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精神分析を勉強しよう

 今日、藤山直樹『連続講義・精神分析』を読了した。本書については、前の投稿にて簡単な読書メモを残しているので、興味がある方はそちらを参照されたい。初学者にとってすごくよい本だった。

 さて、12月から2月にかけては、精神分析と啓蒙という2つのテーマを中心に勉強しようと思う。今回の投稿の目的は、テーマの一つである精神分析の勉強に先立って、勉強計画を立てることである。

なぜ精神分析を勉強するのか

 今後のテーマである近代批判を勉強するにあたって、精神分析は必ず学ばなければならないテーマである。その理由は、大きく分けて3つある。

フロイトの理論が近代批判の端緒の一つであるから

 一般的に、19世紀末から20世紀初頭にかけてマルクス、ニーチェ、フロイトが、近代合理主義と主体性にたいする批判を提起したとされている。このフロイトの理論がどのような点で近代批判といえるのか、という点を勉強することによって、近代の性質そのものについて理解を深めることができるだろう。

20世紀哲学全体に大きな影響を与えているから

 20世紀哲学史について書かれた本を読んでいると、しばしば「精神分析」の語に行き着く。精神分析は恐らく、現代思想のさまざまな潮流に影響を与えているのだろう。したがって、近代批判に欠かせない要素としての精神分析理論、そしてそれが諸思想に与えた影響の歴史について学ぶ必要がある。

精神分析が、フーコーとドゥルーズ=ガタリの思想に影響を与えているから

 現時点での大きな問いの一つは、フーコーが主体としての人間についてどのように考えたか、という点である。フーコーがフロイトとの対決を意識した主張を展開していることもあり、フーコー理解のためにフロイト理解は欠かせない。

 また、人類学による近代批判のアプローチとして、カストロ『食人の形而上学』を理解したいと考えている。この本はドゥルーズ=ガタリ『アンチ・オイディプス』より着想を得ているため、まずは『アンチ・オイディプス』についてその概要だけでも理解する必要がある。ついては、精神分析の基本的な用語と考え方に慣れておく必要があるといえる。

どのように精神分析を勉強するか

 以上の目的に即して、次の点を目標として勉強を進めたい。

  ⑴精神分析の用語や基本的な考え方に慣れること

  ⑵フロイトの理論を理解すること

  精神分析が哲学に与えた影響の歴史を知ること

何を読んで勉強するのか

それぞれの目標に対して、次の本が参考になりそうである。

⑴『集中講義・精神分析 下』、『精神療法と精神分析』

⑵『フロイト自我論集』、『精神分析入門』、『フロイト その自我の軌跡』

⑶『哲学の歴史〈第9巻〉反哲学と世紀末』、『岩波講座 現代思想〈3〉無意識の発見』

順番はあまり気にせず、読めそうな本から順次手に取っていくつもりである。

ちなみに、『歴史学と精神分析 フロイトの方法的有効性』なる本もあって気になるが、何とか手を広げ過ぎずに頑張りたい。

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