ひっそりと、ももクリ2021感想

ももいろクリスマス2021/12/8(水)
CONTRADICTION
マホロバケーション
ロードショー
HOLIDAY
今宵、ライブの下で
PLAY!
Chai Maxx
全力少女
仮想ディストピア
サンタさん
Zの誓い
空のカーテン
buttobi!
真冬のサンサンサマータイム
デモンストレーション
天国のでたらめ
BIONIC CHERRY
モノクロデッサン
走れ!
月色Chainon
~アンコール~
猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」
境界のペンデュラム
白い風

12.8。ももクロ二年ぶりの大箱コンサートに行ってきました。今回はたまたま非ノフの方と一緒に行きまして、終わってからあれもこれも語りたいのだけれど、感想戦も憚られるご時世ですので、その方への解説です。ていうか、とにかくずっと泣いていたのを見られていて、その何も無い箇所でなぜ泣く?と思われたと思うので、泣きのその言い訳です。

では。

会場に入った瞬間からうっすらと、あれ?これなんだっけ?って思ってたんですよね。古参は気がついた人が多かったんじゃないか。僕はオープニングテーマが始まって気がついた。PRIDEのテーマソング。これは、見たことあるぞ!そして一人ずつせり上がってきて、ビジョンとシンクロしたパフォーマンス。あ~!、これ、ハナブサじゃん!2011のオープニングを手がけた、enra主催のハナブサノブユキさんが10年前に手がけたオープニング。そう思えば、と、会場入りしたときの既視感、これはモモクリ2011のセットと同じなんじゃないか。僕自身はそのコンサートには参加していないので、ライブDVDで見たことしかないんだけれど、目の前のそれはあの何度も繰り返し観たDVDの中にあった空間なのでは?

既にこのあたりで大粒の涙を流していましたが、そういう理由です。2013年頃にファンになったとき、何度もこのDVDを観ながら、この現場にいたかった!あと二年見つけるのが早かったら!と絶対に叶わないと思っていた夢が、今叶った!みたいな。(かといって、実は2011に知っていたらファンになったかどうかはわからないのですが。)

1曲目はコントラディクション。もうこの曲で確信です。2011の1曲目と同じ曲。今日のテーマは、2011の再現だ。彼女ら以外に誰もいない、何もない小さいステージも、そこから伸びる何の飾りっ気もないセンターステージも、センターステージの真ん中にあいている穴も、全て理解した。そういえば観客数もざっと見渡すと5000人ほど。アリーナモードだけれど、コロナ対策のためにまばらに席のあいた客席は、おそらくそのくらい。彼女らの確変はここから始まったんだな、って。

2曲目のマホロバケーションで、全く当時のままやるわけじゃないってことはわかった。しかし、目の前にあるのは彼女らの歌とダンスだけ。バンドも、アトラクションも、ゲストもなしで(アンコール除く)、ひたすら歌とダンス。あら、連れて行った非ノフさんはこれに満足してくれるんだろうか?ももクロのライブと言えば、テーマパークのアトラクションのような、派手な演出、こてこてもりもりのパフォーマンス、そんなのを期待してたら、これで耐えられるかな?と、ちょっと心配した。

それは、ファンにはわからないです。うちらはこの演出のすべてに、これまでの歴史が詰まっているから。でも、それ無しで、始めてももクロのコンサートを観た非ノフさんはこれをどう感じるんだろうか?彼女らの歌とダンス「だけ」で、満足できるんかな?

その意味で、ロードショー、HOLIDAY、PLAY!と、わりと最近の曲が多めだったのは良かった。いうても、当時の曲はやっぱアイドルアイドルしてて、全力少女とか、チャイマとか、サンタさんとか、音楽的にはちょっと怖いのが多くて、でも最近の歌は玄人好みというか、オトナっぽいというか、音楽的にも一癖あるので、そのあたりは気に入ってもらえただろうか。

Zの誓いは「聴いたことある!」、そうそう、それはドラゴンボールZの曲なんです。ちょっとアレンジ変わっちゃいましたけど。歌詞が全部字幕で出ているので、それはけっこう見てましたよね。めっちゃメッセージ性強いです。この10年いろんなことがあって、彼女たちにも、私たちにも、ファンの一人一人にも、辛いことや苦しいことが沢山ありましたけれど、そのたびにこの歌詞が、壊れそうになるファンの心を支えていたんですよね。

