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画像の比較で感じる「都市の美しさ」とは何か

都市の美しさとは何かは一言で言えるようなものではありません。
再開発された最先端のビル立ち並び、現代的な雰囲気の内装が設られた商業ビルでもかっこよさは感じますが、美しさはまた別の感覚です。

あえて景観から

今回は美しさとは何かを根元から語ることにはせず、あえて景観だけから都市の美しさを考えてみました。
一言で語れない美しさを景観だけから探っていくのは無理があるのは重々承知していますが、顕在化した景観の美は本質を表現しているという前提に立ち、景観の美を構成しているもの、壊しているものがなんなのか、写真をレタッチしながら探っていきたいと思います。

今回は以下4つを検証しています。

・景観規制で作られたコンビニは景観の美に寄与しているのか
・電線がないことで景観は良くなるのか
・統一感のない住宅の屋根の色を統一してみる
・アスファルトの道路が石畳だったら


景観規制で作られたコンビニは景観の美に寄与しているのか

京都など景観規制法がある地域ではコンビニなどのチェーン店も通常のカラフルなサインではなく単色のシンプルなサインが用いられていることがあります。

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こちらは下田の景観規制されているコンビニです。上の写真が加工していない景観規制されたもの、下の写真が規制されていなかったらこうだったという合成したイメージ画像です。かなり印象違いますね。写真で見ると規制されたコンビニの方は気がつかずに通り抜けてしまいそうなぐらいい弱く見えますが、逆に言うと通常のコンビニの色の強さがよく分かります。

電線がないことで景観は良くなるのか

電線も景観に悪影響を与えているのではと指摘されるオブジェクトの一つです。とはいえ電線はもはや日本の風景の一部となっていて、電線まで含めて日本の景観ではと思うようになっている人も少なくないのではと思います。

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よくある地方の見晴らしの良い道で実際に電線の有無で風景を作ってみたのが上記写真ですが、上の写真が画像処理をして電線を消したもの、下の写真が撮りっぱなしです。みていただくとかなり印象違うのが分かりますね。看板も一部消していますが、電線がないと森や山に目が行くのがよく分かります。

統一感のない住宅の屋根の色を統一してみる

地方都市だけではないですが、日本の住宅は建て方も色もスタイルも異なっていることが多いです。この写真はもし屋根の色だけでも同系色に統一されていたら印象は違っていたのではというイメージです。

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上の写真は赤系の色に屋根の色を統一しています。下の写真は未加工です。屋根の色が統一されると自然の色が目に入ってくるようになるのがよく分かります。

アスファルトの道路が石畳だったら

サイン、電線、屋根など建物の上部の比較を見てきましたが、歩くときに一番視界に入っているのは実は道路だろうということで、地面をアスファルトと石畳で比較しました。

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写真左が石畳を合成した写真で、石畳は京都の街から持ってきています。地面に表情が出るだけで印象だいぶ変わりますね。

日本の都市が、なぜ美しいとはいえない都市になってしまったのかを考えるためのワークとしてやってみました。今回は加工しやすく分かりやすいため地方都市を題材にしましたが、東京でも同じことが言えると思います。また美しさとは景観のことだけを指すのではなく、人が生活し活きた街が生み出す感覚であることは言うまでもありません。今後も顕在化した状態をみながらどうやれば美しいと思えるような日本の街が作れるのか考えていきたいと思います。

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