モンスターは遠慮なくリリースして構いません。
また、効果モンスターである天威モンスターをリリースして場からどかすことで、他の天威モンスターの①の効果を使う機会も訪れます。

その固有効果も多彩で、
・戦闘時に1500もの攻撃力ダウンを相手にかける《天威龍-ナハタ》
・戦闘・効果どちらでも、破壊されたモンスターを蘇生しながら相手カードを破壊する《天威龍-シュターナ》
相手のカードを手札に戻すことが出来る《天威龍-ヴィシュダ》
などは特に扱いやすく強力です。

EXデッキの天威モンスターは、主にメインの天威モンスターたちを素材とする(≒場から墓地に送る)ことでEXデッキから特殊召喚出来ます。
これらはEXモンスターの中でも「リンクモンスター」という種別なのですが、そこの詳細は割愛。
融合のような特別なカード効果を必要とせず、それでいて融合のようにモンスターを素材にメインデッキ外のEXデッキから特殊召喚できるカードとだけご理解ください。

本来はこの動きでフィールドのメインデッキ天威(効果モンスター)をどかしつつ墓地に送り、効果を持たない《天威の拳僧》などをEXデッキから出すのが【天威】の基本ムーブです。
しかし簡単に出せる《天威の拳僧》は攻撃力1000であり、逆に攻撃力3000の《天威の鬼神》は総計3体もの素材を要求するため出しにくくなっています。

このため、曲がりなりにも1900の攻撃力を持つ《フレイムキラー》は、ナハタによる攻撃力サポートなどを比較的手軽に生かすことも出来ます。

他にも拳僧や鬼神とは役割が異なる効果モンスターとして、
・効果を持たないモンスターの戦闘時に相手カードを破壊する《天威の龍仙女》
・効果を持たないモンスターがいればいるほど大規模な破壊効果を使える《天威の龍拳聖》
などのモンスターが存在するので、必要に応じて使い分けていきましょう。

天威の魔法・罠も、天威モンスターのみならず効果を持たないモンスター全般をサポートします。

特にフィールド魔法《天威無崩の地》は強力で、効果を持たないモンスターは敵のモンスター効果を一切受け付けなくなります。
破壊だろうが除外だろうが攻撃力ダウンだろうが、モンスター効果である限り《フレイムキラー》を脅かすことはなくなります。

加えて敵の特殊召喚に反応して《強欲な壺》同等の2ドローを行う効果まで備えており、先にモンスター効果で天威無崩を除去しようとしてくる相手からも高確率でアドバンテージを得られるでしょう。

効果なしモンスターが居れば使えるカウンター罠《天威無双の拳》による防御で天威無崩を守れればより理想的です。

ペンデュラムモンスターたち

「ペンデュラムモンスター」は、アニメ「遊戯王アークファイブ」から登場した特殊なモンスター種別です。

ぶっちゃけゼロからの説明なんてしたくないレベルに特殊な特性をしており、このデッキの第二の軸として活躍します。

かいつまんで説明しますが、総括となる太字以外読み飛ばしてもらって構いません
個々のカード説明で不思議に思った場合にでも参照してください。

・カードの下半分が魔法カードのように緑色をしている。
・モンスターでありながら、魔法罠ゾーンの両端に魔法カード扱いとして「発動」できる。
・その際、モンスター効果とは別のペンデュラム効果を持つ。
→効果モンスターか通常モンスターかと言う本来の性質とは別に、永続魔法のようにはたらく「ペンデュラム効果」を持つ。

・2体のペンデュラムカードが魔法罠ゾーンの両端に「発動」している場合、カードに記された「スケール」の数字を参照して1ターンに1度「ペンデュラム召喚」が出来る。
・ペンデュラムモンスターは、フィールドから墓地へ行くとき代わりにEXデッキに表側で加わる。
・「ペンデュラム召喚」は「手札のモンスター」または「EXデッキに表側で存在するペンデュラムモンスター」のなかで、両スケールの間のレベルを持つモンスターのみを一気に複数特殊召喚できる。
・手札からのペンデュラム召喚は任意位置に任意数行えるが、EXからのペンデュラム召喚はリンクモンスターと関係した位置と数の誓約(割愛)がある。
→手札のモンスターを一定条件下で特殊召喚できるようになる。
→ペンデュラムモンスターは一定条件下で何度も再利用できる。

