ウルトラマラソン入門
ウルトラマラソンとは…フルマラソンの距離=42.195キロを越えるマラソンを総じて呼ぶものなのだそうで、50キロや70キロといった距離も含まれるが、一般的には100キロという距離のマラソンを意味することが多い。
フルマラソンを完走したら、次はウルトラマラソン…そんな思いを抱いているランナーは少なくはない…知らんけど(笑)。
日本で最初にウルトラマラソンが開催されたのが北海道のサロマ湖で、今や100キロマラソンのメッカ。
私自身も1989年に100キロ初チャレンジしたのがこのサロマ湖100キロマラソンだった。
フルマラソンと同じような感覚でスタートラインに立ち、それまでの練習もせいぜい一度に30キロほどで月間200キロ程度の走行距離。
結構いいペースで前半走り続け、フルマラソンポイントを3時間30分ちょっとで通過。
このペースなら8時間半のゴールタイムが狙えるとたかをくくっていたが、70キロで脚がけいれん…立ち止まり、動けなくなり、ストレッチとマッサージで復活して何とか走り出したものの、ペースは大幅にダウン。
予定より1時間も遅い9時間半のゴールとなった。
ここでまず学んだことは…「100キロはフルマラソンと違う」ということだった。
フルマラソンはレースという感覚で走ればいいのかもしれないが、100キロはレースではなく、むしろ「旅」なのだという認識が必要。
どういうことか…?
タイムやスピードを競うのではなく、むしろ楽しみながら移動するということ。100キロの過程に起こるあらゆるものを受け入れてそれを楽しむことなのだ。
スピードは、関門に間に合うぎりぎりのレベルで…。もちろんタイムや記録にこだわりたい人はそうすればいい。
ただ、これだけの長い距離を走るのだから、ただ苦しい…だけではあまりにももったいない。せっかく高額な参加料を払うのであれば、時間を目一杯使ってとことん楽しまなければ…。
歩いてもいいし走ってもいい。立ち止まって写真を撮ってもいい。同じペースで走る仲間と言葉を交わしながら走るのもいい…。ゆったりまったり走ることで、気持ちに余裕ができる。
サロマ湖初挑戦の翌年、第1回阿蘇カルデラスーパーマラソンで100キロ走ったが、気負うことなく走って9時間16分という好タイムが記録できた。
コースはアップダウンの厳しい山岳マラソンのようなところ、この時にサロマ湖を走っていたら8時間台でゴールできたのではないかと思っている。
サロマ湖100キロへの挑戦は、その後の自分の走りを変えた。
また、ウルトラマラソンと出会ったおかげでアドヴェンチャー・ランナー高繁勝彦は誕生したといってもいい。
苦しむために走るのではない、楽しむために走る…
ウルトラマラソンはそこからスタートする。もちろん走っていて苦しいことは山ほどある。でも、その苦しみさえ楽しいものに変えていけるからウルトラマラソンは面白い。
言ってることの意味が分からないランナーも、走ってみれば(ウルトラにハマってみれば)いずれ分かるはず…(笑)。
*アドヴェンチャー・ランナー高繁勝彦のメルマガ「週刊PEACE RUN(第612号)」から
https://www.mag2.com/m/0001510910
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