【ショートエッセイ】沈黙は金

 子育てセンターに行き、スタッフさんや他のママさんとお話ししていると、少々居心地の悪い思いをすることが時々ある。
 離乳食の話をしていて「あの赤ちゃん用ヨーグルト、高いでしょぉ?」。保育園の話をしていて「旦那さんの職場、企業内保育園があるの?まぁ、どこにお勤めなの…〇〇!?すごいねぇ…」。

 この、「あれ、高いでしょ」「お勤め〇〇!?」に対する模範解答ってなんなんだ?私は毎度、「イヤイヤ〜!!あw瀬drftgyふじこl」と早口ヲタク喋りで意味不明なことをモゴモゴ呟き、見事に撃沈しているのだが…。条件反射で自分を卑下する癖が身に付いてしまっているので(私に限らず、日本女性は多いのではなかろうか)、過剰に恐縮してしまい、こういう情けないリアクションになるのは自覚がある。「この話題は私にとって不快です」と、毅然とした態度でポジティブ表すのがベストだろう。
 目を逸らして、黙って微笑む?で、さりげなく話題を変えて、暗にこの話題は終わりにしましょう感を出す?
 現段階では確実な正解を見出せないのだが、少なくとも自分は、相手の経済的なスペックに対して、たとえ褒めるつもりの内容でも、コメントするのは控えようと心に誓っている。相手は悪気なく、ただ私のことを持ち上げようと思ってくれているのだろうが、気分が良くなるどころか、毎度毎度居心地の悪い思いをしている。
 平和を維持したいなら、容姿、学力、経済力については、リアルの世界では話題にしないことだ。この三大トピックは目に見えて分かりやすいのでついつい注目してしまいがちだが、目に見えやすいからこそ、わざわざ言葉にしなくていいと思う。言わぬが花、沈黙は金。

 

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