マガジンのカバー画像

小説 「つくね小隊、応答せよ、」

64
第二次世界大戦末期。 東南アジアの、とある島。 米軍の猛攻により、日本軍は転戦(撤退)し続け、日本兵たちは、ちりじりに離散した。 そんな中出会った別々の部隊の若い日本兵の3人、…
運営しているクリエイター

#note

「つくね小隊、応答せよ、」(壱)

昔々、あるところに一実坊弁存という旅の僧侶がいました。 弁存は旅をして、仏の教えを人々に…

「つくね小隊、応答せよ、」(弐)

「艦砲射撃っっ!!!!」 叫んだと同時に、3人別々の場所へ飛び、伏せた。 きゅるるるるる…

「つくね小隊、応答せよ、」(参)

艦砲射撃の爆発で、土の中からはるばる飛んできたモグラ。そのモグラに串を刺し、火でじっくり…

「つくね小隊、応答せよ、」(四)

その3つの影を見て、恐怖が弁存を包みました。 みっつの影は、薄くぼんやり白く光っています…

「つくね小隊、応答せよ、」(伍)

「…で?娘は、食われたのか?」 夜の闇の中で、仲村が訊く。 「ああ、そうだな。食われた。…

「つくね小隊、応答せよ、」(六)

光前寺は、信州駒ヶ根の山の麓の寺です。苔むす石垣と林の中の石畳。その長い道の先に、本堂が…