人鳥印の珍デッキ ~キューピット編~

このシリーズは、なんかCPUと楽しく遊ぶための、ヘンテコデッキを紹介する記事です。
とかそう言う定型句が必要だろうか、と思い始める程度にシリーズ継続出来ています。えらい。

noteの機能や流儀に関しては未だ手探りだったり他人を参考にしたり。
とりあえず「画像の出典として遊戯王OCGカードデータベースを使用しています」というのは書いておきます。


「キューピット」というシリーズカード

さてみなさん、遊戯王でキューピットと言えば。

塁球(ソフトボール)

そうだね、シンクロのおまけにコリドー超雷龍でお馴染みのルイキューだね。

この「塁球」+「キューピット(キューピッド)」のモンスター、他の球技に対応する仲間が存在し、ルイキューと同じように「守備力600」「レベル変動」を主体とするテーマになっています。
なお、以下「〇〇キュー」じゃなく「〇〇」部分で呼ばせてもらいます。覚えにくいけど。

とりあえずその仲間たち4人に順に触れていきましょう。

排球(バレーボール)、そしてHigh

1~4の範囲でレベルを変動できる効果あるいは墓地肥やし効果、そして被破壊時のライフ回復効果を持ちます。
派手な効果ではありませんが、レベル変動効果としては最も使いやすく、回復数値も妙に大きいのが特徴です。
《ワン・フォー・ワン》で出ながらレベル2~4として素材になれるというのも優秀なポイント。

庭球(テニス)、そして低

初期状態ではレベル1モンスター以外から効果を受けない耐性、墓地コストを消費し2~5範囲でレベルを変動させる効果を持ちます。
レベルを持たないモンスターにも対応するのはありがたいのですが、自身の効果でレベルを上昇させると耐性範囲が狭まること、ハイと違って墓地コストなので地味に重いこと、そもそも効果耐性があっても戦闘破壊されやすいステータスなことなど扱いづらさが目立つ印象。

籠球(バスケットボール)、そしてLow

初期ではレベル5以上のモンスターにしか戦闘破壊されない耐性、スタンバイフェイスごとにレベルが上がっていく効果を持ちます。
テイ同様レベルを持たない相手にも対応するのが利点。
レベル上昇効果の方は遅いうえ、☆5や☆6のモンスターとの戦闘を耐えられるようになったところであまり有利にならないのでオマケと見た方が良いでしょう。

孔球(ゴルフ)、そして高

守備力600のモンスターのみがいる時に自己特殊召喚する効果、手札コストを払ってレベル操作するフリーチェーン効果を持ちます。
自己特殊召喚は守備力600「のみ」が条件のため、がら空き状態は勿論のこと守備力600が居ても他にリンクモンスターがいるなどすると不可能なので、地味に悩ましいポイント。
レベル変動はフリーチェーンですが、相手ターンに自分モンスターのレベルを変動させることが利点になるケースは少なく、ローが上級モンスターに殴り倒されそうなときにその上級のレベルと一致させることで戦闘耐性を与えるくらいでしょう。
なおテイに対して使うと耐性で弾かれます。適用されてもテイ的には耐性を弱めるだけなのですが、ランク6エクシーズに繋げることは出来ないので注意。

「キューピット」とは

これらのカードは一気に発売されたわけではなく、1種ずつ別々のパックで登場したカード群です。
つまり最初からこれらのカードでシナジーを生み【キューピット】というデッキが組まれることを狙ったカードというわけではなく、「相性の良いデッキがあれば個々に使ってみてくださいね」程度の狙いで作られたカードと言うわけです。

一応守備力600を共通点としてルイがサーチを行えますが……そもそもチューナーの存在しないキューピットだけではルイのシンクロ召喚さえ出来ないあたりからも、彼女らはひとつのデッキで使うタイプのシリーズではないことが明確でしょう。

加えて最大モンスターである《コウ・キューピット》も打点は2200しかなく、その効果もレベル変動であって盤面に直接干渉する効果は誰も持ちません。
仮にキューピットを多く採用したデッキがあるとしても、それはキューピットのレベル変動を生かしてシンクロ・エクシーズの素材として活用するデッキであり、キューピットモンスターを直に盤面に出して戦うべきではないでしょう。

