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進行がんは完治しないって!?

ここからのつづきです

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PETでクロと言われてしまった。

ま、やることやるしかないな。

と受け止めている私と、急に末期がん患者(これまだわかってないけどね)の家族になってしまった夫の違いは、ひとごと・・・ってこと。

自分ごとだと自分でなんとかしなければいけないが、人ごとだと、手の貸しようがない。こうしたことは、代わってやるわけにもいかないからだ。

で、研究者の彼は色々リサーチを始めた。

それをLineでどんどん送ってくる。その量が激増!
ま、読まないけどね。

気持ちはわかる。

30年前息子が白血病と診断された時、1週間ご飯が喉を通らなかった。
お腹が減らないということを人生で初めて体験した。

代わってあげられるものなら代わってあげたい。

病院に入院した時、5歳の彼はこう言った。

「ほっとした」

なんとなく不調で思うようにならない体に本能的に気づいていたのだろう。
病院に入って、これで、辛さが軽減できると思ったのだろう。
気づいてくれてありがとう・・・と。

その時も、夫は半狂乱になって、翌日は会社を早退してきた。
息子の白血病が頭から離れなくて仕事どころではなかったのだ。

そして、図書館や本屋で徹底的に調べ始めた。
それが彼なりの平静の保ち方なのだとわかっているから、今回も「また始まった」と私は思っている。

状況を受け入れるのは家族の方が難しいのかも。

でも、いつも、口うるさい私に、いない方がいいって言っているくせに、私、愛されてたのね〜〜〜(あ、ここ、笑うとこです)

あげくのはてに
「色々調べてたら研究やっていた頃に戻ったみたいでワクワクしてる
とのたまわっている。ちょっとムカつく


最初に予約が取れたのは愛知の病院。
いい先生が多いことでも知られている。
しかし、設備は古い。
街中(まちなか)にあり、いわゆる病院らしい病院だ。
設立した頃にはPETがなかったのか、その検査は外部施設に委託。

お目にかかった先生は、若いが(いえ、私よりって意味ですけど)、専門性の高い患者に寄り添う方だった。

前の病院から送られてきたデータを見ながら

「骨転移ですね。これは、進行癌なので完治はしません。いかに進行を止めるかという治療をしていきます。骨盤あたりが進んでいるようですから、そこは、放射線を照射した方がいいかもしれません」

放射線は1箇所に1回しかかけられないので、タイミングが難しいのです。そのあとは、抗がん剤治療ですね。抗がん剤は通いですることが多いです」

「来週、検査入院をしましょう。検査結果が出るのは2週間後です」

「来週はちょっと仕事が立て込んでいて。再来週ではいかがでしょうか」
(あまり緊急すぎて、調整をつけなかった及び調整がつかなかったものだから)

「早い方がいいんだけどな。すでに生検の先生にも予約をおさえてあるのだけど・・・」

「そこをなんとか・・・(と言ったかどうか記憶はないが)」

「じゃ、再来週にしましょう」

そのスケジューリングは、私の残りの仕事や仕事場の引っ越しなんかともピッタリと当てはまる最高のスケジュール。心の中で小躍り。

「先生、まだ検査もしていないのでなんとも言えないとは思うのですが、この状態の予後ってどうなんですか」

当人もここは気になるところ。
すると

「あなたは、インテリジェントだと思うから(ここ、太字にさせていただきました)いいますけど、予後というのは中央値なんです。短い人もいれば、長い人もいる。中央値を言うと、その日から残りの日数を数え始める人がいるんですよ。だからあまり言いたくないんですよ」

つまり、聞いたとしても自分に当てはまるとは限らないってわけね。
それでは、聞くだけ無駄だわ。

「仕事はどうでしょうか?」

「癌治療というのは高額医療なんです。治療費が払えないから治療をやめるという人がいる。だから、私は、仕事は続けた方がいいと思っているんです。ただ、あなたの場合は、急な予定変更とかが難しい仕事なので、続けるのは困難かもしれませんね」

頭に残ったのは、高額医療の4文字・・・

過保護な付き添いの夫と共にドライブ(運転手は私、だってその方が私が安心なんだもん)して帰宅。

1月30日・・・いま、ようやっと、ここ

こちらに、つづく


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