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やはり、ラムちゃんについて書かねばなるまい

さて、私は俗にいう「る~みっくわーるど」すなわち、けも先生(高橋留美子)の世界観に感化されてヲタ活を始めました。それも「うる星やつら」のアニメ(81年版)の影響が大きいですね。
とはいえ、それも40年近く前の話になります。当時は小学生高学年でしたが、いわゆるガンダムやマクロスといったロボット作品は、当時の男児ならば通らねばならぬ道だったのですが、そこに「うる星やつら」というラブコメ作品のアニメが突然登場し衝撃を受けたのでした。いったいこれは何なんだ…というわけで興味を持ったわけですね。
むろん、他方で「ミンキーモモ」や「クリィミーマミ」を視てる兵(つわもの)男子wもいましたが、そういった魔法少女物とも違って、とらえどころのない“謎”アニメという印象が強かったです。

しかしながら、虎縞ビキニの姉ちゃんが飛び回る…というだけで、お茶の間にはふさわしくなさそうですし(←小学生的に背徳感はそそられる)、当時の水曜19時30分はNHKで「連想ゲーム」という人気番組があり、両親がチャンネルを譲らなかったこともあって、なかなか視ることができなかったのです。
なので、実際のところ、うちは旅館ですから空いた客室で自腹を切って視ていました(※昭和の旅館あるあるだが、テレビは1h、100円入れないと映らないというシステムでした、小学生にはつらい出費…)。

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やがて中学生になると、自室&TVのコンボを手に入れることで、自由に視ることができるようになるのですが、このころ(83年以降)になると81年に始まったアニメも後半期に入ってきます。コミックのネタでいうと20巻以降くらいでしょうか。
内容は各キャラが出そろって、それぞれの役割を担うパターンの確立し、それに伴ってドタバタ展開という形になっていきますなっていきます。現在の一話完結型のギャグ系深夜アニメの雛形がそこに見えます。そういう意味で偉大な作品のさらに重要な時期だと思うのですが、それも面白さあってこそ、ということで当時は大変ハマっておりました。
wikiをみると、当初の押井守チーフディレクターの敷いた路線の前期が顰蹙を買っていたとの記述があります。
ただ、個人的な記憶をたどると、そうした初期の路線を愛する方々も多く、結果的に後半の展開も賛否両論だったように思います(…ということも、のちに“る~みっくサークル”という一連の同人活動に手を染めることで知り得た知識ではありますが)。

当初のチーフディレクターは、スタジオぴえろの社員であった押井守。押井によると、スタジオぴえろは『太陽の子エステバン』と『まいっちんぐマチコ先生』に主力スタッフが割かれ、制作デスクすらいないという状態で制作が始まった。放映当初は「原作との違い」などを理由として原作ファンから、カミソリの入った抗議の手紙、罵詈雑言の録音されたカセットテープが多数寄せられ、押井の降板話まで浮上した。しかし、3クール目から体制を立て直し、文芸に制作進行だった伊藤和典を抜擢、アニメーターに自由にやらせたことから、森山ゆうじや山下将仁、越智一裕といったメカも描ける当時若手の実力派アニメーターが集まるようになると制作に余裕ができて、次第に評価は上向いていった。

https://ja.wikipedia.org/wiki/うる星やつら_(アニメ)

上記は“実力派アニメーター”という書き方をしていますが、そうやって集まった皆が好き勝手にやりだした印象もあり、それぞれの作画監督の違いを楽しむような風潮ができていったのも特徴的です。
一話完結のギャグ物としてのディティールと主要キャラが立っていたからゆえの実験場的雰囲気と言ったらいいのでしょうか、当時はそうした面も興味深く、とにかく毎週楽しみにしていました。
その作監サイドで具体的に名前をあげていきますと…、遠藤麻未高田明美南家こうじ古瀬登山崎和男西島克彦森山ゆうじ平野俊弘、四分一節子、林隆文、土器手司…といった冗談みたいな面子に彩られているのがわかります(なお、名前があがってない一部の方は単に好みじゃないのであえて…)。
そもそも、この時期は、いまでいう“萌え絵”の過渡期なので、演出も含めいろんな試みが繰り返されていたともいえますね。とくにキャラデザ的な意味で土器手氏の手がけた劇場版4作目(「うる星やつら4_ラム・ザ・フォーエバー」)のラムちゃんは“アニメにおける萌え絵の完成形”とまで思っていました(まぁ、実際はそんなことはなく、のちに後藤圭二や堀口悠紀子などにも個人的には驚愕させられたのですが。また、この映画自体は話が破綻していたため評価は低いです)。
ただ、こういったことがあったからこそスタッフ(あとキャストも)を憶えていくと…いうヲタ活の一端に染まり始めるわけです。

