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チワワの中には、ふあふあがある

英語で綴ると、chihuahua。
しかしすみません、今日は別にチワワの話というわけではありません。

かつて学研が「英語図解百科事典 I SEE ALL」という、フルカラーの百科事典を出版していました。分野別編が1985年、項目別が1990年初版。これは「英語圏の文化を説明することに特化した」百科事典です。建築、動植物、飲食物、慣習、行事、神話から偉人からもうなんでも詰まっています。
例えばAの最初の本項目が「Aaron’s rod」ビロードモウズイカ。

ゴマノハグサ科の二年草で、高さは2メートルくらいまで、花は黄色、日本には観賞用・薬用として輸入され、のち野生化、現在は特定外来生物。

普通の百科事典でコンパクトにまとめるならこんな感じでしょうか。でも、この I SEE ALLでは
・なぜ「アロンの杖」なのか?(旧約聖書の民数記から、らしいです)
・英語圏で連想されるイメージ
・別名(flunnnel plant/candlewick)その理由
・昔の利用法
・その他(同名の小説があるとか、和名の由来とか)
などなど。ものによっては慣用句ことわざ成句も紹介されてます。とにかく項目のチョイスがマニアック。時計、鶏肉、野球などの普通の単語もありますが、cloisonné とかespadrilleとかrhododendronとかその道の専門家以外は知らないんじゃ?って言葉がごろごろと見出しになっていて、総項目2000以上、図版写真が3500点。凄いのは説明文中の言葉も含めて総索引が作られていて、索引項目は20000超え。
バブル崩壊よりずっと前、日本の景気が良かった頃の出版社と編集者の全精力を傾けた一冊、という感じです。多分二度とこんな贅沢な百科事典は(少なくとも紙媒体では)出ないでしょう。私は小学生の時に誕生日プレゼントとして貰ったのですが、布団にごろごろ転がりながら適当な項目を好きなようにつまみ読みして、知らない知識をスポンジのごとく吸収できたのはとても幸運でした。あまりに読み過ぎてボロボロになったので、買い直そうかと思うくらいです。
まだAmazonでは中古品が買えるようなので、百科事典大好き!という方は手に入れても絶対後悔のない本だと思います(ただし時代物なので、情報がさすがに若干古いのと、間違いもなくはないのでその部分は自己責任で)

「マヨネーズ」の写真。スイカにマヨネーズ?!とマジでびっくりした子供のてりあす。

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