遥かなる山へと続く道③
日高山脈の付け根にも関わらず
意外と人の手が入っています。
ベッピリガイ沢付近。
千古不抜だった森は
トドマツ、カラマツ畑と化しています。
ここでトドマツ、カラマツなどの針葉樹とニレ、カツラ、ヤチダモなどの広葉樹の違いを。
人工林でよく見られる針葉樹は内部がストローのような
ストレートな管
になっており、そのため
雨水を吸い込める量が少なく、蓄えられた水の放出も早いです。
対して広葉樹は
細かい毛細血管
のような内部なので
雨水を大量に吸い込めて、かつ蓄えられた水を放出するスピードが遅い
という特性があります。
そのことから『昔、この川は濁らなかったのにな〜』や『昔はもっと水量があったのにな〜』と言われる川の流域や上流では
広葉樹が伐採され、針葉樹の人工林になっている
ことが多いです。
やっかいな問題として、濁りやすくなった原因として
人工林は所狭しと等間隔に植えられる
ので間引きせずに放置され、どんどん成長していくと
次第に日光が地面に当たらなくなり
背の低い草や笹しか育ちません。また地面が露出したままの場合もあります。そのため
大雨が降ると一気に土砂が川に流れ込みます。
少々話が脱線してしまいました(汗)。
山越えルートの続きをお話しします。
人工林の畑に出ると手書きの看板があります。
ここから数百メートルほど歩くとベッピリガイ沢の渡渉地点へ。
ここは大抵、沢は枯れており伏流水として地面の下を流れています。
渡渉地点を振り返る。真ん中の造材道路の右側に枯れたベッピリガイ沢が見えます。
そして、拍子抜けするほど何処よりも整備された林道をひたすら歩きます。この林道沿いもですが伐採されており、直射日光を浴びるので日中は注意が必要です。
まだベッピリガイ沢は枯れています。
ようやくベッピリガイ沢に流れが戻ってきました。
※現在この近辺は大雨による増水の影響で、林道が一部崩落してます。
途中、左側にプールが現れます。覗き込んでみると、、、
遥か昔からこの地に生息するイワナの姿が。
ここ50年くらいに起きた
人為的な環境の変化にも対応し、代々命を繋いでいるイワナ
には頭が上がりません。
あまりにも単調な林道歩きなので、普段見落としてしまいそうな風景を楽しみながら前へと進みます。
台風後には倒木もあり、行く手を阻みます。
そして、ようやくペテガリ橋が見えてきました。ペテガリ山荘まではもうすぐです。
ペテガリ橋からペテガリ沢を望む。
ここから1キロほど歩くと
こんな山奥に突如現れた、大変立派なペテガリ山荘に到着です。
水場あり。
薪ストーブあり。
布団もあります(笑)。
トイレには簡易的な照明があり、これだけ設備が揃い一泊500円です。
山荘の横は
遥かなる山、ペテガリ岳の登山口
です。
ペテガリ岳登山はもちろん、東の沢ダムや日高横断道路、高見ダム(ここからは少々遠い)を訪れる際に
ペテガリ山荘は貴重なベース
となります。
来年はぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?
次回の掲載は、ペテガリ山荘から北海道一の秘境ダム?
東の沢ダムまでの道程
をご紹介します。
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