「世話焼きは、勇気くじきである。世話焼きは『どうせ無理でしょ』と手を貸すこと。勇気づけは自立させること。『きっとできる』と見守ること」
アドラーとの思い出
フランク・バボット婦人はアドラーに関する思い出をこのように語っています。
「アドラーは小さな息子を本当に丁寧に、息子が自分はとても大事にされていて自分に能力があるのだと感じられるように、扱ってくれました。アドラーのオフィスで、わたしは、息子がコートを脱ぐのを手伝おうとしました。このときアドラー博士は、すぐに私を注意しました。それでわたしは気がつきました。小さなフランクは今や大きくなって、自分で何でもできるようになっているのだ、と。こうして自信を持った息子は、内気なところがしだいに消えていきました」
見守ることが最も重要
アドラー自身が患者を勇気づけたエピソードです。
アドラーは患者だけでなくその親や教師に対する教育を重視しました。
彼ら彼女らが子どもを甘やかさずに課題を与え、手出し口出しせず見守ることが最も重要であると考えたからです。
本当に欲しい物は自分の力で手に入れろ
藤原家では子供たちに欲しいものがあったら、それがどれだけ必要なのかを、繰り返しプレゼンして親を納得させる必要があります。
親が納得して購入の許可が出たとしても、親がお店に行って買ってきてくれるわけではありません。
欲しい物が売っているお店を、自分でリサーチして、お金を握りしめてそのお店に自分で買いに行くのです。
自律を促すミッション
お店に着いても、店員とのやりとりは親は一切口を挟まず、万が一に備えて見守っているだけです。
数々の課題をコンプリートして、はじめて欲しかったものが手に入るのです。
やればできる
こんなことも自分の力でできるんだ、と思ってもらえれば、このような成功体験の繰り返しで、自己効力感が上がり、自立の道に進んでいくでしょう。
良かれと思っても、自分でできることは手を出さずに、見守る勇気を持ちましょう。
どうせ無理でしょ、と手を貸すのではなく、きっとできるはずだと見守ることがとても大切な接し方です。
世話焼きは本当の愛情ではない
「世話焼き」は本当の愛情とは呼べません。
それは勇気づけではなく勇気くじきです。
なぜならば、世話を焼くということは「経験から学ぶチャンス」や「課題解決の訓練の機会」を奪うことだからです。
勇気づけとは、相手にできるだけ機会を与えること。
できると信じて見守ることなのです。
世話焼きをやめよう。できるだけ信じて見守ろう。
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