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ブルース名盤紹介7 BIG BILL'S BLUES/BIG BILL BROONZY#

今日は
ビッグビル・ブルーンジー
について書きます。

1925年の初録音以来、
300曲近くの録音を残した
ビッグビル。

このアルバム
“BIG BILL’S BLUES”は
1932年〜41年の録音から
集めた1枚です。

幅広い年代からの選集なので、

・トランペットを加えた
 アーリージャズっぽいバンド編成
・ギター1本での弾き語り
・ピアノとのデュオ

等、様々なスタイルの演奏が楽しめます。

ビッグビルはギターの名手で、
正統的な演奏技術の持ち主、
と言う印象です。

一般にブルースの演奏では、
拍子を突然ひっくり返したり、
ボトルネック(ビンの首部)を
ギターの弦の上を滑らしたり、

「こんな弾き方するの?」
というような独自の方法で演奏する
癖の強いブルースマンは多いですが、

ビッグビルはそういった
意表を突く部分はなく、
「普通に上手い」という感じ。

いや、といっても
無茶苦茶上手いんですけど。

ある意味、
刺激の強い音楽に慣れた
現代の私たちにとって、
ビッグビルの洗練された音楽は、
最初は少し
物足りなく感じるかもしれません。

しかし、ブルースの歴史において、
影響力や、残した録音数など、
功績は凄まじいです。

彼が活躍した時代においては、
「洗練」には大きな価値があったのでは、
と想像できます。

そう考えて聴くと、
「洗練」に覆い隠されながらも、
ついつい滲み出て来てしまう
ブルース特有の生々しい感情表現が、
癖になるようになってきます。

まずは弾き語りによる
”Bull Cow Blues”

声を荒らげず、
ギター1本で、
淡々と歌い上げて行く様子が
渋い名演です。

ミシシッピ川の氾濫を歌った
“Southern Flood Blues”

抑制されたブルース表現に、
凄みを感じます。

ピアノを加えた演奏も多く、
“BIG BILL BLUES”でも
イントロのピアノが印象的です。

"You Do Me Any Old Way"
トランペットを加えた
アーリージャズ風の陽気なスタイルも
ビッグビルの魅力です。

あらためて、
歴史に埋もれてきた音源が、
パソコンやスマホですぐ聴ける現代。
本当に素晴らしい時代だと思います。

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