ハイ説明はここまで。
そんな頻繁には見ないわりに固有ルールの固まりすぎて、初心者への解説ではまず存在を無視して語られることの多いカード群です。

で、そんな厄介なペンデュラムモンスターたちから《フレイムキラー》のサポートに駆け付けてくれたのが彼ら。

「ドラコニア」シリーズのモンスターたちは、通常モンスターでありながら、そのペンデュラム効果で通常モンスターをサポートする効果を持つカードです。
特に《ドラコニアの獣竜騎兵》は通常モンスターの戦闘に伴う通常モンスターサーチ効果を持ち、《フレイムキラー》の戦闘からアドバンテージを得られるようになるほか、キラーそのものをサーチする際にも役立ちます。

さらに《ドラコニアの海竜騎兵》とのコンボは強力で、獣竜騎兵の効果でサーチした上級通常モンスターを、海竜騎兵の効果で即座に特殊召喚し、そのままそのモンスターで追撃するという即効性の高いコンボを行えます。
基本的に1ターンに1度であるため、大勢通常モンスターを大量に並べてもその回数だけ行えるわけではない点は注意。

《ドラコニアの翼竜騎兵》は獣竜騎兵からサーチ可能であり、獣竜と合わせて揃えることでスムーズに「ペンデュラム召喚」を行い、手札のフレイムキラーを特殊召喚することも出来ます。
フレイムキラー同様に「1体リリースでアドバンス召喚する通常モンスター」であるため、いくつかの戦法を共有できる点もグッド。

《竜角の狩猟者》が入っているのは趣味です
もちろん戦法上の利点も多少あるのですが、好きなカードなのでついでに入れました。

なおカード内に若干のストーリー性がありこの後さらに闇落ちするのですが、そっちはこのデッキだと扱いきれないので入れるのは止めました。
非常に悲哀に溢れているので二枚合わせてついでに見てやってください。

なお翼竜騎兵と竜角さんはフレイムキラー同様の1体リリース通常モンスターでありながら、フレイムキラーを超える攻撃力をしているため、一見するとキラーさん要らないのでは?と思われるかもしれません。

ただペンデュラムモンスターには「フィールドから破壊されるとEXデッキに入る」特性があるため、《天威龍-シュターナ》の蘇生→破壊を行う強力な効果が発動しないという落とし穴があります。
(蘇生効果の対象として破壊されたカードを指定しなければならないが、「デッキ内のカード」は指定することが出来ないため)

そのため、このデッキ内においては相互互換と言えるでしょう。

その他強力サポートの皆さん

《切り裂かれし闇》は本来ブラックマジシャン関連カードですが、その効果としては通常モンスター全般へのサポートになっています。

《フレイムキラー》を出すだけでドロー効果が発動し、さらに1ターンに1度戦闘においてほぼ無敵にしてくれるため、ペンデュラム組の戦術と強いシナジーを発揮します。

強力な効果なので多く入れたいものの、同名カード含めてターンあたり1回の効果なので複数枚抱えていても活用することが出来ません。《天威無崩の地》も同様に抱えるジレンマです。
そこをサポートしてくれるのが同じブラマジ関連から《マジシャンズ・ソウルズ》。

非常に簡単に特殊召喚できる効果を持ちリリースとして使えるほか、そのついでに手札にダブった魔法罠をドローに変換してくれる効果を持ちます。

本来特殊召喚効果はデッキに高レベル魔法使い族を用意しておかないと使えない効果であるものの、《イリュージョン・オブ・カオス》という高レベルモンスターがソウルズのサーチ札として振る舞いながらデッキに戻ってくれる最高の相方であるため、使い勝手の悪さを感じることはありません。

《召喚士のスキル》を始めとしてサーチ札を大量に積むこのデッキとソウルズは相性が良く、手札に同種のカードばかりが集まりすぎて身動きが取れない状態をかなり緩和してくれます。
ただしあくまで攻撃力0の効果モンスターなので、天威やペンデュラムの戦術そのものとはアンチシナジー気味なことは注意。
さっさとフレイムキラーのリリースにして戦場からどかしてしまいましょう。

それが君の全てかい

と言うわけで、今回は「フレイムキラーが通常モンスターであることに注目しながら」「弱い部分を補う形で」サポートを集めてみました。

着眼点は他にもあり、「帝王」カードのサポートを受ければ、「リリースが必要なアドバンス召喚モンスターであること」そのものを利点に変えることも出来ます。

「アドバンス召喚のリリースに相手のモンスターを使っても良い」《帝王の烈旋》は相手のモンスターを問答無用で葬り、「アドバンス召喚している限り効果破壊などを受け付けなくなる」《進撃の帝王》があれば《サンダー・ボルト》も怖くありません。

ただしこれらの効果はアドバンス召喚に特化した代償としてEXデッキからの召喚に制限がかかり、具体的に天威のリンクモンスターならびにペンデュラムモンスターたちの再展開能力は使えなくなってしまいます。

