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個別銘柄分析 No.8 CSS HD

皆さん、こんにちは。
銘柄分析を共有して少しでも皆さんの投資戦略の一助になればと思います。
個別銘柄分析の第8弾は証券コード 2304「CSSホールディングス」です。
東証スタンダード上場で国内主要ホテルやレストランからの厨房業務請負を行っております。

サマリー

・ホテル業界が好調のためスチュワード事業も受注増/利益率が向上
・レストラン事業も口コミサイトで高評価を得ている
・リクルート出身社長の経営手腕に期待

事業内容

ホテルのスチュワード事業と呼ばれる食器洗浄・衛生管理をメインで行っており、それ以外にも食堂運営受託のフードサービス事業音響機器等の販売施工等の空間プロデュース事業を行っております。
売上構成は下表のとおりで、スチュワード事業が約半分、フードサービス事業、空間プロデュース事業がそれぞれ1/4程度となっております。

第一四半期決算説明資料より

設立は1984年、創業者の野口卓 氏です。
学生時代からホテルの洗い場でアルバイトを経験し、効率よく短時間で仕事を済ませるより、だらだら長時間働いた方が給与が高くなる時給制に疑問を感じ、また、皿洗いが「3K職場」などと不当に低く評価されていたことも不満だったそうです。
そこで日本では初となるスチュワード業務を一括受注し、成果に見合った対価を受け取る会社を起こし、パレスホテルでの受注が評判を呼び売り上げを伸ばしております。
野口氏と個人的に親しかったOakキャピタルの稲葉秀二さん(リクルート出身)の関係でOakキャピタルが出資しており、同じくリクルート出身の水野氏が現在社長を務めています
ちなみにスチュワード事業は直近では「東京ミッドタウン八重洲」に新規オープンした「ブルガリホテル東京」も受注しているようです。

業績推移

〇中長期の業績動向
売上は概ね横ばいで推移しておりましたが、コロナ禍で売上が大幅減少・赤字に陥りましたが、売上は徐々に回復しており、前期は黒字転換しております。

マネックス 銘柄スカウターより

〇直近の業績
2月13日に第1四半期決算を発表
を発表しており、前第1四半期と比較し売上は27%増加、最終利益は3倍の1億円超となっております。

財務状況

自己資本比率は40%弱となっており、ある程度歴史がある企業にしては心もとない数値となっております。短期借入金が11億円程度ありますが。現金を9億円、土地・建物もそれぞれ10億円弱保有しているので問題ない数値と思います。

かぶたん より

今後の展開

①インバウンド需要・人手不足

インバウンドでホテル需要が大きく、ホテルの新設も多く、ホテル業界の人手不足が問題となっております。そのような中でスチュワード事業をアウトソーシングしたい、という需要も大きくなっていく、と想定されます。
ただ、スチュワード事業自体は労働集約型だと思いますので、単純に案件を増加させることはできないと思いますが、単価交渉は強気できると思います。
ホテル業界の需要に応じて単価の引き上げ・利益率向上が期待されます。

②レストラン事業

レストラン事業は大きく、外食とホテルのブッフェの2種類があります。
まずは外食ですが、「金星パスタ」や「僕とうどんとカツオだし」等を展開しております。食べログで調べたところ、かなりの高得点を得ており、出店を加速すればかなりの売上・利益になると考えられます。
また、ホテルブッフェもホテルブエナビスタ(松本)やメルキュール東京銀座の朝食を提供しているようです(少し古い情報なので変更になっている可能性があります)。こちらも楽天トラベルの口コミ(食事)は概ね好評でした。

③リクルート出身の社長

現在の水野社長の経営手腕にも期待しております。2021年末にCSSに参画していますが、リクルートで20年超、カーセンサーやゼクシィ等を担当していたようです。リクルート出身者は退職後も元リクルートのネットワークを活用して様々なビジネスを展開しております。
水野氏個人の力量にも期待しておりますが、じゃらんやホットペッパーなどのメディアに精通しているリクルートのネットワーキングを活用して今後更に伸びるのでは、と考えております。

目標株価

2024.5.13時点の株価は831円、PERは15.4倍・PBRは1.74倍となっており、株価は結構割高となっております。ただ、明日発表の第二四半期決算で上方修正があるのでは?と考えております
第2四半期はコロナ禍前の2019年は営業利益で3億円となっており、純利益も減損がなければ、2億円程度です。仮に同程度の利益が出れば、1Qで1億円の利益のため、通期の最終利益予想(2.7億円)を超えてきます。
そこまではいかないにしても、ですが、上方修正の可能性は高いと考えております。レストラン事業も軌道にのれば、下期で更に利益を上げることも想定されます。
2025年の業績見通しは最終利益で5億円超になると個人的に予想しており、1株利益も38円程度、成長期待でPER15倍とすると株価は1,500円を超えることも期待しております。

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