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さて、それをふまえて、現行のノイタミナ「うる星やつら」を語ってみましょうか。
そもそも、もうすぐ1年もたってしまうのですね…小学館の創業100周年を記念して、『うる星やつら』を完全新作として再びアニメ化することが発表されたのは。何の前触れもなかったからただただびっくりしたのを覚えています。
この発表は今年のお正月にあったのですが、年内にやるとしか触れられていなかったので、まぁ春はないにしろ夏アニメか秋アニメだろうと予測はされていましたね。問題は内容で、昭和末期の時代性が色濃い作品なので、そこをどうカヴァーするのかは界隈で不安がられていました。
結果、極力原作そのまんまで制作されたので、前アニメのムチャクチャさを知る身としては、むしろ炎上覚悟で令和的アップデートしても良かったのではと思いました。現代風なのはOPに込めましたというのは良いアイディアではあるのですが、このノリのまま視たいと思わせる“創り”なのは皮肉です。
そして新しくなったラムちゃんも、けも先生のコミック版後半のカラー絵よろしく緑を主体としつつも、きらびやかなレインボーカラーで髪が表現されています。しかし、あの土器手先生の流れるようなピュアグリーンが懐かしいのも事実…まぁ、あんまし言うと単なる爺の戯言になっちゃいますから、ほどほどにします。

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あとは、声優のキャスティングですか…。これはこだわりがあると大きな火種になってしまう大問題ですね。旧作の時だって、ランちゃんが井上さんから小宮さんに代わったとき、どっちがいいだのなんだので一部同人界は荒れておりました。
ただ、個人的に考えて今の人でやるなら、すみぺ(上坂すみれ)しかいないと思っていましたから、ラムちゃんに関しては大正解で文句なしなのでした。さらに男性陣の神谷&宮野も恐ろしいほどに納得(←いろんな理由・背景があるのだけれど、長くなるので割愛)。内田真礼さんは元々しのぶのようなキャラを演じることが多い気ががするのでこれまた違和感なしです。沢城みゆきさんは今となっては難しいとこは皆彼女に任せればおk的立位置の大御所になっていて、しかも昨今はお色気系が強いゆえこれまた正解です。
…っていうか、いちいち各キャラが自分の考えるところに近かったので、たぶんこの企画にかかわった偉い方が私と同じような世代で、かつ10年位前に活躍していた声優さんに思い入れがあるのだと思われます。

したがいまして、22年版アニメをトータルに視ますと文句はないのですが、文句が無いのが文句というか、無難すぎます、そんな感想が残ってしまうのでした。

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そういえば昨日、EDの「トウキョウ・シャンディ・ランデヴ」歌ってる花譜さんが、「ラムのラブソング」をカヴァーしていましたな。
アニメ自体が何もかもノスタルジックな昭和のノリで、おっさん世代を狙ったのは結構なのですけど、やっぱり若い人にも見て欲しいという部分で、バーチャルアーティストとして初めて武道館公演を成功させた花譜さんを起用するというのも実にいい戦略だと思いました。

なんにせよ4クールやるといってるわけですから、まだまだ続いていくわけです。
こうなったら少し休んでから第二期、さらには三期もやって、最後ちゃんと「ボーイミーツガール」で占めてくれれば文句はありません。副次的要素ですが、かつてのように同人文化も華やかになったらうれしい…かもね♪ 今の自分がどこまで関われるかはわかりませんけど。


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