また、《無千ジャミング》と言うカードもあります。
テキストは複雑な書き方をされていますが、「攻撃力の千の位以上を無視し下三桁で戦闘を行うようになる永続魔法」とご理解ください。

この影響下であれば元々攻撃力1900のフレイムキラーは900と言う「トップクラスのパワー」を得て、「攻撃力0」の《青眼の白龍》や「攻撃力500」の《ブラック・マジシャン》も一方的に葬れるようになります。

ただしフレイムキラー以外のあらゆる味方もその影響を受けてしまうこと、これを前提としたギミックを組むにはサーチ性が悪いことなども鑑み、今回は採用していません。
なおデッキの中核にはしなくても、マジシャンズソウルズでドローに変換することも考慮しつつ、「引いたらたまに強い隠し玉」として少数採用するのも悪くないと思います。

これら帝王・無千それぞれは、言わば「弱いはずの部分を利点へと転換する」カード。
そのため【フレイムキラー】として固有性を出すなら出来るだけ多く採用したいカードであると言えます。
しかし比較的癖の強く制約の厳しいカードであることから、私は扱いやすい天威・ペンデュラム関連のカードを軸に組むことにしました。

この辺りは最終的に好みと目的の話だと思います。
「他でもない《フレイムキラー》を入れる意義のあるデッキを目指す」のか。
「《フレイムキラー》を戦場に出しながら、最大限勝てるデッキを目指す」のか。

確かなことは、「昔好きだったけどデッキに入れても結局邪魔にしかならなかったカード」であっても、今はこのように色々選択肢があって、使いたければ使えるのだという事です。
もちろん使えると言ってもカジュアル範囲での話にはなりますが。
あと他のカードの話もすると、ホンマどうしようもなくて場に出すだけで苦労するようなヤバい弱さの奴も一定数あるのはあるのですが。

なお遊戯王と言うカードゲームは長年の更新の果てに、「喧嘩慣れしたチンピラ(凡ファンデッキ)数人がかりでも敵わない格闘チャンピオン(そこそこファンデッキ)は、戦車(環境最強)から逃げてきた武装兵(型落ち環境デッキ)の敵にもならない」くらいの圧倒的なパワー格差があります。
なおこの話の肝は、「チンピラはちゃんと喧嘩で強い」ことです。

なので「カジュアル範囲」ってなんなのだよと言う話はここでは深く考えないものとします。

おわりに

強み重点で解説するとは言ったものの、現代遊戯王やマスターデュエルを知らない初心者が読むことを想定すると言った以上、「ぶっちゃけこれは強いデッキでもないし、低レア縛りでさえもっと強いのは作れるぞ!」というのは明言しておきます。
このデッキも一応そこそこ安価ではありますけどね、URも必要性の薄いEXモンスターとストラク封入の確定入手くらいなので。

でもそれはそれとして、この手のデッキは楽しいです。
昔PSPでやっていた遊戯王タッグフォースSPと言うゲームでも、幼少期(※)の切り札《ドラゴン・エッガー》軸でデッキを組んだりしていました。

※まだまともにカードを買ってもらってない頃、近所のお兄ちゃんが十把一絡げにくれた貧弱カード群で組んだデッキ。ドラゴンエッガーは数少ない最上級モンスターだった。

(決闘者向け解説:高等儀式術で出したガーランドルフの除去効果にエッガーが巻き込まれないことで類似カードと差別化しつつ、銀龍やブランコで蘇生してランク7エクシーズやレベル8シンクロも狙うデッキでした。割と完成度あったのでMDでも再現したいと思ってるものの、カーボネ落としてアーデクにもなれるマスマティシャンが無駄にURだったりで厳しめ。)

マスターデュエルに触れる人の多くは「子供のころアニメやカードに触れていたものの最近の環境については知らなかったので、基本無料ゲームで実際にやってみようと思った」人なのではないでしょうか。

何かしら昔の思い出のカードがあるのであれば、実際にデッキを組むまではいかなくても「今ならこのサポートが使えるな」「やろうと思えばこういうコンボも出来るな」と調べてみるのも楽しいと思います。

対人で使えるような出来にはならなくても、思い出のカード軸で実際にデッキが組めればCPU相手の戦いも意外と楽しくなったりするものです。
護封剣や地割れ一発で詰んでストレス?知ら管

各々の思い出のカードに想いを馳せてもらったところで、今回はこの辺で。
小~中学生の頃のアイドルカードは妥当にピケルとアウスだった、人鳥さんがお送りしました。

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