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ブルース名盤紹介17 FATHER OF THE DELTA BLUES/SON HOUSE

今回紹介するのは、サンハウスです。

一旦音楽を諦めた後、
10年弱のブランクを経て
1965年に録音された作品です。

ハウスはブランクを埋める為、
一生懸命ギターを
練習しなおしたそう。

そのせいか、
この作品から聴かれる
彼の演奏するブルースは、
どこか「まじめ」な感じがします。

元々が教会に傾倒していたからか。
それとも一時引退したのち
真面目に働いていたからか。
あるいは、
元々そういう性格だったのか。

さて、生い立ちから書いていきましょう。

サンハウスは、
ミシシッピで生まれ、
7歳か8歳の頃、
ニューオリンズへ移住します。

ニューオリンズといえば
ジャズ発祥の地。
彼はそこで
ルイアームストロングをみたそうです。

ニューオリンズでは他の地とは違い、
バラッドが主流で、ブルースは歌わない、
と言うような事をハウスは言っていました。

当時、ブルースは悪魔の音楽とされており、
もともと教会で牧師をやっていたり、
信仰心の強かったハウスは
ブルースを嫌っていました。

その後、食べていく為に
農場で働いたり、馬の牧場で働いたりしましたが、
やはり教会での仕事に落ち着き、
肉体労働から解放される事となりました。

しかしながら、23歳〜24歳の頃、
ハウスはミシシッピに戻る事になります。
友人のウィリー・ウィルスンの
ボトルネックを使ったギター演奏に影響を受け、
突然ブルースに目覚め、
ギターを始めます。

すぐに上達したハウスは、
チャーリー・パットンや、
ウィリー・ブラウンと演奏するようになり、
その頃、若きロバートジョンソンにも会っています。

そのウィリーブラウンの死をきっかけに、
ハウスはミュージシャンを引退しました。

そしてその後、
ブルースのリバイバルによって
再発掘され、
録音されたのが今作品です。

ハウスは
リゾネーター・ギターという、
アルミ共鳴板をつけた、
独特な見た目のギターを使用しました。

これはエレキギターが普及する前、
音量増幅を目的として考案されたそうです。

このアルバムの冒頭に収録される曲、
”Death Letter Blues”

幸運なことに、我々は
彼の動く映像を見ることができます。

ぱっと見は荒々しいようですが、
その演奏はかっちりと洗練されており、
シリアスな演奏です。

”Grinnin' In Your Face”

「笑われても気にするな。
真の友達はそう簡単に見つかるもんじゃない」
と歌われる曲。

教会で説教をしていたという、
若きハウスの姿が想像されます。

今日は以上です。

ありがとうございました。

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