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5年間の社会人学生生活を振り返り、これからを考える

これは社会人学生 Advent Calendar 2023 11日目の記事です。

TL;DR

  • 数学の学び直しきっかけで放送大学に入り、学士を取ったり検定に合格したり一定の成果は挙げた

  • 5年大学や大学院で学んでみた結果、「何を作りたかったんだっけ?何が楽しかったんだっけ?」という問いを抱いた

  • 学位を急いで取らなきゃならないわけでもないし、来年はペースダウンして地固めの年にする

プロフィール

ぺで(X(旧Twitter)アカウント
情報系の大学・大学院出身、神奈川県の東京寄りの市に一人住まい。
電機メーカーの研究員をしたり、ゲーム会社のエンジニアなどいくつかの仕事をつまみ食いしたあと、ソフトウェア関連企業のローカライズ部門で、翻訳をしたり翻訳の案件進行をしたりするフルタイムの会社員をしています。

いまはどこで社会人学生しているのか

放送大学の教養学部全科履修生と、東京都立産業技術大学院大学(AIIT)の科目等履修生(単位バンク生)の2つをやっています。
放送大学は2018年10月から、AIITは2022年12月から受講を開始しています。

どうして社会人学生を始めたか

今から5年前、2018年10月にラテン語を勉強したい・数学のやり直しをしたいという思いからです(はじめて印刷教材を受け取ったときのツイート
選科履修生で2学期履修期間があるから次の期は日本語リテラシー、日本語アカデミックライティングも取ろうと書いているから、基礎固めをしたいという意識が強かったみたいです。

数学の学び直しについては放送大学に入る前からすうがくぶんかで個人指導を受けていましたが、単位という形で受講した記録が残ること、その単位を取るための試験で理解度を確認できそうだと考えたこと、通信制で自分の都合との調整がつけやすかったこと、学費が安いことなどの点で、放送大学に乗り換えました。

5年間どんな感じだったか

タイムライン

2018年:放送大学選科履修生としてスタート
2019年:放送大学全科履修生にクラスチェンジ
2020年:コロナ禍、オンラインだけの学期
2021年:数学と情報系の科目のオンパレード
2022年:情報コース卒業、再入学。AIITとの出会い、単位バンク生開始
2023年:仕事に必要な知識や、実践教育にシフト

2023年12月11日現在、放送大学では109単位習得(◯A:57、A:10、C:1)。
放送大学の卒業に必要な単位数は124単位ですがもともと院卒なので、2019年に全科履修生として再入学する際に62単位を認定してもらいました。
そのため総習得単位数は171単位となっています。

AIITは始めてまだ1年で、6単位習得(優5:1、優4:2)という状況です。

学習スタイル

放送大学:
私の場合は学位を急いで取るニーズはなかったので、「最大でも一週間の日数は超えない」(面接授業は別腹)を基本ルールとしています。先取りもあまり一生懸命やらず、通勤電車の中とかで1週間に1回ずつ授業を聴き、単位認定試験前に詰めるスタイルです。

AIIT:
放送大学と違ってリアルタイムの授業参加が求められることや、1コマの授業時間が90分(放送大学は45分)また1週間に2コマ授業があることから、単純計算で1科目ごとの負担は放送大学の4倍(授業時間が2倍、コマ数が2倍)と考え、1クォータに1科目として各クォータで取った科目の内容をしっかり身につけることを今のところのルールとしています。

今まで4科目受講しましたが、やってみたら2ヶ月の間に授業が15回、レポート課題2〜3回、グループワークや発表も複数回、最後には試験もあるなどなかなかの負荷で、「1クォータに1科目」にしておいて正解だったかなと思っています。

参考までに、今年の夏に受講した「システムプログラミング特論」の最終レポートの内容ベースでやった発表資料はこんな感じです。Pythonを使ってたくさんプログラムを書く授業だったんですが、Flaskを使った簡単なアプリの実装を行いました。
(※授業内容をベースにした発表については担当教員の許可を取っています)

よかったこと

放送大学:

  • 情報系の科目を履修し直し、昔と基礎的なところは変わっていない・そこまで自分の知識がボロボロになっていないことが確認できた

  • レギュラーで提供されている数学系科目を開講されているだけ習得し、昔出た大学でひどい成績を取った大学数学との和解が少し進んだ

  • Xのアカウントで同じ放送大学で学ぶ人とつながり、自分のアンテナにかかってなかった分野の勉強や資格取得に励む人の様子から刺激をもらった

  • 和菓子の歴史や身のまわりの接着剤など、自分のバックグラウンドから距離のある内容に触れることもできた

AIIT:

  • 説明を聞きながらPythonコードを打ったりコンパイルしたり実行形式の中身を覗いたり、実践中心の授業で楽しい

反省点

  • 軸とか目標がない

  • 授業やら本やら、新しいネタを仕入れすぎ

  • アウトプットが少なすぎる

特に2つ目ですが、授業をこなしつつ本も読みつつアウトプットも…とできると思っていたんですが、授業を履修すれば印刷教材なり授業の資料という形でのテキストが降ってきてそれを読むことになるわけで、AIITの場合はいろいろ課題もあるわけで…そんな中で本を買うのを止めなかったので積ん読で部屋がおしまいになっています😇

2024年以降:結局どこに行きたいんだっけ?

反省点に挙げた「アウトプットが少ない」と「軸とか目標がない」はつながっていると思っています。自分のバックグラウンドは工学系なので、何か勉強するときにはそこで得た知識で何か役立つ物を作りたい、何か楽しいことをやりたいと思っていたはずなんです。

しかし5年あまり社会人学生をやってみて、「自分って何作りたかったんだっけ?何が楽しかったんだっけ?なんで勉強してるんだっけ?」と、自分にとって本来手段である勉強が目的化しちゃってるのではないかと危惧する気持ちが強くなっています。勉強すること自体が目的になっていることが必ずしも悪いというわけではありませんが、自分にとってはあまり望ましくない。その点、実践に重きを置くAIITのカリキュラムは自分の今抱いている危惧を晴らす答えの一部を与えてくれるのではないか、と期待してはいます。

ただ、2024年は放送大学もAIITも実質お休みする感じにしよう…と考えています。これは先に述べた反省を踏まえてということもありますが、仕事の状況が変わって2024年はかなり忙しい1年になることが見込まれるので、疲れ果ててしまわないように…という面が大きいです。
AIITで正規学生になることを見据えて単位も1科目ずつ積み上げてきましたが、来年に正規学生になっても十分に学校の設備を使い切れなさそうなのでこれも差し置きです。

その間に積ん読もちょっとは消化して、ずっと気になったまま取れていない数学検定や統計検定の上位級に挑むこともできればと思います。
またAIITを始めるときに博士号取得を見据えていましたが、今のところは遠い遠い目標だし、技術士のほうを先に取ろうか?という考えも出てきていて、そこにもアクションを起こして行ければと思います。

「何を作りたかったんだっけ?何が楽しかったんだっけ?」という問いにも答えを出していきたい…
手を動かすのが下手な人間ですが、下手なりに手を動かして、下手でもアウトプットすることへの抵抗を小さくしていくことが来年の課題かなと感じています。

最初に大学院を終えたときのように学位記を得ることに生活がかかってるわけでもないので、焦らず地歩を固めていこう。

以上、5年も社会人学生をしてみて単位は積み上がり学位記も一枚増えたけれど、勉強の目的や自分自身の楽しみに対する新たな問いが増したぞ、という話でした。

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