入院に際してのお知らせ

「あなたの入院は、あなたの同意に基づく、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第20条の規定による任意入院です。」

入院している自分が一番不思議に思っているが、今おれは精神科に入院している。
本来であれば「開放病棟」というところに入るはずだったんだが、病棟が無いという理由で「閉鎖病棟」というところに入れられている。
男女によって棟が分かれていて、おそらく北が女性、南が男性になっているんだと思う。

閉鎖病棟(へいさびょうとう)とは、精神科病院で、病棟の出入り口が常時施錠され、病院職員に解錠を依頼しない限り、入院患者や面会者が自由に出入りできないという構造を有する病棟である。(wikipediaより引用)

入院生活も今日で5日目を迎え、夕ご飯を食べ終わり、病室のベッドに座りながらiPhoneと睨めっこをしている。

携帯の持込が可だったのが不幸中の幸い、というか本当に良かった。2022年で良かったことランキング上位に入るくらい良かった。
なにしろ1日中やることがない。
想像はしていたけど、想像以上にやばい。

人生で入院は2度目で、1度目は去年の4月、新型コロナウイルスに感染した時だった。
その時はパソコンも持込可能だったから良かったんだが、今回は精神科だ。
持込出来るものはかなり限られている。
主に金属がダメらしい。あとお菓子。おれの場合、通信機器は1つまで持込可能だったので携帯は大丈夫だった。

いや、ほんとに携帯の持込だけでも許されてよかった。
入院生活一番心配だったのが禁煙だったけど全然余裕だった。禁酒もチョロい。早寝早起きも強制なんだが全然辛くない。
何が一番やばいかって言うと退屈。これがまじでやばい。
まず話し相手がいないっていうのがやばい。
体温を測りに来たり、薬を持ってくる時に交わす看護師さんとの1〜2言程の会話しかない。多分ここ5日で140文字も喋っていないと思う。やばい。
SNSで発信することも特に無い。毎日のご飯の献立くらいだ。それくらいしか発信することがない。やばい。
退屈に殺されそうになるし、退屈で頭がおかしくなる。そのくらいやばい。退屈、やばい。

朝は6時に起こされ、体温を測り、8時に朝ご飯が運ばれてくる。ご飯のおぼんには「南 太田基輝」と書かれている。
特に何をするでもなく、ただボーッとベッドの上で過ごしていると12時に昼ご飯が運ばれてくる。
3食まともに食べる生活をしていなかったので、朝ご飯と昼ご飯のインターバルの短さに驚いている。

1時間に1回程、体温測定や、居場所の確認をされる。
同じ病棟に、認知症の老人や重度の精神病を患った方々がいて、基本的には廊下を徘徊している。変に絡まれて問題が起きるのも嫌なのでずっと病室に引きこもっている。

病室は個室で、中から鍵が掛けれるようになっているんだが、稀に自分の病室が分からなくなった患者がガシャガシャと音を立ててドアをこじ開けようとしてくる。久しぶりに”恐怖”というものを肌で感じている。本当に怖い。

あと、同じ病棟の個室から毎日「誰か〜助けてくれ〜」という叫び声が定期的に聴こえてくる。いい加減誰か助けてあげてくれ。

16時までにシャワーを済ませなくてはいけないのでシャワーを浴びる。
シャワー室や浴室も勿論のことだが常に施錠されている。ナースコールでシャワーを浴びたい旨を伝え、シャワー室の鍵を開けてもらう。
髪の毛を乾かす時も同じくナースコールで髪の毛を乾かしたい旨を伝える。
そうすると看護師さんが部屋までドライヤーを届けてくれる。「使い終わったらナースセンターまで返却お願いします」と言われるんだが、借りる時もナースセンターに行けばいいのか、その辺の仕様がまだ分かっていない。
ただ、ビショビショの髪の毛でナースセンターまで行くのは少し恥ずかしい。

ちなみにナースセンターはおそらく北棟に位置するのでその道中で認知症のおばあちゃんたちに毎度絡まれている。正直何を言っているのか分からないので、なんとなく相槌をつき、なんとなくその場を凌いでいる。ヨボヨボのおばあちゃんたち、かわいい。

高校の頃から慢性的に不眠症で、月に1回心療内科に通っているんだが、先月のカウンセリングでの「入院しませんか」と言われ、ギョッとした。
そうか、おれはもうとうとうそこまでやばい人間になったのか…
と泣く泣く入院を了承しようかと思っていたところ、よくよく聞いてみたら、薬の内服の調整、生活リズムの矯正とのことらしい。
(本当の理由は本人には知らされず、実は精神疾患がやばすぎるからコイツはもう精神科にぶち込もう、みたいな企みがあるような気もする)

外来だとあまり長い時間診察が行われる事はないけど、入院の手続き中に1度、入院中に1度、長めの診察をしてもらった。
まあ病名まで書き記そうとは思わないけど、要約すると「生きるのが上手じゃないですね。」みたいなことを言われた。その通りだし、そんなことは分かっている。
まあ、ただ改善の糸口として、生活リズムを治していきましょう。みたいなことなんだと解釈している。

最初の診察の時に精神科の入院は大体3ヶ月くらいを目安に〜って言われて愕然とした。ため息も出なかった。

ただ、やりたいこともやらなきゃいけないことも沢山あるので、なんとか今月いっぱいにしてくださいとお願いした。
まあ最早限界が近づいているので早めに出してもらえるようお願いしたいところなので明日あたり少し話をしてみようと思う。

戦争や疫病や地震、色々ありますけど、みなさんも心身どうか健やかに過ごしてください。ぼくも健やかに生きれるように生きていきます。

退院したら美味しいご飯と美味しいお酒が飲みたいです。

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