だから組んでみた

はい、前振り終わり。
組んでみましたキューピットによるビートダウン。

基本的に自己防御あるいは1ターン限りのレベル変動しかせず除去も展開も出来ないキューピットにおいて、なんらかの盤面干渉が狙えるのは2人。
《コウ・キューピット》並びに《ルイ・キューピット》です。

《コウ・キューピット》について

下級モンスターでは突破できない最低限の打点を持ち、フリーチェーンで手札を捨てられるこのデッキのエースです。
遊戯王wikiでは「《サンダー・ブレイク》でおk」言われてますが、仮にも上級水準の打点でモンスターとして殴り掛かることで十分な存在感を発揮できるはずです。

基本的にはコウを場に出し、キャシーを投げつけられる状態を狙いたい。
そのためキャシィを採用することで、キャシーを確保します。

真面目に話します。

手札から捨てると表側カードを破壊する強制効果を持つ《魔轟神獣キャシー》を、獣族を手札にサーチできる《メルフィー・キャシィ》で手札に加え、それをコウの効果で捨てることで敵の展開を挫くことを狙います。

図らずも名前の似た猫猫きゃしいコンボとなっております。

さらに「キャシー」の方は守備力600なのでルイでもサーチ可能かつコウの特殊召喚の起点にもなれる上に、光属性でもあるため最悪オネストで殴ることも可能。
基本的には相手ターン中に敵モンスターを破壊し展開を止めるのに使いたいですが、表側であること以外は問わないので永続魔法罠による妨害対策にもなります。
「コストで捨て」「墓地で発動」するので、何気に《スキルドレイン》さえ対処出来るというのはウリとして十分でしょう。

「キャシィ」の方もチューナー不在のキューピットに《メルフィー・ラッシィ》を提供して2+2でルイに繋ぐことが出来るため、この猫猫コンボは必要なものに柔軟(猫だけに)にアクセスできる、デッキとの噛み合いの良いコンボと言えます。

あくまでメルフィーの種類はキャシーのサーチに繋げるのを目的とした最低限に抑えているため、キャシィパピィが揃うと逆にパピィから出す相手が居なくなってしまうことから、ピンで《キーマウス》を採用しています。
戦闘破壊してもらえばキャシーのサーチに繋がるほか、生き残ればレベル1チューナーとして活用可能です。

《ルイ・キューピット》について

唯一のEXキューピットにしてキューピット内での実質最高打点であり、サーチ効果を持つこのデッキの中核です。

ルイの効果について改めて触れると、
レベル変動の強制効果並びにそれに連動した打点変動
・シンクロ素材となることで発動する守備力600サーチとオマケバーン
の大きく分けてふたつの効果を持ちます。

このうちサーチ効果を発動するためにはルイをシンクロ素材にしなくてはならないのですが、コウをサーチして効果での展開を狙う以上、シンクロ先は守備力600のものが望ましいです。

なので守備力600のシンクロモンスターを採用していきたいのですが……

シンクロモンスター 守備力600 で絞り込み

なんとルイ以外には1体しか存在しません。

しかもこの《ハイパーサイコライザー》、実質的に攻撃力2000以上のモンスター効果を封じるので、コウは効果を使えなくなってしまいます。
効果を「無効化する」なら良かったのですが、「発動できない」ため、手札コストを払う事さえ出来ません。
キューピットたちを墓地から回収出来る②の効果は悪くないのですが、受動的である以上①の効果を活用していないと利点としては語りづらいでしょう。

そのため、「ルイを素材にシンクロ→コウをサーチし展開→コウの効果使用」という流れで戦いたい場合、「《ルイ・キューピット》を素材として《ルイ・キューピット》をシンクロ召喚する」のが実質的に唯一の手段になります。

