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さらに続きそうな緊急事態期間の暮らし方 〜サイクリストの視点で

今週からはじまるゴールデンウイークは例年のようにゆきませんよね。

短い人で5月2日からの5連休,長い人だと先週4月25日から16連休になると言われていますが,今やっかいなのは「コロナ対策の緊急事態宣言が大都市部ではさらに延びる可能性がある」ことでしょう。

たとえGWの期間中は行楽地にでかけるのをじっとガマンしたとしても,その先いつまで外出自粛を続ければいいのか見通しが立たないため,GW中の本当に大事な「自粛」の意義さえうやむやになって守られにくいのでは?と心配です。

そこであらためて「何のための自粛なのか?」「どういう自粛が効果的なのか?」をごくふつうの生活者の立場から(ついでにサイクリストの視点で)考えてみたいと思います。

1)何のための自粛なのか?

いろいろな理由があると思いますが,ネット上での意見をあれこれ調べてみると,最大の理由は医療崩壊を防ぐため。

「緊急事態宣言や非常事態宣言が出たのは,医療崩壊を招かないようにすることです。国民の生活を守るためではありません。」(ある医療関係者の方の意見)

(参考)

とにかく外に出ずに感染リスクを下げて,医療機関への負荷をできるだけ減らすための「緊急事態宣言」なのですね。

そして首都圏などではすでに医療崩壊がはじまっているとも言われていますから,自粛はますます重要さを増しているわけです。

ただ,いったん5月6日を期限に出されたこの宣言がもしさらに延ばされたとしたら?それも2週間どころか1〜2ヶ月延ばされたとしたら?

「医療崩壊阻止」という大義は変わらなくても,自粛のあり方を持続可能な現実にあったものに変えないといけないのでは?と思います。

2)どういう自粛が効果的なのか?

では,仮に自粛の期間が1〜2ヶ月延ばされたとして,どんな「自粛」が持続可能で効果的なのかを考えてみましょう。

まず政府の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議が発表している「人との接触を8割減らす,10のポイント」をおさらいしてみます。

【1】実家などへの帰省を避け,ビデオ通話によるオンライン帰省をすること。
【2】スーパーでの買い物は,1人または少人数で、空いている時間に行うこと。
【3】ジョギングは少人数で行い,公園はすいた時間・場所を選ぶこと。
【4】急ぎではない買い物は通信販売で行うこと。
【5】飲み会はオンラインで行うこと。
【6】診療はオンラインなどによる遠隔診療で受けること。
【7】筋トレやヨガは自宅で動画を活用して行うこと。
【8】飲食は持ち帰りや宅配を利用すること。
【9】仕事は在宅勤務で行い、通勤は医療・インフラ・物流など社会機能維持のための業種に限ること。
【10】会話はマスクをつけて行うこと。

感染症の専門家の岩田健太郎教授は(とくに東京で)相当数の潜在的な感染者が存在すると推測したうえで,いわゆる『3密』を避けてこの10のポイントを守る要点を次のように説明されています。

「政府の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議は「人との接触を8割減らす,10のポイント」を出しました。」

「これはリスクコミュニケーションにおけるメッセージの出し方としては,あまりよいやり方ではないと思います。クライシス(危機)時におけるメッセージは,簡潔にして短い,できれば一つか二つのメッセージを連呼するのが大事なのです。」
「そういう意味では、有名になった『3密』もイマイチなメッセージでした。」

「外に出るな。どうしても出るなら2メートル離れろ。これだけです。」

(参考)

なるほど!これはわかりやすいですね。外に出ない。出るとしても他の人から2メートル離れる。そして以前から岩田先生が強調されているのは「手に気をつける」ですね。手の消毒がとても大事だそうです。

