取引費用理論について

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取引費用理論とは?
▶取引にかかるコストを最小化するための理論。人や企業は合理的な意思決定を行うという前提に立っている。これ自体はあくまでも「企業は合理的に判断するよ」ということを言っているにすぎないので、この理論の本質を検証するためには事後の効率性やパフォーマンスが向上していることを分析する必要がある。

TCEの効果
▶この通りに行動する企業は統計上、事後のROAが向上している。
 トラック業界をモデルとした実証研究がある

トラック業界は状況によってドラバーを内部化したり外注したりする。また、大型輸送業者TLよりも小型輸送業者LTLのほうが資産特殊性(※後述)が高い。LTLではハブ&スポーク型の輸送システムが取られ、専用倉庫などへの特殊な投資が求められる。ハブ&スポーク型とは、一か所の物流拠点に貨物を集約して、そこから車輪のスポークのように物流網を拡大していくシステム。

※資産特殊性:取引相手と取引を続けるうちに、もう一方にノウハウやリソースが蓄積していくこと

A:LTLでドライバーを内部化した業者(TCEに従った業者)
B:LTLでドライバーを外注した業者

統計上Aのほうが事後のROAが向上した。

ホールドアップ問題
▶いったん行われてしまうと元に戻すのが難しく、しかも交渉の相手の強さを増してしまうような投資に関して発生する問題。

例)ゼネラルモーターズVSフィッシャーボディ 1919年

GM「フィッシャーさんが設備投資してくれたら向こう10年は車体をおたくからしか受注せんで。仲よくしようや」
F「おK」

自動車需要急増

GM「おっしゃF社に大量発注するで!ボリュームディスカウントよろしく!!!!」
F「受注はする。値下げはせんで。イヤなら他あたってな」
GM「あああああああああああああああ!!!!!!!」

なぜこうなった?
・急激な需要変化に対する価格対応について両者の間で取り決めや契約が明文化されていなかった
・GMがF社の他にクローズドな技術を持つサプライヤーを見つけておらず、依存していた
・F社はGMが自社の技術やリソースに依存していることを分かっていたので、値下げに応じなかった

このことをホールドアップ問題という

TCE理論でM&Aが進む理由
▶ホールドアップ問題を解消するため。

ホールドアップ問題の要因
・不測事態の予測困難性
  先を読むのにも限界がある
・取引の複雑性
  扱っている技術やノウハウが新しくて他に持っている企業がないなどの理由で、取引自体が複雑化している
・資産特殊性
  取引相手と取引を続けるうちに、もう一方にノウハウやリソースが蓄積していくこと

上記3つの条件が揃ってしまうと、フィッシャーボディに依存して取引コストが増大してしまったGMのように、経営が苦しくなってしまう。
だから相手を買収して内製化する必要がある。これが取引費用理論で言われるM&Aが加速する理由

ただし買収しようとすると投資費用や販管費の増大などで別のコストが増えるので、必ずしも買収にこだわらなくてもよい。
合弁や共同開発などにしたほうがいい場合もある

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