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セレンディピティの鯖

serendipity:偶然の幸福

晩秋の金曜の雨の日の朝。
布団から出るのも、服を脱ぐのも、さっむーい洗面所に行くのもしんどい。こないだセッティングしたこたつに引きこもる、かたつむりならぬこたつむりになりたい。
でも、今日サボると失うものが多すぎるので、しぶしぶ出かける。
1限バイト2限授業の代わりにゼミの説明会、3限買い出し4限バイト。
そこから先はプロジェクト演習の試作。

テーマは「食育に使える(つまり、子供でも食べやすい)サバ料理」
私が出した案その1は「サバ春巻」20年以上前の料理漫画に載っていたもので、サバの切り身と大葉とチーズを具にして揚げた春巻。魚のクセは全然なく、チーズとよく合うおいしい料理。これは我が家でもよく作っていた。

そして案その2が今回のチャレンジメニュー「しめ鯖のグラタン」
もともとは山本直味さんの「温故知新で食べてみた」(主婦の友社、2013年)という、戦前のちょっと変わったレシピを集めて実際に作ってみた本の中の一品。

最初に読んだ時は半信半疑どころか「いやそれはちょっと味がアレだろう」と自分では試しもしなかった。今回本を引っ張り出してレシピを自分試作用に落とし込んでいる最中も、作っている時も、なんなら食べる瞬間まで、実食した山本さんが「意外においしい」って書いてらっしゃるんだから信用しろよ、と自分に言い聞かせつつも疑惑は晴れなかった。
……食べてみるまでは。
加熱したせいで酸味が和らいでちょうどいい感じの酸っぱさのサバにホワイトソースが絡んで、更にジャガイモのほくほく感が合わさり……おいしい。普通のグラタンより「おかずになる感」が強い。青みとしてゆでブロッコリーを乗せたけどこれもサバと喧嘩してない。

写真は撮ったけど、あっという間にみんなで食べてしまったせいで食欲をそそる1枚がない。なので気になった方は、絶版だったのが最近電子書籍化されたらしいので、是非実際に読んでみてほしい。



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