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自治体財政の見方〜健全化判断比率を中心に〜

1月10日11日、滋賀県にある市町村職員と議員のための研修施設「全国市町村国際文化研修所」で行われた財政の研修に参加してきました。

これまでも、財政が大事だとは思っているけれど、誰かが教えてくれるわけでもなく、かといって独学で本を読んでも読み進まず。。。

研修内容についていけるかな〜とちょっとビビりながら参加しましたが
講師の方の説明はわかりやすくて、「教えてもらえるってありがたい」と実感。
演習もあって知識の定着や活用ができるようにも考えられているし、とっても有意義な良い研修でした。これでご飯もついて研修所にも泊まれて7,500円!
ただ、遠いから交通費がかかるのがネック。
町村議会のほとんどは政務活動費(月々の報酬とは別に議員活動に使えるお金)が無いんですよね。だからなのか、参加しているのは市議会議員さんが多い。

次の議会報告で津和野町の財政について説明してほしいとのオーダーがあるので
今回の研修を活かして説明してみようと思います。

講義内容と感想メモ
・自治体をとりまく環境(ヒト・モノ・カネ)は大きく変化する時代に突入することをしっかりと認識した上で財政を考えていく必要がある。
2050年には津和野の人口半減(3,400人)と新聞報道があったが、総合振興計画の目標値は4,750人。どっちの数字で将来考えるのかで結構違う気がする。というかその前に、今の人口6,500人ベースで考えてることが多すぎるのでは?この現実はたった25年先の話なのに。
ほんと改めて、津和野町の将来推計(ひとつの目安として2050年)を議会・執行部の共通認識として持っておく必要があると思う。

・数字を見る際には、類似団体・県内・過去などとの比較が重要。
これはどの仕事でも大事。今の自分とこの数字だけ見てても、いいのか悪いのかどういう傾向なのかは全然わからない。議会としてみんなで数字を見るという仕組みは無いけど、個人で意識して見るようにしたり、執行部に資料要求する時は数値比較した資料を作ってもらうのも必要。

・決算から予算への連続性が大事。決算審査委員会を予算編成への足がかりにすべき。
9月の決算審査で細かな質疑や指摘を執行部に対して行うけれど、報告書には掲載されないし、それらが取りまとめられる機会がないのが勿体無いし。書面で取りまとめて改めて執行部に伝え、12月議会で執行部にそれらについて状況確認(予算要求に計上されているか、どのように検討されたか、計上確認されていないならその理由)するような体制は取れないか?それを経て3月の予算審議で最終確認ができれば良い。今のままだと言ってその場を切り抜ければOKで重みがない。

・総合振興計画の進捗を決算と合わせてチェックすることや、進捗状況に応じた財源がついているかを予算審査と合わせてチェックすることが重要。
・財政健全化比率の4指標について
ほとんどの自治体が赤字でなく、実質公債費比率や将来負担率のイエローカードやレッドカードの数値というのはかなり高い中で、なぜこの指標が大事なのか今まで疑問に思っていたが、この指標の目的はイエローとレッドの自治体をを特定するためでなく、地方債の信用維持のための仕組みであるという説明を受けて理解が深まった。一方でこの数値だけ見てレッドやイエローでないからと安心してはいけない。イエロー団体になったつもりで予算審議に臨むことも

・財政指標分析に関するグループ演習
こーいう演習を県内の研修でもやった方がいい。時々、松江まで呼ばれて研修するけど、内容は。。。。。。
色なん町村が集まった研修で、教育とか水道とか何かテーマを決めて細かく数字を比較・分析していくのも良さそう。

・水道事業
一般会計からMAXまで繰り入れても足らない場合が資金不足比率になる。
料金を上げて、繰入を減らすOR料金維持するために、繰入を続ける。
どちらにするのかは政策判断。
津和野はこれから水道料金の値上げが予定されているけど、MAXまで繰り入れても不足するのか?それとも他に回したいから、値上げするのか?類似団体と比較(カバー率、水道料金、繰入金)ももっと見る必要あるかも。

・今後の検討にあたってはバックキャストの考え方が重要。現在起こっている問題の対応策を検討することは重要だが、それだけでは予測が難しい未来の問題に対して対応が困難。未来を起点にして課題(今何をすべきか)を整理する。

・公共施設とインフラ(道路・橋・水道など)の更新費と維持費の負担がすごく重くなってくる。インフラは減らすということが非常に難しい中で、確実にこのままの規模の公共施設等は維持できない。公共施設等総合管理計画について議員全員で理解を深める必要あり。


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