佐倉奏の読書ことはじめ その3
その2はこちら
これまでのあらすじ
佐倉は、ズッコケ三人組シリーズで読書の世界の扉を開き、パスワードシリーズでシリーズを追う楽しさを知ったのだった。
パスワードシリーズを読み進めていた小5のころ、佐倉はある本に出会います。
それが、
「いつも心に好奇心(ミステリー)!」
(書影はAmazon商品ページより)
この本は、青い鳥文庫20周年記念として刊行され、パスワードシリーズの作者松原先生と夢水清志郎シリーズをてがけるはやみねかおる先生の2人の先生の作品がまとめられた一冊です。
「人工知能」「飛行船」「ジョーカー」「クイーン」というキーワードを使って、2人の作者が作品を書き下ろすという豪華な企画。
(余談ですが、この本のタイトルが素敵過ぎて、今でも惚れ惚れします。「好奇心」を「ミステリー」と読ませるセンスに脱帽です。)
当時、パスワードシリーズを読んでいた私は、パスワードシリーズを目当てにこの本を購入しました。
夢水シリーズは未読だった私は、夢水パートは全く見向きもしませんでした。
今となっては信じられないことですし、当時の自分に「もったいないおばけが出るぞ!」といってやりたいところです。
でも、そういう「読まず嫌い」なところも佐倉にはあったのです。
「いつも心に好奇心!」は、パスワードシリーズの部分だけでもとても面白かったです。
パスワードシリーズのみ読まれたこの本は、そのまま本棚へ。
そして、季節は過ぎ、小6の夏休みに。
夏休みの宿題の一番の大物といえば、読書感想文。
小6の佐倉はこの読書感想文に頭を悩ませていました。
そもそも題材となる本が見つからない。
今思えば、それまでに読んだ本から、自分の境遇に当てはまるものを選べばいいのですが、当時の佐倉は「読書感想文を書くためには新しい本を読まねばならない!」と思っていたのです。(嗚呼、なんて融通のきかない性格……)
何を読もうか悩み、ふと開いたのが、「パスワードシリーズ」に導いてくれた「チャレンジ5年生」の付録冊子。
そこで紹介されていたのが……
はやみねかおる先生の「名探偵夢水清志郎事件ノートシリーズ 外伝 ギヤマン壺の謎」でした。
確か、「江戸時代を舞台に常識のない名探偵夢水清志郎が事件の謎を解く」みたいな紹介だったと思います。
この本がなぜか私の琴線に触れました。
そして、思った通り、自分にクリティカルヒット。
数日後には、なけなしの小遣いでこの外伝の2巻目を買っておりました。
はやみねかおる先生が紡ぐ「赤い夢」の世界への第一歩でした。
さてさて、そろそろ佐倉の読書ことはじめを終わらせたいところですが、なかなか終わりません。
お読みいただいている方、いらっしゃいましたら、もう少しお付き合いください。
それでは。
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