「空のカーテン」は、モモクリ2012で披露された曲。ヤバイでしょ。冬にこれはヤバイです。SPEEDでいうところの White Loveですね。冬の泣き鉄板曲。恥ずかしくてこれ以上言及できません。オトナになってしまったら、もうこんな時代は戻ってきません。オトナになったら歌えるんだろうか?って思っていましたけど、オトナになったらさらに表現に磨きが掛かって鉄板中の鉄板になってしまいました。この歌の中では、彼女らは永遠の17歳です。

buttobi!は桃鉄コラボで、最新曲かな。プロモーションのプレイ動画があるのであとでお教えします。2時間くらい、ただだらだら彼女らが桃鉄をプレイするのを見ているだけの動画です。が、おそらくファンは一旦再生したら最後まで止められません。麻薬です。曲自体は微妙。

デモンストレーションは清竜人に作ってもらった曲。めっちゃ清でめっちゃ好きです。オールユニゾンのサビとかトリハダぶわーたって泣けます。

天国のでたらめはミュージカル用に書かれた曲で、作詞作曲が志磨遼平さん。死んでしまった友達のことを忘れたくなくて、亡霊になってさまよう主人公が、最後は成仏してみんなを忘れてしまう話。それと歌がシンクロすると泣きます。

Bionic Cherry は2011でやった曲。時折挟まれる当時の曲、DVDだとピッチ調整されているのでちゃんと歌えているマシンボイスですが、おそらく当時はバタバタだったでしょうね。それが今は、生でここまで歌えるようになっていて、ピッチも安定したし、声の深みも増したし、テクニックもけっこう身につけたし。また、ダンスも当時のパタパタしたのからすげ~しゅっとして、10年の洗練を感じます。ドヤ顔が見えます。

ももクロって、歌だけ、ダンスだけ、取り出して他のプロたちと並べたら、やっぱ見劣りするんですよね。新妻聖子さんとかMayJさんとか、そういうバケモノ達と比べて、いや、バケモノでなくても、ハロプロの皆さんとか、若くてもクッソ歌うまな人は沢山いて。ダンスもそう。プロのダンサー達と並ぶと、そこだけ比べるとやっぱ違うな、って、客観的には思う。でも、それら全部ひっくるめて、歌もダンスも、演技はあまりないけど、お笑いも、トークも、ガチの大衆演芸全部盛り。そういう意味で、嵐とかSMAPなんかと同じ、目指すところは「最強のアイドル」。

モノクロデッサンは、5人時代の自己紹介ソング。なのだけれど、一人減って、リアレンジされました。5人のときは、「どの色が欠けても、この夢の続きは描けないから」と歌っていた部分が、一人減って、「どの色が欠けても、この夢の続き描けてないから」に。

泣くでしょ?

2011は五人で立っていたステージ。そこから一人減って、四人になった2021にこの歌を、このバージョンで持ってきて、忘れてないぞ!って言ってるのかな。

変わってしまったのはファンの方。緑を禁忌にして、緑を身につけている人がいたら迫害される。ファンが、背教者ユダを生んだんです。

走れ!はライブ終盤のド定番曲。映画のエンディングでした。エンディングで光を全て落としてペンライトだけにする演出も定番です。2011もこの曲で終わりだったかな、と思ったら、2011ではこれやってなかった(笑)。で、この曲で本編終了かなと思いきや、シャノンが入りました。セーラームーンの主題歌が最後でした。なぜこの曲がここに来たかちょっとわかりませんが、走れ!でエンディングがベタすぎだったからかも。

ももクロのライブはお家に帰るまでがライブですが、ももクロのライブはアンコールがあるのがライブです。そのせいで毎回ファンの間で不毛な「あるとおもうなアンコール問題」「ちゃんとアンコールしろよ問題」が勃発していたのですが、今回は発声禁止だったのでその心配はありませんでした。

本編最初がPRIDEのテーマだったので、アンコール最初が本来の出囃子になります。一番有名なヤツですが、今回はコール禁止。コールがあると確かに盛り上がるのですけど、うしろの人のツバが飛んできたり、隣の人の息が臭かったりするのはけっこう不快。ですから、今後もコール禁止、もしくは最低でもマスク着用がいいですね。

