ダラムサラのグルメ情報
2001年11月12日。ここでダラムサラのグルメ情報をお伝えしよう。まず、ダラムサラに来て初めて入った食堂はツクラカンとナムギャル僧院の入口にあるレストラン(?)であった。名前はあるのだろうが、表示が無かったので覚えていない。現地では寺のレストランで通じている。2階にはIBDというナムギャル僧院が運営しているコンピュータセンターがある。話によるとこのレストランもお寺が経営しているとか・・・
ダラムサラに到着した当日、建築家の中原さんと一緒に入った時はスペシャル・トゥクパをオーダーした。チベット料理といえばトゥクパである。1998年にラサに行ったときも連日トゥクパだった。ここでもまた然りである。マトンと野菜がたっぷり入ったトゥクパが35ルピー(100円)だっただろうか?安いことは安い(この後、もっと安い食堂を見つけたが・・・)。
薬味のチリをたっぷり入れると中原さんは、
「バカだな~~~インドのチリは凄く辛いよ」
と言ったものだが、確かに猛烈に辛かった。日頃から辛口が好きな私にはもってこいだが、些か度が過ぎたようだ。しかしながら、ギブアップが嫌いな私である。根性で完食した。その代わり汗が噴出してきたが・・・ブータンのペマ・ダツィよりはましだろう。
このレストラン(というより食堂と言ったほうが良いと思うが・・・)で食べたのは、84日間のダラムサラ滞在でも数回だけである。別に嫌っていたわけではない。マクロードに数ある食堂を全て制覇してやろうと考えていたことや、お気に入りの食堂&レストランを見つけたからである。メジャーなところからマイナーな旅行者がほとんど訪れないような小さな食堂まで。同じトゥクパとモモのセットだったが店によってやはり味が違う。インド料理も注文することが出来て、私は一度マトン・ビルヤーニを頼んだことがある。ビルヤーニは日本で言うとドライ・カレーにあたるだろうか?可もなく不可もなしである。
メジャーなところではスノーライオンレストラン。ここはラム・モモが絶品である。ほかの店ではモモの具はマトンだったが、ここだけはラム肉を使っているらしい。注文するときはメニューを見てテーブルの端っこにおいてある紙に鉛筆で料理名を書いてボーイに渡す。普通、日本では店員がやることをダラムサラでは客にやらせているわけである。これだと注文ミスも少ないだろうな~~~と思う。何せダラムサラは外国人旅行者で溢れかえっているミニ国際都市なので口頭での注文は大変だろう。そう思うとなかなか利口な営業の仕方である。おそらくダラムサラ滞在中一番よく行った店がここである。モモは一口齧ると肉汁がジュワーーーーッとあふれだし、ラム肉特有の味と香りに包まれる。ラム肉は癖があって受け付けない人もいるだろうが、ここのモモはオススメする。モモはよく餃子と訳されるが、どちらかというとこの店のモモは中華料理の小籠包子に似ているだろう。この店にもいろいろメニューはあるものの、最後までマトン・トゥクパとラム・モモばかり食べていた。慣れると飽きないものである。両方あわせて55ルピー(150円)。
有名どころではホテル・チベットのレストランがあげられる。安食堂が多いマクロードにあっては異彩な高級レストランである。私は結局最後まで入らなかったが、9-10-3にある日本食レストランのボランティアスタッフ達はここでご馳走になったらしい。いったい幾らくらいの予算で食べられるのか調べるのを忘れてしまったが、おそらく一品100ルピーくらいはするだろう。と、言っても日本円で300円弱なのだが、インドに来てからはすっかり激安のインドモードになっていたため、一食100ルピーは高級だ。
それからホテル・カイラスのレストラン。ここで食べたことは数少ないが、やはりマトン・トゥクパとマトン・モモがオススメ。中にはチベット風焼きそばのチョウメンを勧める人もいるが、ここでは食べなかった。内装もきれいである。ホテルが営業しているためか、宿泊客が多かったように思える。
