遊戯王思い出話 《魔界闘士 バルムンク》
突然ですが、こんなカードがあります。
遊戯王wikiには「打点だけなら同レベルで他に高いのがいるし、能動破壊コンボ使うにしても《古神ハストール》が壁」みたいなことを書かれており、マスターデュエルでもRに設定されている、「まぁそこそこ」のカードです。
そんなバルムンク君ですが、私は「遊戯王タッグフォースSP」で【スクラップ】を組むにおいて結構愛用していた思い出があります。
需要は1点、「《スクラップ・サーチャー》と《スクラップ・ゴブリン》を素材に召喚でき、サーチャーの破壊に巻き込まれても損しない」カードであることです。
サーチャー・ゴブリン両名は攻撃力が極めて低いため、その2体を素材として打点2000越えのモンスターを出せるというのは盤面の総打点上げに大きく役立ったのです。
またTFSPの環境ではそもそも《古神ハストール》が収録されていないのですが、仮にいたとしてもハストールの効果は相手モンスターの効果無効と、そこからのコントロール奪取。
当時こちらの展開を止めてくる効果モンスターがいることはほぼ無かった上、《スクラップ・ドラゴン》《スクラップ・ツインドラゴン》の効果と戦闘を使い分けて対処できないモンスターも皆無。(シャドールやネクロスが特殊召喚自体を不可能にしてくることがあったくらい)
切り札級のEXモンスターを複数並べられることもほとんどなかったため、サーチャーとの併用なら「自分の展開をより安定して通せる」事を重視してバルムンクを用いスクラップシンクロに繋げて突破する方が、ハストールより効果的なことがほとんどだったと思われます。
そんなわけで当時は間違いなく有用で、それなりの思い入れもあるのですが、如何せんマスターデュエルでは1度も使ったことがありません。
理由は単純、サーチャーとゴブリンを素材に出せるカードがレベル4シンクロだけではなくなったから……より具体的に言えばリンク召喚の登場です。
中でも「2体素材・破壊を耐える・除去効果持ち・地属性」の1600打点《トロイメア・ケルベロス》と、「2体+ワイバーンで出せる」ゲームエンド級のフィニッシャー《ヴァレルソード・ドラゴン》の存在が響きます。
もちろん両者ともバルムンクの単純な上位互換ではなく、リンクモンスターである以上シンクロ素材としての価値がないなど明確な差別化点もあります。
しかし如何せんリンク召喚の登場によって、EXデッキの取捨選択は当時よりも激しくなっています。
「余った素材2体を使っての盤面の打点上げ」が主目的のバルムンクの採用はより難しくなり、そもそも素材指定の緩いリンクモンスターを採用すれば「素材2体が余る」ことはほとんどありません。
上記2体以外にも《崔嵬の地霊使いアウス》《ミセス・レディエント》は素材が緩く汎用性がありつつそこそこの打点になり、なんなら低攻撃力モンスターを束ねたダメ押しの打点確保であれば2枚目の《スクラップ・ワイバーン》を出すことで事足りる可能性もあります。
ことミセスに関しては質が違うものの「サーチャーに破壊されても損にならない」点での競合もあります。
また、流石にこれを単独で採用することはありませんが、本当に「緩い2体素材から打点が欲しい」だけなら《コードブレイカー・ウイルスソードマン》(効果モンスター2体・2300)と言う手もあります。
シンクロモンスターの採用も減っている以上、シンクロ素材としての価値をアピールするのも以前ほどの魅力にはならないのです。
ただ実用性を無視した性能の話として、だいぶ好きなのは間違いないんですよねバルムンク君。
基本的に私はRPGでも「敵の大技撃たせたら負けなのでキャンセルし続けろ」みたいな綱渡り/大縄跳びが嫌いなタイプなので、相手の行動をすべて無効にするよりは「一通り食らうけど耐えて巻き返す」効果の方が好みなことが多いのです。
(元々私が【スクラップ】を気に入ったのも、ドラゴンが除去や打点に加えてやられた後巻き返せる「エースとしての幅広さ」を持っていたところであり)
戦闘も切り札に頼り切るよりは素材モンスターたちもある程度殴れた方が良いと思っている(特にリンク召喚デッキなど素材モンスターやリンク2~3では8000ライフに届かず、勝ち確なのにフル展開せざるを得ないことがよくあるのが好きじゃない)ので、低レベルシンクロでありながらそれなりの打点を持つというのも単なる実用性以上の評価ポイントです。
(スクラップでいうとゴーレムやキマイラ以外に、コング・ソルジャー・ブレイカーあたりも打点があるからなんとなく好き)
まぁこの好みの話を深く掘り下げると私が本当に嫌いなのは「行動キャンセル」より「大縄跳び」なので、遊戯王では中長期のリソース勝負よりも先攻制圧戦の方を好んだりするんですがそれはまた別のお話……。
と言うわけで今は別れたかつての盟友、《魔界闘士 バルムンク》の思い出話でした。
昔のデッキ(TFSPの【スクラップ】)、特にEXなんてそんなにはっきり覚えてるわけじゃないんですけど、なんか彼は妙に印象的なんですよね。
魂のカテゴリや切り札に対する語り記事なら世に無数にあるのですが、こういう「地味に好きないぶし銀」の話とか他の人も気楽にすると面白いのになと思います。
……ちなみに今の時代で彼が何をしているかと言うと、被破壊時の蘇生対象に自分(同名カード)が含まれることによるループコンボのパーツだそうです。えぇ……?
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