ももたろう

猫の化身 土日祝日はお休みしています。 ※無断転載禁止

短編-12. 机文・夏

 夏の机の上で思いついた話。  足を踏み込む度に、汗は生まれる。体力が形となって、この体を去っていくようだと思った。それ程大した力もないのに、今さら何がどのくら…

短編-11. 愛のあと

 ――リーヴェを、憶えている私が居る。しかし、私を憶えているリーヴェは居ないのかもしれない。日の当たる、清らかな斜光の色取る窓際は、さらに寂しく、そしてまた、そ…

短編-10. 深海

 深海に、上の光は届かないから、見えなくてもいいの。  だから姿は必要ないの。  あそこには、姿なんて、色なんて、そんなもので生きる命よりももと透きとおった命が、…

短編-9. 雨談

日食の日の思い出。  会いたい人が居る今が、わたしの未来である。時間は、雲と一緒にどこまでもひき延ばされて、そのままどこかへ流れて行ってしまう。  そういえば、…

短編-8. 茶瞳白書

 “鮮やか”を主役に、文章を書こうと思う。  空は今日、遂に鮮麗なその表情を見せた。誰もが知っている筈のこの光の風景は、それなのに今は世界で一番美しいと思った。…

短編-7. 机文

 机の上で思いついた小話。 なぞなぞ  丸い形をしたパズルがある。丸というのは、すなわち球体である。そいつは頭のてっぺんから、若い女の細いポニーテールのようなの…