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ホームズにはなれない

熱もないのに、いきなり鼻に綿棒をつっこまれて、『ああ良かった、インフルエンザではありませんよ』と言われて納得するひとはいないんじゃなかろうか。

いや、説明なしでこんなハナシを始められても困ってしまうに違いない。


でも、ことアレルギー検査となると普通に行われている。


それも仕方ないかなと思うことがある。

Googleで『アレルギー 検査』でググると、『39項目アレルギー検査できます!』みたいなサイトばかりが行き当たることからもはっきりする。


そして、39種類いっぺんに検査できるなんて、なんて効率的なんだ!

って思うかもしれない。


でも、ちょっと待った。


みんな、コロナで思い知ったんじゃないかな。検査って結構あいまいなものであることを。


陽性でも、コロナじゃないかもしれない。
陰性でも、コロナかもしれない。


とくに『アレルギーの検査』は、コロナよりもめちゃくちゃ曖昧であること。それは知っておいて損はない。


『アレルギー』の検査としての血液検査は、かなり嘘がでる。
米国小児科学会の『賢い選択(Choosing Wisely)』には、こんな風に書いてある。


Don’t perform screening panels for food allergies without previous consideration of medical history.
病歴を聞かずに食物アレルギーのセット検査をするのはヤバいです(意訳)。

そして、理由はこんな風に書いてある。

For example, about 8% of the population tests positive to peanuts but only approximately 1% are truly allergic and exhibit symptoms upon ingestion. When symptoms suggest a food allergy, tests should be selected based upon a careful medical history.(例えば、約8%がピーナッツの血液検査陽性になるけど、本当の食べてアレルギー症状があるのは1%しかないです。その症状が食物アレルギーっぽいかどうかは、きちんと病歴を聞いて、検査を選択しなくちゃいけませんよ(意訳)。


それはそうだよね。

お腹が痛くて病院にいって、よくハナシも聞かれずに鼻に39回綿棒を突っ込まれて怒らない人はいない。

でも、インフルエンザの流行している時期に、熱が出て節々が痛いです…そんなことをきちんと聞かれてから綿棒を1回突っ込むのは、きっと許せる。


だから、その症状がアレルギーっぽいかどうか良く聞いてから、検査の項目をきかなくちゃならない。39本の綿棒よりずっと大事だし、じつは何を聞くかに関してはアレルギーの知識をたくさん持っておく必要がある。


ホームズみたいに、いきなり『犯人はあなただ!』はむずかしい。

まずは、捜査は聞き込みからはじまる。


ホームズにはなれない。


noteでは、ブログでは書いていない「まとめ記事」が中心でしたが、最近は出典に基づかない気晴らしの文も書き散らかしています(^^; この記事よかった! ちょっとサポートしてやろう! という反応があると小躍りします😊