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第71回 ほむスペ文字起こし:アトピー性皮膚炎に関連した眼瞼炎の話

ほむスペ(Twitterのスペース)を定期的におこなっています。
その文字起こしです。出典の明示などをしておらず、
広く公開する記事に比較し
より個人的な見解を含む場合があります。
そのため、限定公開としています。
誤字・脱字はご了承くださいませ。



こんばんは。今日もよろしくお願いします。
最近、文字起こしに失敗していて、note記事をだしていないのですけど、今日は文字起こしアプリが立ち上がったので、文字起こしするかもしれません。

今回は、アトピー性皮膚炎に関連する眼瞼炎、アトピー性皮膚炎があると目や目の周りが痒くなって、目を擦る方が増えてくるんですね。

そうすると目の周りに湿疹ができてしまいますが、その湿疹の話ということです。


目の周囲のアトピー性皮膚炎は、白内障や網膜剥離の原因になる

目の周りの湿疹があると、こすって痒くなってこすったり叩いたりという物理的な刺激が繰り返されることがあります。すると、白内障とか網膜剥離という合併症を起こしやすくなります。


白内障っていうのは、目のレンズが曇ってしまうという病気です。そして網膜剥離は…網膜という目に光が入ってきたときに目の後ろ側のスクリーンに映し出すわけですけど、そのスクリーンが剥がれてしまう病気ですね。

そうすると、自然には治らないような視力の低下が出てくることがあるので、目の周囲の治療はとても重要なんです。

もちろんこの領域は眼科の先生方の方が私よりもずっと詳しいと思うのですけれど、小児科の範囲内で普段やってるようなことをお話をさせていただきたいと思います。

まず、鑑別を…たとえば接触皮膚炎はないか?


では、まず目の周りの湿疹に関してなんですけど、目の周囲の湿疹はアトピー性皮膚炎だけじゃなくて他の原因でも起こってくることがあります。

例えば、点眼液や化粧品とかそういったものですね。

小児は化粧品でかぶれるっていうことは少ないんですけど、成人に関しては、アイシャドーとかでかぶれることを念頭に入れておく必要性はあります。

その上で、点眼液の中に含まれている防腐剤である、塩化ベンザルコニウムとか、抗菌薬のゲンタマイシン、フラジオマイシンとか、人工涙液などに含まれるε-アミノカプロン酸などの添加物に留意が必要です。

ですので普段、市販の点眼液とかしてませんかとか、そういった話は最初聞いておいた方がいいかもしれません。
フラジオマイシンなどはステロイド外用薬にも含まれていることがありますので、ステロイドで炎症を良くしつつ、抗菌薬でかぶれつつ、その両方で症状がわかりにくくなってしまってる方もいらっしゃいます。

 その上で今回は、アトピー性皮膚炎に関連した眼瞼炎、目をこすったり、目の周りが痒くなって湿疹がひどくなりましたという方に関しての話ということになります。


子どもでも、白内障のリスクが上がる

 アトピー性皮膚炎に関連した目の周りの湿疹は、子どもでも白内障や網膜剥離を起こすことがあるという話を先ほどさせていただきました。

アトピー性皮膚炎のお子さん平均3.5歳に対し、その後10年間見ていくと、白内障の手術をする確率が大きく上がるという報告があります。

3歳のお子さんがその後10年間で白内障を起こすということは、小児科の年齢でも白内障を起こすっていうことなんです。

最近は、以前に比べて減ったとも思ってるんですけれども、アトピー性皮膚炎に対するステロイド外用薬をつよく避けている方が多い時期は、初診時に眼科の先生に見ていただくと、白内障や網膜剥離が見られることを、小児でもよく経験しました。

そういう視点から、目の周りに抗炎症薬を使うことがあるということなんですけど、さきほど接触皮膚炎、すなわちかぶれに関して少し話しましたね。

もう一つ、炎症を抑えるお薬を使う前に、気をつけておかないといけないことがあります。


目の周囲の感染症も考える

そのうちの一つがヘルペスウイルスです。
目の周りにヘルペスウイルスというウイルスが感染することがあるということです。 特に目の周りに湿疹がひどくなってくるとそのヘルペスウイルス、単純ヘルペスウイルスっていうウイルスの感染が起こることがあります。

そうすると、失明の原因になってくるのです。
ヘルペスウイルス感染を疑った場合は、皮膚科ともタッグを組んで治療にあたる必要性があります。
そういった感染症が起こりうるということですね。

ちょっと話を前後して申し訳ないんですけど、接触皮膚炎、すなわち点眼液や化粧品でかぶれてないかっていうのをまず最初話を聞いて考えていき、そして目の周りに感染症がないかどうかを考えて、それをある程度クリアした上で、抗炎症薬が必要になるということになります。


ステロイド眼軟膏は、かなり強度は弱め

そして目の周りに塗るお薬としてよくよく処方される薬としてはステロイド眼軟膏があります。

元々は目の中、眼球に塗る軟膏ですね。
眼軟膏は、一般的なステロイド外用薬に比べ、ステロイドがかなり低濃度に設定されているので外用薬のランクとしては、5段階の5番目にあたるものになります。

ステロイド外用薬って1番目から5番目まであって、5番目の薬ってほとんどないんです。多くが1番目から4番目です。

というのは5段階目の薬は効果が弱すぎて、ほとんど使われなくなっているんです。

ただし 眼軟膏に関しては別です。
目の周りは、皮膚がとても薄いので外用薬が比較的よく効くんですね。

そのため、ステロイド眼軟膏には一般的にはもうあまり使われていない5番目の強さの薬があると考えていただくといいでしょう。

ただこの眼軟膏に関して落とし穴があります。

最初お話をした抗菌薬の話なんですけど、フラジオマシンという抗菌薬を含んだ眼軟膏があるのです。
ですので、眼軟膏でも目の周りがなかなか良くならないっていう場合には、フラジオマイシンという抗菌薬に対してかぶれている場合などがあるということです。その場合は眼軟膏を見直す必要性があります。

ここで商品名言っていいのかどうかわかりませんがネオメドロールEE眼軟膏というの製品がそのフラジオマイシンを含みます。

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