となると,自分の周囲2メートルの間合いをいつまでどうやって保ち続ければいいのか?というのが最大の検討課題でしょう。

岩田先生がこの原稿を書かれた4月23日の時点で東京都内には20万人以上,最大400万人程度の感染者がいる可能性があるとおっしゃっています。

日本はドイツや韓国とは対照的にコロナ感染者の検査数を増やさないできましたから,正確な感染者数もコロナによる死亡数もうやむやです。

とにかく「東京では周りは感染者だらけ」というのが現実のようです。もちろん他の大都市でも遅かれ早かれ似た状況になりえる段階にきています。

【個人的な結論】

では外出自粛の期間が1〜2ヶ月延ばされたとして,どんな「自粛」が持続可能で効果的なのか?答えを出してみます。あくまで個人的な意見ですが。

「2メートルの間合いを保ってできるだけふだんの暮らしに近いことをする」これではないでしょうか?もちろん「3密」回避は大前提です。

もちろん通勤電車にしろ対面での業務にしろ,ふだんのようにゆかない不便な場面は多いかもしれませんが,5月6日以降に休業や休校をいったんやめて,しかも感染者を増やさないとすれば,あらゆる工夫をして2メートルの間合い確保を実現するほかありません。

サイクリストの場合は,オフの時間にインドアのトレーニングだけではなく外に走りに出るのも一定の条件を守れば許されるべきだと考えます。

自粛が長期化した場合,メンタルなストレスを考えると,たんに「外に出るな」ではすまなくなるだろうと思うからです。

もちろん「外に出るな」は短期的にはベストですが,長期的には絵に描いた餅になりかねません。

ゴールデンウイーク期間に国民の戸外での活動意欲をおさえこんだとしても,さらに1〜2ヶ月,とくに大都市に住む人たちを屋内にとどめるのは現実的で持続可能な方法とは思えません。「自粛を要請」というだけではかけ声倒れになるのが目に見えています。

大事なのは,ゴールデンウイークに沖縄や郊外にある自己所有の別荘などに疎開できるめぐまれた境遇の人だけでなく,子どもたち,あるいは実家にも帰れず職場にも出かけられずひとり暮らしをつづける若い人など,アクティブで比較的重症化しにくい層にゆるやかで効果的な自粛の指導をすることではないでしょうか?

サイクリストにかぎらず,スポーツなどふだんアウトドアでの活動をしている人たちが無理なく守ってストレスを解消する枠組みが必要です。

また,いまの政府の首尾一貫性のない行き当たりばったりのコロナ対策のもとでは,自分も感染者になる可能性がかなり高く,その場合に免疫力を高く保つことが自他ともに重症化するリスクを一番低くできるのではないでしょうか?

ちなみに最近目立つ論調として,コロナが血管に対して攻撃的であることを指摘する説が出てきています。

「新型コロナウイルスの正体はただの肺炎ではなく『全身性血管炎症』であることがわかりました。」

「また現在、生活習慣病などに陥っている人は一刻も早く健康体に近づくことが,ウイルス感染による症状の重篤化を避ける一番の手となります。」

(参考)

こうした見解が専門家の見地からどの程度正しいのかボクには判断できませんが,生活習慣病とは無縁な健康体でいることが,感染のリスクを下げ,たとえ感染したとしても重症化しにくくなるための一番の対策だと言っても誤りではないでしょう。

そして免疫力の維持という点から,もし自粛が長期にわたるなら,「ふだんの暮らし」をカラダの面だけではなくメンタルな面でも続けることが大事なはずです。

サイクリスト個人の場合は,GW以降に,(子ども連れの場合などはのぞき)できるだけソロで,誰かと一緒の場合は「20メートルの間合い」をとりつつ,対面の場面を避けて外の空気を楽しむ方が長く自粛を続けられると思います。

社会全体では,サイクリングやハイキングなど屋外で十分な「間合い」をとっておこなえる活動のための環境を整備してゆく必要があるでしょう。

プロのサイクリストが一般の市民に安全なサイクリングの指導をおこなう機会をもうけてもいいかもしれません。

「みんなで生きのびる」にはどうすればいいのか?

心身両面にわたるフィットネスを保つために,政府や専門家だけでなくふつうの個人もポジティブに考えてゆかなければと思います。

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