言うなれば転生炎獣のような「転生シンクロ召喚」がこのデッキにおけるルイの肝となるのです。

ただ、転生用にレベルを下げたルイは、下がったレベルに比例して攻撃力がダウン、具体的にレベル2だと攻撃力800になってしまいます。
そのため「まず普通に出して打点要員として扱い、転生時効果をあとから使いたいので転生召喚」と言った行動はルイ転生においては不可能と思っておいた方が良いでしょう。
(一応、コウの効果で後から弄れば可能は可能。ただ転生サーチを行う前にコウを用意し、さらにレベル参照元の他モンスターもいないといけない)

なお転生時に墓地のルイとフィールドのルイの効果が同時に発動しますが、墓地をチェーン1・フィールドをチェーン2とすることで、墓地のルイがバーンのために参照するレベルが大きくなり200ダメージ分得をします。
仮想敵がソロモードなのでうららは想定外とは言え、サーチ効果に対し無効化効果をチェーンされない意味でもチェーン1に置くのは墓地側の方が良いと言えます。

なお元々特殊召喚効果が多くないキューピットにおいて、ルイをシンクロ召喚した上でさらに盤面にレベル2モンスターを用意するというのはそれなりに手間。
また、メルフィーを使うにしても、シンクロ展開要員であるラッシィとコンボ要員であるキャシーのサーチを全て一手に担わせるのは流石に無茶なので、別軸での展開も多少は欲しいところです。

他の採用カードについて

というわけで、以前の記事でも戦闘補助兼《天帝従騎イデア》への接続を狙って採用された《失楽の魔女》さん堂々の再登場。

このデッキでもリクルーター《コーリング・ノヴァ》経由で「レベル調整可能なキューピットであるハイ・テイ」「チューナーである《ブーテン》」「自身の効果で手札に戻り戦闘補助になれる《オネスト》」を選択肢として使い分け、相手の盤面によっては直接1800打点のロウを出して「禁じられた」速攻魔法と共に迎え撃つ選択肢もあります。

ノヴァが戦闘破壊されないと困るというリクルーター共通の悩みについては、効果破壊に耐性を持たせながら打点を下げる《禁じられた聖衣》をサーチすることでおおよそフォロー可能というのもありがたい。

通常召喚権を使う上に一度相手ターンを経由するという遅さについては否定できないものの、低レアで「戦闘補助」「盤面維持」「妨害」「リクルート」とあらゆる面で役立つ性質を持ち、ある程度速度の遅いデッキ(婉曲表現)でなら困ったら突っ込んでおける極めて高い汎用性を持つ便利なモンスターです。

また《失われた聖域》《天空の歌声》をサブギミックとして採用し、ノヴァから《天空騎士パーシアス》の特殊召喚も可能にしています。

ぶっちゃけ歌声による墓地回収に特別なシナジーがある訳でもないのでノヴァをシャインエンジェルに変えつつ一通り抜いても構わないと思いますが、一度攻めに入るとアドバンテージの回復が難しいこのデッキにとってドロー効果モンスターは有用と言えば有用です。
パーシアスの効果発動のための戦闘補助も「禁じられた」カードで行えること、リクルーターを守るため聖衣を優先しがちな中で《失われた聖域》は聖杯と同等の役割を担えることなど、一定の親和性はあると思います。

また、EXデッキはさほど重視していませんが、《スクラップ・ドラゴン》はレベル5以上になったルイを素材としてシンクロ召喚し、その後「守備力600ではない自身を破壊できる」ことから採用しています。
《空牙団の懐剣 ドナ》も似た役割であり、盤面の守備力600でないモンスターをどけたり、余ったリクルーターを除去に変換することが出来ます。

ソロモードのビートルーパーから出てくるインビンジブルアトラスのように「対象耐性や破壊耐性を持ち攻撃力が3000程度以上あるカード」で詰みかねないので、《天威の鬼神》のようにシンプルな高攻撃力モンスターを用意しておくのも手でしょう。

《簡素融合》と共に入っている《無の畢竟 オールヴェイン》もシンクロ召喚を助ける重要なカードです。
簡素からレベル2の非チューナーは出せないため、レベル3の《フュージョニスト》を選択肢としています。隙あらば猫採用

