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「黒い象」向き合う株主 感染症や気候変動のリスク直視 コロナと資本主義 再生への道

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO66775510Y0A121C2SHA000

【語句おさらい】

ブラックエレファント(黒い象)
└既知のリスクが災いをもたらすこと。
└「エレファント・イン・ザ・ルーム」(明白なリスクが無視されている状態)と「ブラックスワン」(想定外の危機)をミックスした新語
└リーマンショック(返済能力のない人々に住宅ローンを供給し続けてバブル崩壊)、コロナ(潜在的な損失の0.3%である感染症の毎年の対策コストを懸念)

【背景】

・製薬業界による感染症対策は長らく停滞していた。グローバル化における感染症の世界的流行リスクは、予測されていたものであった。
└世界の製薬大手20社の研究開発のうちエボラ出血熱など新しい感染症を対象にした案件は約1%
└感染症は突然変異や不意の収束など不確実性が強く、研究開発や設備投資が無駄になる恐れ。株主は目先の業績拡大を求め、製薬業界では感染症事業が縮小していた

【事実】

・株主の声がワクチンスピード開発を後押し。
世界の製薬会社に向けての合同声明「(新型コロナ用の)ワクチン開発にもっと投資を。財務上の利益の優先度は2番目だ」
特許情報や製造能力の共有などを求めた

【結果】

・製薬会社のワクチン共同開発が促進。

・ハイスピードでの新型コロナウイルス用ワクチンが完成が見えてきた。

【So what】

・短期の利益に執着し、そこにある危機から目をそらし続ければ結局、投資家は大きな損失を被り、社会への損害も増える

・未来から今を見て、起こりうる課題に対して先手を打つ必要性が、新たな価値観として資本主義社会に生まれているのかもしれない。

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