ダラムサラのレストラン事情を語るうえで欠かせないのは9-10-3の1階にある日本食レストランだろう。しかし、実はここでお金を払って食べたことは1回もない。他の外国人ボランティアから苦情が出るまで夜はここで賄い料理を食べたものである。確か初めてダラムサラに来て数日経ったときに打ち合わせを兼ねてここのかき揚げ丼を食べたような気がするが、それも中原さんの奢りだったと記憶する。日本食レストランだけあって、ここは日本人旅行者の溜まり場である。日本語の本や雑誌がおかれていて、日本語に飢えた日本人旅行者が集まってきているようだった。ダラムサラ滞在中、日本人と接する機会を持たなかった私だが、ここに置いてある雑誌「旅行人」にはお世話になった。そしてもう一つのメジャー系レストランは、名前は忘れてしまったが、アショーカ・ホテルの通りを挟んでむかえにあるレストラン。ツェリン・ドルジェの設計を手伝ったことからよくここでトゥクパとモモを奢ってもらったものである。ダラムサラを去るときにもここに立ち寄った。なんでもツェリン・ドルジェの知り合いが経営しているらしい。
次にマイナーな食堂を2つばかり。一つ目は店名もチベット文字だけ書いてあって、どう考えても旅行者が立ち寄る雰囲気のない食堂である。ツク・ラカンとナムギャル僧院の入り口に近い。チベット人の姉妹2人で経営しているらしく、フラッと訪れるとテーブルが4つばかりあるホール(?)には誰もおらず、調理場に向かって
「アチャ・ラ!!!(お姉さん!!!)」
と声をかけると
「ラー(はい)」
と返事が返ってくるような雰囲気である。初めて入ったとき、
「トゥクパをください」
と言うと、
「シャ・ミンドゥ(肉はないよ)」
と言われた。ベジタリアンの店らしい。ここではモモは注文しなかった。トゥクパオンリーである。ちなみにトゥクパ1杯が20ルピー(60円)。旅行者や観光客がほとんど訪れないために、ここで外国人が食べていると地元のチベット人たちに好奇の目で見られることは必須である。
そしてもう1軒はチベット語の店名も無く、ただ「サ・カン(食堂=レストラン)」とだけ書かれてあり、4人掛けのテーブルが2つだけある小さな食堂である。入るのに多少の勇気が必要であった。おそらく英語も通じないであろう。メニューも見当たらない。仕方がないので、
「トゥクパ・タン・シャ・モモ(トゥクパと肉入りモモ)」
と、チベット語で注文すると、髭面の店主は嬉しそうな顔をして、丼からこぼれそうなほど具と麺を盛ったトゥクパを運んできた。ここでもまた外国人旅行者は珍しいらしく、私が食べているとチベット人の若者数名がじっと私の様子を窺っていた。壁際にはパンチェンラマの写真が張ってある。もしかしたらここの主人はチベットのツァン(シガツェを中心とする地方)の出身なのかも知れない。片言のチベット語で、
「ンガー・ジャパン・ネー・ヨン・パ・レ(私は日本から来ました)」
と言うと、チベット人たちは大はしゃぎしていた。それ程外国人が珍しいのだろう。
最後に一軒、これは大はずれだった店を紹介する。と、言っても店の名前は忘れてしまった。マクロードからBhagsu-Nath Roadを入ってホテル・チベットやホテル・ココノールを過ぎた辺りにある食堂。ここのトゥクパは不味かった。スープの味は無く、ほとんど麺をお湯に漬けたようなトゥクパである。何しろ味が無いので評論しようにも不可能だ。注文した以上、食べたことは食べたのだが、二度と来ないと心に誓った食堂である。不味い上におつりでもらった10ルピー札がぼろぼろで、帰りにミネラルウォーターを買おうと思ってそれで支払おうとすると受け取りを拒否された。オー・シット!
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