相棒は魔法使い
あなたの”相棒”は今どこにいますか。
おうちであなたを待っていますか。
お仕事を頑張っていますか。
それはあなたの愛するパートナーですか。
家で待つ動物たちですか。
ずっと一緒にいる幼馴染ですか。
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わたしの愛する相棒は、ちょうど地球を挟んでわたしの向かい側にいます。
もう通り過ぎたかもしれないから、ちょっとずれてるかもしれないけど、それでもわたしの相棒は今、世界を舞台に絵を描きに行きました。
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電話でつながることができて声を聞ける
ネットワークでつながることができて写真を見ることができる
日本にいたままでも、十分に世界を感じられる
それでも、その地を踏んでいる彼女にしかない”感情”があると思う
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そんな彼女を世界一周の旅へ背中を押したのは自分だということに
人生を懸けて自信と誇りを持っている。
彼女が世界一周を旅しているということに自分を重ねているわけではないけど、
間違いなく、彼女が世界を踏んでいることは、わたしが生きる意味にもなってたりする。
過言じゃないなあ。
きっと彼女は、帰ってきてわたしに会うことを心待ちにしているから。
わたしに会ってお土産を渡すことを楽しみにしているから。
日本の国境を超えて空港に着いた瞬間に、きっとわたしの姿を探すだろうから。
わたしはここで、元気に生きてないといけないんだ。
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そんな彼女との出会いはほぼ奇跡で、学校が一緒だったわけでも、バイト先が一緒だったわけでも、共通の友達がいたわけでもない。
たかがひとつの”コンテスト”で出会ったんだ。
TABIPPOという団体の学生支部が主催している”DREAM”というコンテスト。
そこで、参加者とメンターとして巡り合った。
新型コロナウイルスが蔓延していたせいで、イベントはずっとオンラインだった。
対面で会えないもどかしさを抱えながら、16インチの画面の中で彼女と出会った。
「絵本を描くのが好きだ」という彼女に
「え、じゃあ世界一周を絵本にしたら面白くない?」
というわたしのたかが一言を、彼女は現実にしてしまった。
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こういうわけでわたしの相棒は今わたしの地球の裏側にいるんです。
1週間に数回連絡をする程度だけど
彼女がまた今日も地球のどこかで笑ってる
そんな些細なことが、地球のこっち側で泣いてるわたしのことを笑顔にできる
まるで魔法使いだ
インクの出るマジカルステッキを持って
ほうきに乗って空でも飛んでるんかな。
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でもそんな彼女は、世界一周の夢を叶えたこの舞台のことこそを”魔法使い”と呼ぶ。
2人しておんなじ魔法にかかってしまったらしい
おかしな話
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きっと彼女は、これから先何があってもわたしの味方でいてくれるんだろうな
きっと彼女は、これから先ずっとわたしのことを愛してくれるんだろうな
根拠なんてないけど、そうやって自信が持てる魔法にかかってしまっている
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わたしの夢は、誰かの魔法使いになることなのかもしれない。
放浪癖もち飽き性単位諦めがち注意散漫の限界大学生です