家族は敵1

いつからだったか、小学校あがる前くらいから、
私には
家族は敵
という意識がずっとあった。

家にいても、安心できなかった。居心地が悪かった。
すぐにヒステリックになる母の顔色を伺い、怯えていた。
母はとにかく、いつもイライラしていた。

妹と弟は仲良しだが、激しいケンカばかりしているので、あまり関わらないようにしていた。
(小さい兄弟のケンカってすごいよね!)

父は団塊の世代によくありがちな、朝早く出て深夜に帰るという生活スタイルなので、ほとんど顔を合わせることすらなかった。
時々、休日に会っても、ものすごくイヤミなことや皮肉を言われるだけなので、会話するのもイヤだった。
優しい言葉なんてかけてもらったことなどなかった。

父について特にイヤだったのは、身体に染みついたタバコの臭いだった。
(加齢とともに加齢臭と混ざり、さらに悪臭で近づくと吐き気がした。会社の人はよく堪えてたと感心する…。私はいまも無理。)

また、母は家で父の悪口ばかり言っている人だったので、その話を信じた私は、父は最低の人間だとそのまま信じこんでいた。
(父が最低なのは、結局いまも変わらないのだが。)

母がなぜ、父の悪口ばかり子どもたちに吹きこんでいたのかはわからない。
まあ、いまさら理由はどうでもいい。

子どもごころに、なぜ離婚しないのだろう?
なぜ、そんなに嫌いな相手と一緒に暮らさなきゃいけないんだろう?
離婚してくれたほうが楽なのに。
と、ずっと思っていた。

とにかく楽しい家庭でないことは確かだ。

ドラマや本の中のような、愛のある家族や家庭は、幻想や夢物語で、現実にはあり得ないものなんだと、痛感していた。

(こんな家庭で育ったので、当然、結婚にも家庭にも憧れはなく、無意識に避けて通ってきたようだ。)

長くなったので、ひとまずここまで。

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