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ピーナッツバタートースト

2019年3月24日の朝食。

この日は派遣前研修のため、埼玉に向かう日だった。
東京の家を出て、派遣前研修が始まるまでの数日間、数人の友達の家にお世話になった。
最後にお世話になったのは、大学1年時の寮生活でいつめんだったちーちゃんの家。ちーちゃんとはいろんな話ができる仲で、いつもセンスが良くおしゃれで、おちゃめで友達思いの彼女が大好きだった。

そんな彼女が私の東京生活最終日の朝食でふるまってくれたのが、ピーナッツバタートーストだった。
20年近く生きてきて、ピーナッツバターを口にしたのは初めてだった。
少し薄めの食パンにピーナッツバターが塗ってあるという非常にシンプルな一品だったのだが、これまで口にしなかったのを悔やむくらいおいしかった。
少し焦げ目のついた、薄めの食パン。
それに塗られた、ちょっと塗りすぎ、でもなく、もう少し欲しい、でもない絶妙な量のピーナッツバター。
まだ熱々のため、四角いパンの角をつまんで持ち上げ、隣の角にかぶりつく。
バリッとうよりはパリッに近く、サクッとした感じで噛みちぎれる。
トーストと、風味はtheピーナッツなのに少し塩がきいたピーナツバターがもうたまらなかった。
非常に幸せな一時だった。

あれから1年がたち帰国、スーパーで同じピーナッツバターを見つけた。
お昼にあのピーナッツバタートーストを再現してみたが、全然違った。
おそらく、パンが違う。パンの薄さも違う。ピーナッツバターは同じだけれども、塗りすぎ。そしてなにより、目の前にちーちゃんがいない。

きっと食べ物のおいしいさは、料理そのものももちろん大事だが、どこで食べたか、誰と食べたか、どんな空気の中で、どんな会話を楽しんだのか。
これらによってもだいぶ左右される気がする。

ちーちゃんのお家で、ちーちゃんが作ってくれた、あのピーナッツバタートーストがもう一度食べたい。そう思ったおうち時間であった。

(私の大好きなちーちゃんの笑顔♡)

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