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くらしのこと#6 冷蔵庫

冷蔵庫を買いました。

家主と二人暮らしをはじめて早4年。
これまで、家主がもともと使っていた一人暮らし用の冷蔵庫で生活してきました。

外食は月に数回。基本的には自炊をするので、買い出しにはかなり頭を使っていました。
冷蔵庫の空きがこれくらいだから、これとこれは買える。これまで買っちゃうと冷蔵庫にしまえなくなるな…。よし、これでなんとか5日分。
とまあ、こんな感じで。

鍋はもちろん入らないし、保存容器も場所をとるので、特に夏場の調理には悩みました。
うっかりカレーなんて作ろうものならあっというまにダメにしてしまう。作り置きにも慎重にならざるを得ませんでした。

なにより冷凍庫の霜がすごい。
取っても取っても埒が明かず、諦めて放置していたら、庫内の3分の1以上が霜に占拠されてしまいました。
霜でなだらかな坂までできてしまって、冷凍庫に物をしまおうとするたびに滑り落ちてくる。間に保冷剤を噛ませたり、すばやく扉を閉めたり、それはもうひとつの戦いでした。

わたしの胸の高さくらいしかない、小柄な冷蔵庫。家主曰く、15年選手だそう。そのちいさなからだで、これまでよくがんばってくれました。

旅立ちの前日には、のこりものを肴に、ささやかな酒席を設けました。

そしてバトンタッチ当日。
中身をからっぽにし、電源を落として霜を取る。
ねぎらいの気持ちを込めて全身を拭きあげ、業者さんの手に引き渡しました。

そういえば玄関での対応はすべて家主におまかせだったので、旅立ちの瞬間は見届けそこねてしまいました。
いまごろ、ゆっくり休んでくれているでしょうか。おつかれさま、先代。

そうしてやってきた新しい冷蔵庫。
念願の大きな冷蔵庫。
いちばん上の棚は見上げる高さ。
木目を思わせるブラウンの外装がほんとうに美しい。
自動製氷もついてきました。
心なしか、中身もよく冷えます。

うれしくてつい何度も開け閉めしたくなりますが、電気代がかさむので我慢我慢。
と言いつつ、気づけば冷蔵庫にすり寄ってにやにやするわたしがいます。

さっそく業務スーパーで買い物袋いっぱいに買い込んで、冷凍庫は満員御礼。
冷蔵庫にはみそ汁を鍋ごとしまえてうきうき。
がらがらの野菜室を眺めながら、ここにめいっぱい野菜を詰め込んだら使い切る前にダメにしてしまうのではないか…と、その広さに改めて驚くなど。

近々、夏野菜のカレーを作ろうかしら。
ショートケーキを焼いてみようかしら。

夢は膨らむばかりです。

なしこ


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