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「『もしもAだったらBしたのに』は人生の嘘である。順番が逆なのだ。『Bでの失敗を避けるためにAを創り出した』のだ」

失敗したくないから病気になる

「もしも病気がなければ(健康であったなら)仕事を頑張れれたのに…」

これは「人生の嘘であって虚構である」とアドラーは言いました。

本音は「仕事で失敗をしたくない。だから言い訳として病気を創り出し利用しているのだ」と言うのです。

人はなぜ神経症になるのか

「AだからBできない」のではなく、本当は、Bに挑戦して失敗したくないからAという「見かけの因果律」を作っていると言うのです。

アドラーは心理学者なので、ここで言う病気とは「神経症」と解釈することにします。

なぜなら、失敗したくないから癌になる人などいないからです。

失敗したくないから、神経症を創り出すという論理はある程度理解できます。

しかし、仕事による過度な心労により、自殺にまで至るケースもあります。
失敗したくないから自殺するのでしょうか?

もうこれ以上仕事を続けられず、いよいよ追い込まれ、現状から抜け出すには自ら命を絶つしかない、という究極の選択なのだと思います。

過労自殺も神経症なのか?

過労自殺も「見かけの因果律」だとされてしまうと、自殺しても自殺した本人に責任があることになってしまいます。

労災認定などありえないという話しになってしまいます。

ここまでくると神経症の域を超えて、「うつ病」に起因する自殺だと考えられます。

発症前2か月間ないし6か月間にわたって、1か月当たりおおむね80時間を超える時間外労働(1日8時間勤務で1か月の労働日を20日として月160時間の労働とする。1日4時間の時間外労働をして、1日12時間勤務が続く状態。又は労働日の20日各2時間の時間外労働と、1日10時間勤務で4日の法定外休日出勤という1日10時間勤務が続く状態、1ヶ月の総労働時間が240時間)が認められる場合。

あるいは、発症前1か月間におおむね100時間(1日8時間勤務で1か月の労働日を20日とすると。1日5時間の時間外労働をして、1日13時間勤務が続く状態。又は労働日の20日各2時間50分の時間外労働と、1日10時間50分勤務で4日の法定外休日出勤という1日10時間50分勤務が続く状態、1ヶ月の総労働時間が260時間)を超える時間外労働が認められる場合をいう。

上記は国が定めている過労死ラインです。

セルフチェックしよう

安易に神経症を言い訳にするのは「劣等コンプレックス」かもしれません。

しかし、過労死ラインを越えて仕事をしている場合は、今にでも命にかかわる危険な状態です。

今の自分の働き方が、過労死ラインを超えていないか、セルフチェックすることもとても重要です。

もし、超えていたら、自分で抱え込まずに誰かに相談しましょう。

身近に相談できる人がいなければ以下の「ほっとライン」に相談するのも一つの方法です。

自分の命を守ることを最優先しましょう。

「AだからBできない」と口走ったときは気をつけましょう。


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