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「歌に生き 恋に生き」 波乱万丈の肝っ玉母さん

今月の 劇場へ行こうは プロコフィエフ作曲の「戦争と平和」を取り上げます。ご存知、文豪トルストイの長編小説を ナチスの侵攻を契機にオペラ化した彼の代表作です。

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20世紀を代表する作曲家 プロコフィエフ


ヨーロッパの歴史において、 ナポレオンの出現はとても影響が大きく 音楽の世界でも この事件を契機に色々な作曲家が作品を書いています。
有名な作品では ベートーヴェンの第三交響曲「英雄」や チャイコフスキーの「序曲1812年」などがあります。さてオペラでは何かあったかしら?と考えてみると、有名なのがありました。プッチーニ作曲の「トスカ」。第ニ幕でトスカの恋人カヴァラドッシが拷問を受け、その様子に耐えられなくなったトスカがアンジェロッティの隠れ家をスカルピアに教えてしまいます。怒り狂ったカヴァラドッシがトスカに文句を言っている最中に、スカルピアの部下が息を切らせて部屋に入ってきて、マレンゴの戦いで実はナポレオン軍が勝利をしていたと伝えます。
一転してカヴァラドッシが「勝利だ!」と大喜びをしたので、オペラ3大悪人の1人スカルピアの怒り心頭に達するというストーリーです。このシーンはとても印象的で歌手がいかに緊張感を高められるか?が見どころの一つになっています。怒り狂ったスカルピアは一転して 今度はトスカと彼女の恋人の命の代償に自分のものになれと迫ります。
そこで歌われるのが有名な『歌に生き恋に生き』です。古今東西の有名な歌手の皆さんの演奏の中から 今回はちょっと変わった演奏を紹介します(もしかしたらロシア語?)。

ガリーナ・ヴィシネフスカヤさん ソプラノ歌手で有名なチェリスト ロストロポーヴィチの肝っ玉奥さんです。かなりの苦労人で洗練された演奏ではないと思うのですが、なぜか心に沁みてきます。もはや なかなか CDも手に入りませんがYouTubeで聴けるのでありがたいです。
今回は、プロコフィエフの話題から始まりなぜロシアの肝っ玉母さん的歌手を紹介するのかというとちゃんと繋がりがあるのです。実は 彼女の旦那さんが プロコフィエフを支えていた時期があり作曲家が彼に「チェロと管弦楽のための交響的協奏曲」


を献呈しています。その後も夫妻は色々な方を援助して 反体制作家のソルジェニーツインを庇護して彼らも国外追放になってしまいます。彼女や旦那さんの肝っ玉は 筋金入りですよ!

By こばつね

ぺテルで劇場へ行こう!』、ペコのサイトにぜひ遊びにきてくださいね。

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