またレベル3シンクロの《ゴヨウ・ディフェンダー》を経由するか直接レベル3モンスターを並べることで出せる《電脳堺甲-甲々》は対象を取らない除外除去を行えるため、優先して出すモンスターでは無いものの厄介な耐性持ちへの緊急策として機能するでしょう。

総括

《ルイ・キューピット》の転生シンクロ召喚で《コウ・キューピット》をサーチし特殊召喚。
《メルフィー・キャシィ》でサーチした《魔轟神獣キャシー》をフリーチェーンで落とすことで相手ターンの妨害を狙います。
(ただし盤面がレベル6のキューピット2体かつ相手がレベルを持たないモンスターしかいない場合、《コウ・キューピット》の「レベル変動効果」は発動さえできないことに注意。)

そのシンクロ召喚のために、メルフィー以外にも《失楽の魔女》《コーリング・ノヴァ》によるリクルートで盤面を構築。
時には《ルイ・キューピット》を最初からレベル上昇させアタッカーとして使ったり、「禁じられた」カードを戦闘補助に使った《ロウ・キューピット》での下級ビートダウンも選択肢として考えます。

というのがデッキ概要です。
レベルを2上げたルイの2400打点を超えられただけでなんらかの対処を取らなくてはならないとか、そもそもサーチすべきカードが多いわりに遅いとか、問題となる部分も多いのは確か。

しかしチューナーのレベルがばらけることによるハイ・テイのレベル調整効果の活用や、最大モンスターであるコウの効果(のコスト)を主軸として使えていること、コンボ性が高い&戦闘補助があるデッキであることからポン出しできる下級アタッカーであるロウも悪くない存在感を持っているなど、各キューピットそれぞれがちゃんと役割を持てているデッキになり、個人的には満足しています。

あと最近作ったネタデッキの中では圧倒的に絵面が良い。
可愛い天使可愛い動物が、聖なるアイテムを駆使しながら戦うデッキですよ。アニメならヒロイン枠狙えそう。

そんな与太は置いといて以下改変案。

簡素融合で出せるレベル2はチューナーしかおらず防御力も600ではないため、簡素を《予想GUY》に入れ替え《命の砂時計》《デーモン・ビーバー》と言ったカードを《ギャラクシーサーペント》などと共に活用するのもアリでしょう。
また天空の聖域関連のカードについてはSR以上の生成ポイントをケチって精査していないため、より安定感の高い構築が可能になるかもしれません。

キャシーを捨てることによる除去はあくまで表側カードのみであり、伏せカードに対しては基本的に「禁じられた」カードで防御して踏み抜くことしか出来ないのですが、《未界域のサンダーバード》なら手札から捨てられた際に伏せカードを除去することも可能です。
ただ鳥獣族のサンダーバードはメルフィーではサーチできないため、どうせ素引きなら《サイクロン》や《ナイト・ショット》、いっそ捨てる側にもなれる《ツインツイスター》のほか《サンダー・ブレイク》でも良いかもしれません。

というわけで今回はここまで。
需要はともかくレシピを置いて締めとさせていただきます。

犬か猫なら顔が良いので猫が好き、人鳥さんがお送りしました。

レシピ

・魔轟神獣キャシー 3 
・キーマウス 1
・ブーテン 1
・ハイ・キューピット 2
・テイ・キューピット 2
・メルフィー・キャシィ 2
・メルフィー・パピィ 3
・メルフィー・ラッシィ 2
・コーリング・ノヴァ 2
・オネスト 2
・失楽の魔女 3
・ハイ・キューピット 2
・天空騎士パーシアス 1
・コウ・キューピット 3
・ワン・フォー・ワン 1
・簡素融合 2
・天空の歌声 1
・禁じられた聖杯 2
・禁じられた聖槍 1
・禁じられた聖衣 2
・失われた聖域 2

EX
・無の畢竟 オールヴェイン 1
・フュージョニスト 1
・ゴヨウ・ディフェンダー 3
・ルイ・キューピット 3
・うきうきメルフィーズ 1
・スクラップ・ドラゴン 1
・森のメルフィーズ 1
・電脳堺甲-甲々 1
・崔嵬の地霊使いアウス 1
・空牙団の懐剣 ドナ 1
・天威の鬼神 1

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