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中国データ圏、米の倍に 勢力図が逆転

【語句おさらい】

・スプリンターネット:splinternet
splinter(分裂した)とインターネットを組み合わせた造語。インターネットの国家による分断の意味。データを囲い込むことで、政府は自国内のネットを管理しやすくしている。

【背景】

・2019年、国境を越えて流通する「越境データ」量において、中国が米国の二倍になった。
└中国本土と、本土への情報通信の出入り口となる香港を合わせると、世界全体のデータ(約4億8566万Mbps)の23%を占める。
・アジア新興国やロシアの拡大も著しい。日本との格差も開いている。

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【事実】

・世界中から越境データを多く集めるほど人工知能(AI)やIT(情報技術)の開発で優位に立て、経済競争力が高まる。

・米中欧の3つの情報圏で、データ摩擦が起きている。新興国の中には規制を強化し、データの囲い込みに走る動きもみられる。 
└米中はお互いに、ネットサービスやネット企業を締め出し。(米国によるTikTokへの圧力、中国によるグーグルやフェイスブックの締め出しなど)

【結果】

・スプリンターネットが進むと、自前でデータを調達できる国ほどAIやアルゴリズムを進化させやすくなる。技術開発や経済成長が人口頼みになる

・新たな資源としてのデータを巡る摩擦や分断が進めば、世界の情報流通が滞りかねない。

【So what】

・国を超えたデータ流通が、ネット社会の強味であったはずなのに、スプリンターネットによって、情報の流通が偏ることにもなる。

・同じものを見ていても意思疎通は簡単でないのに、見ているもの自体が全然違ったとなると、思うことも意見も全く別物になるのだろう。

・世界規模での脅威がいくつも訪れる中、国を超えて共通の問題を解決していくことはできるのだろうか。

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