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「もってけ!セーラーふく」考

先日ツイートされたニュースです。

アニソン…という評価軸の中で、かなりエポックメイキングな出来事が、この曲「もってけ!セーラーふく」の発売でしょう。
この2007年というのは、声優本人が歌うアニソン、キャラソンが成熟していった過渡期といえる時代です。そして、そのスタイルで、それなり大きなビジネスとして確立していった時期とリンクします。
いやいや、90年代だって國府田さんやへきるんがいたじゃないか…という意見もありましょう。そうはいわれましても、あくまで彼女たちの活躍は局所的なものだったのではないでしょうか(そもそも、あーやさんと違って声優あんましやってなかったんじゃないかい)。
前にも話しましたが、チャートに反映されるという意味合いでは、武道館をソールドアウトにしてもなかなか世間には届いてなったりします(昨今だってラブライブやアイマスデレマスがドームを埋めプラチナチケット化していますが、一般的に認知されているかは別問題でしょう)。

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…話がそれてしまいましたが、アニソンがこのころを前後して、まっとうに注目されるようになったのならば、製作サイドも手を抜かない…俗にいう“やっつけ仕事的なもの”が以前よりも減ったていったのは事実でしょう。
そして、サントラサイドと違った意味で製作陣が“遊び”や“実験”もでき、故にファンサイドも一風変わった楽曲に惹かれていくという、お互い実に楽しく充実した「循環」が形成されていったようにも思います。
ゆえに、結果的にオリコン週刊チャートで2位となった「もってけ!セーラーふく」は、そんな時代の空気感を象徴する曲だと思っています。

この曲を作曲編曲したのは神前暁、作詞は畑亜貴です。もともとおかしな曲ではあるんですが、この中毒性のある歌詞あってこそという感じで、実にハマっています。
さらにはOPアニメーションは、音に合わせた主題歌作りには定評のある、京都アニメーションよる渾身の衝撃作となっております。
正直、認めたくはないのですが、これは“あの方”が主導(絵コンテ、演出)で作ったんですよね。監督にふさわしいかはどうかはともかく、のちのち他の作品を視ても、OPだけは神懸かり的なので、その点ではいつも感服するのですw 
もっとも、ナムコ退社後の神前氏を京都アニメーションが重用したのは、その方と氏が高校大学と同窓だったのも少なからず影響していたでしょうし、 初監督作品のOPに抜擢したことも含め、世の中の不思議な“縁”を感じずにはいられません。

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ちなみにウィキの解説をみると「作曲のベースになっている物は、ファンク的な要素にテクノの手法を掛け合わせ、サビの部分でブリティッシュ・ロックを取り入れた楽曲となっている」とあります。
うるさいくらいの尖がったベースは、変態ファンクの範疇だとは思うのですが、ブリティッシュ・ロックとはこれいかに。
これは神前氏本人のインタビュー読むと何となくな感じで理解できるんですが、「当初のデモはTHE STONE ROSESやBLURぽかった」という発言があります。リズムを重視したマンチェなノリを出発点として、カットアップしていったのですね。←ブリティッシュ・ロックと聞くとつい、ゼップやパープルに持ってく私の悪い癖が出た(-_-;)

そんなわけで、15年たっても全く色あせないどころか、その個性がますます際立つ、まさに“平成の名曲”「もってけ!セーラーふく」。永遠に推していくのを確認をしつつ今回の記事終了です。なお、神前氏についてはまた別に紙面を割いて考察したいと思います。




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