アンコール最初の曲は、通称「猛烈」。一曲目がコントラディクションで、2011の再現だとわかったときから、アンコールあけ一発目はこの曲だと、だってセンターステージの真ん中に穴あいてるじゃんと、絶対出てくるじゃんと、会場にいた半分ほどはわかっていたと思います。ですので、マーティの登場をいまかいまかと待ち構えていました。間奏に向かってセンターステージ正面にカメラさんはじめ係の方が20人ほど押し寄せたのを見てもう泣けてました。ホントに来てくれましたね~。イングヴェイだったら涙も乾くところでしたが、マーティでよかったです。

境界のペンデュラムはなんかのカップリングでぬるっと入ってきたのでよくわからないのですが、重厚ドヘビメタ曲です。「これきいたことある!」って仰ってしましたけど、たぶん違う曲です(笑)。でも、一番マーティ映えする曲だと思います。ググると一日目は「黒い週末」だったのだとか。そっちはサバスをモチーフにした、ちょっとポップなハードロックで、境ペンの方がメタルっぽいので、マーティ的には二日目が優勝!です。

ラスト、白い風。ハートをギューッと掴まれるバラード。赤の子の落ちサビが切なくて大号泣です。もう何も言えないです。

オープニングでハナブサビジョンを見せて、それからも何回かシンクロがあったと思うけれど、それ以外はイメージ映像をずっと流していた4枚の巨大なセンタービジョンに、最後の最後で初めて彼女たちの顔が大写しになりましたよね。

つまり、センタービジョンによるカメラ演出はそれだけだったわけです。四つのサブビジョンはいわばサポート役で、前の人に阻まれて見えない人や視力の悪い人でも彼女らの姿を見えるようにしたり、歌詞を表示して真言をわかりやすく伝えたり、もちろん表情を映したりとか、中心的な演出ではなくて、それをサポートするビジョンがその他四つのビジョン。でも、センタービジョンは演出の中心。そこに今日初めて、彼女たちの表情が大きく映し出された、それは、僕には菩薩来迎図に見える。一人泣いてるけど、泣き虫な弥勒菩薩がいてもいいじゃない。あそこでファン達は泣いて魂を洗って成仏するんですよね。白い風に乗って、成仏して、エンディングでまた生身の体にそれを戻してもらっている。ほら、二曲目がマホロバケーションだったでしょ。「ももクロ天国ももクロ天国一度はおいで」であそこが実は涅槃の入口。で、ラストで成仏して、また戻ってきた。だから、ファンはライブで一回死ぬ。死んで、魂を洗われて、きれいな魂になってもう一回戻ってくる。すぐ汚れるけど。

エンディングトークはいつも長いです。他のアーティストさんだと最後の曲から10分くらいで撤収だと思いますが、ももクロは全員がトークを回すので、ここから30分は帰れません(笑)。でも、多くのファンはそれを期待しているし、なんなら一時間でも二時間でも聞いてると思う。延長は金がかかる(ピンク談)のでやりませんけど(笑)。紫の子が泣くのも定番ですが、最近はオトナになったのであまり泣かなかったです。でもやっぱ、二年は本当に長かった。彼女らも、ファンも。彼女が泣いてくれて、みんな泣くことができて、この二年間の不安な日々が洗い流されたんじゃないでしょうか。

最後に、メイキングを含めたエンディング映像が流れるのも定番です。毎回ここで流れる曲が本当に美しくて、でも、DVDではなぜかいつも別の曲に差し替えられてしまうので(著作権料の問題だろう)、ここでしか聴けないと思って聴きます。コロナ下、マスクでリハーサルをする彼女ら、スタッフさん達を見て最後にもうひと泣きします。至高のチルアウトで燃え尽きます。規制退場とか混雑とかで帰りが混むので(電車の時間がある人なんかは)先に出ちゃうひといますけど、このエンディングを見て、最後に拍手をして、客電がつく瞬間が本当に気持ちいいので、次からは是非時間に余裕を持ってきてくれよ!って思います。

これで終わりです。どうでした?楽しんでもらえていたら嬉しいです。

あ、最後に一つ気がついた。怪盗少女をやらなかったですね。大きなライブでこの曲をやらなかったことってあったっけな?ほとんどない気がする。まだまだ世間ではももクロというと怪盗少女しか知られてないと思いますが、それはずっと怪盗少女のイメージに引っ張られ続けているということでもあって、今回、十年経ってやっと、その呪縛から解放されたのかな?知らんけど。

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